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第228話 注目!

「超機動伝説ダイナギガ」がなんと25周年とのこと。四半世紀です。時の流れの恐るべき速さに呆然としてしまいます。そんなわけで、当時色々と書き溜めていたプロットや設定を元に、小説化してみようと思い立ちました。四半世紀前にこんなものがあった、そんな記録になれば良いなあなどと考えています。とりあえずのんびり書き進めますので、よろしかったらのんびりお付き合いくださるとありがたいです。なお、当時の作品をご存知無い方も楽しめるよう、お話の最初から進めていきたいと思います。更新情報は旧TwitterのXで。Xアカウントは「@dinagiga」です。

【この作品は原作者による「超機動伝説ダイナギガ」25周年記念企画です】

「はい、ちゅうもーくっ!」

 都営第6ロボット教習所の教室に「3年B組金八先生」の坂本金八をマネたような南郷の声が響き渡った。

 冬休み中にここで学んでいた生徒は50人だったが、現在は15人にまで減っている。数々のトラブルに見舞われ、冬期休暇の終わりまでに免許を取得することが事実上不可能になってしまった。そこで、希望者以外の生徒たちは、地元の教習所へ転校していったのだ。と、表向きはそう発表されている。だが、ここに残った生徒たちは教習所、いや対袴田素粒子防衛指揮所が選別したメンバーである。そして冬休み中は二クラスだった体制も、今では一クラス編成に変えられていた。

「南郷センセ、ひとりコントでも見せてくれはるんですか?」

 両津から、ちょっと茶化したような声が飛んだ。

 南郷が注目!と言った時に限って、大したことが無いことを、両津をはじめ生徒全員が理解していた。思いついたダジャレを発表したり、一人芝居(南郷はそう言うのだが)という名のミニコントを見せられたり、いつも肩すかしだ。

「コントちゃう!俺のはひとり芝居や!」

「何が違うんですか?」

 首をかしげたひかりの問いに、南郷がニヤリと笑う。

「演技力や!」

 しばらくの沈黙に包まれる教室。

「えんぎりょくって何ですかぁ?」

 それを破ったのは愛理だ。

「それはね愛理ちゃん、南郷教官には無いものだよ」

「それは政治力!」

 ひかりのボケに、奈々が勢いよく突っ込んだ。

「少しぐらいあるわ!」

「じゃあ、組織力?」

「うぐぐぐ……」

 政治力も組織力も、南郷には無縁なものである。

「じゃあ……持続力!」

「なんのや〜?!」

 今度は両津が突っ込んだ。

「もうええ!」

 南郷があきらめたように、大きくため息をついた。

「さ、遠慮せんと入ってきてや!」

 肩をすくめた南郷が、教室の前の入口に向かって声をかけた。

 ガラガラと、引き戸が開かれ、一人の女性が入って来た。

 黒髪ロングが美しく、長身にとてもよく似合っている。

「今日から君らを教えてくれる新しい先生や!」

 その女性は教卓に手を置いて、教室の15人をゆっくりと見渡す。

 ピンと伸びた背筋が、彼女の長身をより強調していた。

「山下美咲です。よろしくね」

 美咲は、優しい笑顔を生徒たちに向けた。

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