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第307話 戦闘準備

「超機動伝説ダイナギガ」がなんと25周年とのこと。四半世紀です。時の流れの恐るべき速さに呆然としてしまいます。そんなわけで、当時色々と書き溜めていたプロットや設定を元に、小説化してみようと思い立ちました。四半世紀前にこんなものがあった、そんな記録になれば良いなあなどと考えています。とりあえずのんびり書き進めますので、よろしかったらのんびりお付き合いくださるとありがたいです。なお、当時の作品をご存知無い方も楽しめるよう、お話の最初から進めていきたいと思います。更新情報は旧TwitterのXで。Xアカウントは「@dinagiga」です。

【この作品は原作者による「超機動伝説ダイナギガ」25周年記念企画です】

「ガクガク震えとるの、なんや気持ち悪いなぁ」

 キドロマーク2のコクピットで両津が、前面ディスプレイに映し出された暴走直前のX2アービンを見つめながらそう言った。

 複座の前席でシートベルトを締めながら正雄がニヤリと笑う。

「ありゃあ武者震いってやつだぜベイビー」

 それを聞き、後部席の両津が肩をすくめた。

「それはちゃうと思うけどなぁ」

 二人はすでに、エアロックハンガー内の新型キドロに搭乗していた。空気の抜けきったこの部屋に入るため、二人共与圧服にヘルメット姿だ。ただ、コクピット内は1気圧に保たれているため、ヘルメットのバイザーは上にはね上げている。

 両津が不安げな声で正雄に呼びかける。

「操縦は頼むで、マジで。棚倉くんを信用しとるからな」

 正雄は振り向きもせず、右手を両津から見える高さまで挙げる。サムズアップだ。

「その代わり、火器管制と索敵は任せたぜベイビー」

「もちろんや。それは任せといて。東京ロボットショーの時もバッチリやったやん」

「そんな昔のことは忘れちまったぜ」

「覚えといてーっ!」

 生徒たちの中で、ロボットの操縦テクニックに飛び抜けて秀でているのが正雄だ。そして、プロトタイプとは言え以前新型キドロの操縦経験があるのが両津である。今回のペアはなるべくしてなったと言えよう。

 一方、もう一機のキドロには女子たちが搭乗していた。

 前席の奈々が、肩越しに後ろを向きながら言う。

「やっぱり後部座席に二人って、無理があるんじゃない?」

「大丈夫!」

「ダイジョウブ!」

 ひかりとマリエがユニゾンでそう答えた。

「ロボットショーでニュー火星大王に乗った時はベンチシートだったけど、これって一人用のバケットシートでしょ? 二人で座れてるの?」

 前方を向いている奈々には見えないが、ひかりが敬礼をした雰囲気だ。

「大丈夫でありまする!二人でしごく快適でありまするっ!」

「ありまするっ!」

 今回の作戦において、正雄と奈々がパイロットを務めるのは当然のことだと言える。なにしろ、教習所の操縦成績のトップ2だ。もちろんマリエもスゴ腕なのだが、ひかりと一緒じゃないとヤダ、と駄々をこねたのである。そんな二人がペアで後部座席に乗っているのは、整備士チームからの提案だ。その理由は、生徒たちにはまだ話されてはいないが、二人の素粒子との共鳴率の高さにある。それはもちろん両津にも言えることだ。新型キドロは、搭乗者の素粒子との親和性、共鳴、共振の高さでパワーが変わってくる。

「理由は陸奥教官に聞いてください!」

 健太と亮平が、そう言って皆を説得したのである。

 その時、感染アービンの振動がピタリと止まった。

「来るぞ、ベイビー」

 正雄が静かにつぶやいた。

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