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第268話 豪華な会議室

「超機動伝説ダイナギガ」がなんと25周年とのこと。四半世紀です。時の流れの恐るべき速さに呆然としてしまいます。そんなわけで、当時色々と書き溜めていたプロットや設定を元に、小説化してみようと思い立ちました。四半世紀前にこんなものがあった、そんな記録になれば良いなあなどと考えています。とりあえずのんびり書き進めますので、よろしかったらのんびりお付き合いくださるとありがたいです。なお、当時の作品をご存知無い方も楽しめるよう、お話の最初から進めていきたいと思います。更新情報は旧TwitterのXで。Xアカウントは「@dinagiga」です。

【この作品は原作者による「超機動伝説ダイナギガ」25周年記念企画です】

 ホテルスターリングは大小いくつもの会議室を備えていた。宇宙関連産業はもちろん、様々な業種の会社が、商談やプロジェクトミーティング等で用いている。パンナムを始め多くの航空会社の定期便が就航するようになり、現在の宇宙旅行は、以前からは考えられないほどの低価格になっていた。そのため、地上で言うリゾートホテルでの豪華な会議と、その費用は大して変わらない。おかげでホテルスターリングだけでなく、ここで営業しているホテルのほとんどに、複数の会議室が存在している。

「広いですぅ!」

 その扉を開いた時、愛理が驚きに目を丸くした。

 扉には「PLEIADESプレアデス」と、立体的な部屋名が張り付いている。その横には、和名の「すばる」と小さく添えられていた。

 集まったのは、ひかりたち都営第6ロボット教習所の生徒たち全15名だ。この会議室に集まるよう、教官たちからの指示を受けていた。

 豪華なワインレッドのじゅうたん。

 ロの字型に並べられた上品な長テーブルに、30数人分のソファーのような椅子。

 そして足元から天井までの大きなガラスを用いた開放的な窓。

 外にはテラスがあり、その周りを包み込むように3Dスクリーンが貼られている。室内のスイッチ操作で、世界中の素晴らしい景色を堪能することができる最新型だ。今はマンハッタンの夜景に設定され、美しい街の灯りがまたたいていた。

 そんな設備のどれもが、超高級で超高価なのだろうと誰にでも想像できる。

「ひゅ〜、すげー部屋だぜベイビー」

 正雄が口で、口笛の音を言う。

「ここって会議室でしょ? そんなお金使って、どんな会議するのかしら」

 奈々がいぶかしげ目で室内を見渡した。

「そうですわね、恐らく億単位以上の商談やプロジェクトだと思いますわ」

「すごいですぅ!」

 奈央と愛理も、部屋の様子にキョロキョロと顔を動かしている。

「ボク、なんか居心地悪いわ」

「賛成だわ」

 珍しく奈々が両津に賛同した。

「それで、私たちどうしてここで待たないといけないの?」

 心音がキツめの声でそう言った。

 それをなだめるように、大和がまぁまぁと手を振る。

「ココ、怒ってても仕方ないし、とりあえず座って待とうよ」

 大和の言葉に、全員がひとつため息をつき、思い思いの椅子に腰を下ろした。

 座ったことでやっと落ち着いたのか、始まるのはさっき見たばかりの記者会見についての会話である。

「しっかし驚いたで。地球は侵略者に狙われている!って、陳腐なB級映画やないんやから」

「B級映画にも、名作がありますわ」

 両津の言葉に奈央が反論する。

「いやいや、そういうことやないねんて」

「でも、なんだか現実味が無いわよね」

「舌つづみ!」

 奈々の言葉にひかりが反応した。

「現実味よ!」

「腹つづみ!」

「違うって!」

「お花摘み!」

 そう言ってひかりはハッとする。

「お花摘み行かないと!」

 突然もじもじし始めると、今入ってきたばかりの扉へ向かう。

「私も」

 マリエが後を追う。

「じゃあ、何だっけ? ワシントンクラブ? 私も行くわ」

 と、奈々も立ち上がる。

「じゃーない。これから大変な話がありそうやし、みんなで行っとく? ワシントン……タイムズ?」

「それは新聞ですわ」

「お前、新聞でふくのか? ダイナミックなヤツだぜベイビー」

「ふかへんわ!」

 大騒ぎをしながら15人全員で、トイレを探して廊下へと出て行った。

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