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第236話 雑談しましょ

「超機動伝説ダイナギガ」がなんと25周年とのこと。四半世紀です。時の流れの恐るべき速さに呆然としてしまいます。そんなわけで、当時色々と書き溜めていたプロットや設定を元に、小説化してみようと思い立ちました。四半世紀前にこんなものがあった、そんな記録になれば良いなあなどと考えています。とりあえずのんびり書き進めますので、よろしかったらのんびりお付き合いくださるとありがたいです。なお、当時の作品をご存知無い方も楽しめるよう、お話の最初から進めていきたいと思います。更新情報は旧TwitterのXで。Xアカウントは「@dinagiga」です。

【この作品は原作者による「超機動伝説ダイナギガ」25周年記念企画です】

「センセ、泉崎さんと愛理ちゃんを連れてきました!」

 職員室の引き戸が勢いよく開かれ、両津が飛び込んで来た。

 彼に続いて、奈々と愛理も扉をくぐる。

「急に呼び出しちゃってごめんね、二人にもちょっとお話を聞きたくて」

 美咲の笑顔が奈々と愛理に向けられる。

 二人は、ひかり、マリエと横並びになって置かれていた椅子に腰掛けた。

 両津はそんな四人の横に立っている。

「泉崎さんと伊南村さんに来てもらったのは両津くんのアイデアなの」

 美咲のその言葉に、奈々と愛理は両津に視線を向けた。

「僕な、前からちょっと気になってることがあってん。今日はそれを証明したいと思て」

 いつになく真面目な表情の両津である。

「それで、私たちは何をすればいいんですか?」

 奈々の質問に、美咲がスッと真顔を見せた。

「実はね、ついさっき遠野さんとマリエさんから、二人はロボットの心が分かるって話を聞いたの」

 あ、話したんだ。

 奈々はそう思い、ひかりに顔を向けた。

「教官ズの皆さんも山下先生も、とっても優しそうだったから」

 えへへ、と苦笑するひかり。

 マリエはその横でうんうんと首を縦に振っている。

「それと関係があるかどうかはまだ分からないんだけど、私たちも遠野さんのことでちょっと気になってることがあるの」

「それがダジャレなんや!」

 両津が力を込めてそう言った。

 両津によると、愛理が口にした言葉にひかりが反応してダジャレを連発する。それに奈々が突っ込む。つまりこの三人でひと組になっていると言うのだ。

「だから、あれを再現するにはこの三人が必要なんや!」

「あんた、力こもってるわねぇ」

「両津くん、面白くないよ?」

「お笑いのセンス、無いから」

 奈々、ひかり、マリエの攻撃が両津に炸裂する。

「いやいや、別にオモロい話してへんから!今は真面目やから!」

「両津くんの真面目な顔、ちょっと面白い」

 ひかりがクスッと笑った。

 なぜか両津の頬が赤くなる。

「それはええから、さぁ、いつものヤツやってや!」

 静まり返る職員室。

 それはそうだ。いつも自然発生で始まる会話を、意識してわざと始めろと言われても難易度が高すぎる。

「えーとえーと……」

 沈黙に耐えかねたのか、ひかりが何かを言い始めた。

「となりの庭に囲いができたってねぇ、カッコいい〜!」

「それを言うなら塀や!塀!へぇ〜!」

 両津が突っ込んだ。そしてそのまま頭を抱える。

「そういうのとちゃうねん!うむむむ、どう説明したらええんやろ?」

「そうねぇ……じゃあ、みんなでしばらくの間、雑談でもしましょうか」

 助け舟を出したのは美咲だ。両津はホッとひとつ、ため息を漏らした。

 そこからの雑談は……まさに雑談だった。

 特に決まったテーマもない、実にとりとめのない会話が展開されていったのだ。

 これ、いつまで続くんやろ?

 そんな両津の思いとは裏腹に、その雑談は盛り上がりを見せていた。

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