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第204話 作戦会議だ!

「超機動伝説ダイナギガ」がなんと25周年とのこと。四半世紀です。時の流れの恐るべき速さに呆然としてしまいます。そんなわけで、当時色々と書き溜めていたプロットや設定を元に、小説化してみようと思い立ちました。四半世紀前にこんなものがあった、そんな記録になれば良いなあなどと考えています。とりあえずのんびり書き進めますので、よろしかったらのんびりお付き合いくださるとありがたいです。なお、当時の作品をご存知無い方も楽しめるよう、お話の最初から進めていきたいと思います。更新情報は旧TwitterのXで。Xアカウントは「@dinagiga」です。

【この作品は原作者による「超機動伝説ダイナギガ」25周年記念企画です】

「奈々ちゃん、奈々ちゃん」

 ひかりが奈々の脇腹をひじで小突く。

「しっ!小さな声で!あいつに見つかったら大変よ」

 奈々が視線で、ビームライフルを構えているUCダンガムを示す。

「あれって、何やってるんだろ〜?」

 ひかりの声に危機感は無く、どこかのんきな雰囲気が漂っている。

 その目つきも、なぜかキョトンとしていた。

「分からないけど、テロかもしれないわね」

 奈々が小声で答えた。するとひかりも小声で返してくる。

「お寿司もお刺身も、やっぱりおいしいよね」

「それはトロ!」

「最近のホラー映画って怖いよね」

「グロ!」

「いや〜、二日酔いだ〜」

「ゲロ!」

「うっひっひ!」

「エロ!また人間の尊厳に関わるからもうやめなさい!」

「テロリズムですか……この前渋谷で暴れたテロ組織かもしれませんわね」

 ひかりと奈々の会話を無視して、奈央がそうつぶやいた。

「エロリズム!」

「やめなさいって!」

 小声ではあるが、ひかりたちがコッソリそんな会話を交わしていると、突然さっきの男の声がした。

『そこのお嬢ちゃんたち、ちょっと静かにしてくれませんか?』

 ハッとしてひかりと奈々が顔を上げると、UCダンガムが、こっちに顔を向けていた。

「は〜い!」

 ひかりが右手を上げ、元気に返事をした。

 どうやらこの事態が飲み込めていないようだ。

 あちゃ〜、という表情の奈々。

「ひかり、もしかしてテロが何か分かってないの?」

「カエルは?」

「ケロ!」

「もう遅いから早く?」

「寝ろ!」

「なんにも無いよ!」

「ゼロ!」

 また始まってしまったひかりと奈々の会話に、奈央がひとつため息をついてから割り込んだ。

「テロリズムは、政治的目的を達成するために、恐怖や不安を利用する暴力的破壊活動のことです。そしてテロリズムを行なう人たちのことをテロリストと言いますわ」

「エロリスト!」

「だからやめなさいってば!」

「ちょっとむずかしいですぅ」

 奈央の説明に、愛理が小首をかしげた。

「もし仮にこの前の渋谷と同じ連中だとすると……黒き殉教者だっけ? 国際テロ組織の」

「そうなりますわ。まぁ私たちは新聞やテレビでの報道しか知りませんから、本当はもっと何かあるのかもしれませんけども」

 ひかりと愛理とは違い、奈々と奈央の会話はちょっと理知的だ。

 キーン……!

 UCダンガムの外部スピーカら、再びハウリングノイズが響いた。

「もう、うるさいなぁ」

 ひかりが抗議の声を上げる。

「あの方、スピーカーの音量を上げすぎているのですわ。外部スピーカーから出たご自分の声を外部マイクが拾って、中のコクピットのスピーカーで鳴らしているのだと思います。そうすると音が回ってしまって、ノイズになってしまうのです」

「宇奈月先輩物知りですぅ」

『そうなのですか。では、少し音量を下げましょう』

 UCのパイロットにこちらの会話が聞こえている?!

 どんな高性能マイクを搭載しているのか?

「ところで両津くんたち、どうしたんだろ。消えちゃったよ?」

 ひかりの問いに、奈々が右手の人差指をひかりの唇にぐっと押し当てる。

「しっ!ヤツに聞こえたらマズいわ」

「どうみゃずいにょ?にゃにゃちゃん」

 唇を押さえられたまま、ひかりが首をかしげた。

 奈央が奈々に目配せをする。奈央の視線は初代ダンガムへと向けられていた。

 うん、と小さくうなづく奈々。


「じゃあ行くぜ!」

「ロボット部、行きま〜す!って、その前に作戦とかあるんか?」

「ない!」

 正雄が自信たっぷりに、キッパリとそう答えた。

「あちゃちゃ〜、そらアカンで。考えてから動かんと」

 大和が小さく手を挙げる。

「あの〜、とりあえずあのライフルが怖いので、なんとかなりませんか?」

「ライフルを無力化する方法か……」

 正雄が腕を組み、考え込んだ。

 すると両津が正雄に視線を向ける。

「別に無力化なんかせえへんでもええんちゃうか?」

「どういうことだ?」

 正雄の問いに、両津はニヤリとした笑顔を返す。

「奪い取ったらこっちの武器になるやん」

「なるほど!両津くんは天才だぜ!ではその手でいこうぜベイビー!」

 四人はシートに座り直し、眼前に広がる各種ディスプレイに目を向けた。

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