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第368話 キドロ隊西へ

「超機動伝説ダイナギガ」がなんと25周年とのこと。四半世紀です。時の流れの恐るべき速さに呆然としてしまいます。そんなわけで、当時色々と書き溜めていたプロットや設定を元に、小説化してみようと思い立ちました。四半世紀前にこんなものがあった、そんな記録になれば良いなあなどと考えています。とりあえずのんびり書き進めますので、よろしかったらのんびりお付き合いくださるとありがたいです。なお、当時の作品をご存知無い方も楽しめるよう、お話の最初から進めていきたいと思います。更新情報は旧TwitterのXで。Xアカウントは「@dinagiga」です。

【この作品は原作者による「超機動伝説ダイナギガ」25周年記念企画です】

「おい!キドロが戻ってきた!」

 重機用ロボットに搭乗している神谷恭介が無線に叫んだ。

『何か見つけたのかなぁ?』

 同じく重機ロボットパイロットの難波秋信の興味深そうな声が、神谷の無線に届いた。

 二人は重機ロボットをここに停め、キドロ二機の帰りを待っていたのだ。

 神谷はあわてて、宇奈月建設専用ではない一般回線に呼びかける。

「泉崎さん、何かありましたか?」

 少しの沈黙があって、後藤の声が神谷の運転席に響いた。

『すげぇおもしれぇもんがあったぜぇ。お兄ちゃんたちよぉ』

 うわっ!泉崎さんに聞いたのに、こっちから返事が来た!

 神谷は後藤のことがちょっと苦手だった。この男に地上で会った時に、難波といっしょに腰を抜かしかけたのだ。二メートルもあろうかと言う大男。しかも筋骨隆々という言葉が似合いすぎていた。そしてその声は地の底から響くような低音でド迫力だったのだ。重機パイロットとして、そのへんの男に比べれば自分たちもある程度逞しいと自負していた二人だったが、後藤のあまりの迫力に威圧されてしまったのである。

「あ、ありがとうございます。それで……」

『それでぇ?』

 後藤の声音はひょうひょうとしてはいるが、神谷と難波にとっては、それこそが空恐ろしいのだ。

「えっと、どんなおもしろいものがあったのかなぁって」

 神谷は頑張って笑顔を見せた。

『それはなぁ……』

 ゴクリとつばを飲み込む神谷と難波。

『秘密だぜぇ』

 なんだそれーっ!

 神谷と難波は二人とも、心のなかでそう叫んでいた。

 そこに夕梨花の声が聞こえる。

『ごめんなさい、機密事項かもしれない事象に遭遇したんです。本部の許可が出るまで、お話できないんですよ』

「そ、そうなんですか」

 後藤の意地悪ではなかったようだ。

『神谷とか言ったっけ? お兄ちゃんよぉ』

「へ? な、なんですか?」

 後藤がニヤリと笑う。

『おめぇ、可愛い顔してんじゃねぇか』

 神谷は理由もわからず、悪寒を感じていた。

 その様子をひと通り見ていた夕梨花が、後藤をたしなめる。

「ゴッド、神谷さんをいじめちゃダメよ。丁寧に案内してくれてるんだから」

『へいへ〜い』

 後藤ののんきな声が夕梨花のコクピットに届く。

「これから西へと探索を進めますので、よろしくお願いします」

『了解です!』

『了解しました!』

 そして四台のロボットたちは、謎の地下トンネルを西へと進み始めた。

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