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第200話 警備出動

「超機動伝説ダイナギガ」がなんと25周年とのこと。四半世紀です。時の流れの恐るべき速さに呆然としてしまいます。そんなわけで、当時色々と書き溜めていたプロットや設定を元に、小説化してみようと思い立ちました。四半世紀前にこんなものがあった、そんな記録になれば良いなあなどと考えています。とりあえずのんびり書き進めますので、よろしかったらのんびりお付き合いくださるとありがたいです。なお、当時の作品をご存知無い方も楽しめるよう、お話の最初から進めていきたいと思います。更新情報は旧TwitterのXで。Xアカウントは「@dinagiga」です。

【この作品は原作者による「超機動伝説ダイナギガ」25周年記念企画です】

 キドロを乗せた運搬車・キドロトランスポーター三台と、大型バスほどのサイズがある指揮車一台が、新宿通りから首都高速都心環状線/C1に入る。そのままC1を進み、首都高速11号台場線の台場出口から出るのが東京ビッグサイトへの最短ルートだ。

 東京ロボットショーの警備担当は湾岸署だ。酒井弘行理事官と湾岸署の打ち合わせの結果、警備にキドロを投入すると決まったのだ。

 湾岸署は2008年に東京都江東区青海に開設された警視庁の警察署で、正式名称は「東京湾岸警察署」だ。その前身は東京水上警察署で、管轄区域は港区台場や港南の一部、品川区東品川の一部と非常に広範囲に渡る。都内の警察署としては最も新しく、某刑事ドラマの放送より後に設立されたもので、ドラマの舞台であるとの認識は正しくはない。警視庁に逮捕された芸能人や著名人の多くが移送されることでも有名な同署だが、 女性専用の留置場が整備されている他、都心部にもかかわらず周囲に住宅や商業施設が少ないため、だと言われている。

 トクボ部は警視庁、つまりの本庁の所属だ。そして湾岸署はいわゆる所轄である。テレビの刑事ドラマでは大抵、所轄と本庁は仲が良くない。だがそれは大きな間違いだ。そもそも所轄自体、警視庁の一部だ。会社でいえば本店と支店のようなもので、警察官は人事異動で頻繁に本庁と所轄を行ったり来たりする。立場が入れ替わるのが普通なのである。つまりドラマのように、本庁の人間が所轄よりエラい、なんてことにはならないのだ。

「キドロ各機、白谷だ」

 白谷の声が、三機のキドロのコクピットに届く。

「今回はあくまでも警備出動だ。もちろん可能性はあるが、テロが起こるとは限らない。来場者の不安をあおらないよう、各機飛び道具は携帯しないこととする」

「了解!」

 トクボ部の車列は、勢いよく首都高台場線へと入った。


 その同時刻、ビッグサイトでは三つの怪しい人影が動いていた。

「こちらヴァイシャ、予定位置に到着しました」

「クシャトリヤ、到着済みです」

「こちらアヴァターラだ。そのまま待機、追って司令を伝える」

 男たちの耳には小型の無線機が見える。ただその外観はワイヤレスイヤホンと酷似しているため、見とがめるものは誰もいない。それ以前に、あまりにも来場者の数が多く、三人は人混みに紛れてしまっていた。


「ここで俺からステキな提案だぜ、ベイビー!」

 新型ロボットの見物にいそしんでいた一同に、正雄が通せんぼのように立ちふさがった。

「なんやなんや? 何があるんや?」

 両津の問いに、正雄が咳払いをする。

「もったいぶらずに早よ言うてくれや」

「分かった!みんな、今日のプログラムにしっかりと目を通したかい?」

「漢字がいっぱいで読めませ〜ん」

「専門用語ばっかりで読めないですぅ」

 ひかりと愛理が同時にそう言った。

「今日開催されるイベントの欄を見ると……ほらこれだぜ!ダンガムのデモンストレーション運転があるんだぜ、ベイビー!」

「それ、すごいやん!」

「わたくしも見たいですわ!」

「絶対に見たいですぅ!」

「奈々ちゃん、すごいイベントだね!」

「新型は後でも見れるし、ぜひイベントへ行くべきね」

「うん」

「この私が見てあげても良くってよ?」

「スマホで動画撮りたいよね、ココ」

 全員賛成だ。

「よし!ほんなら見物は一旦中止して、ダンガムの所へ戻ろか!」

「お〜!」

「ちょっと待った〜!」

「何やねん、棚倉くん」

「ひとつだけ問題があるんだぜ」

「なんや?」

「後一分で始まるんだぜ、ベイビー」

「なんやて?!みんな急ぐんや〜!」

 全員で、入口めがけて走り出したのであった。

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