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第192話 エポックメイキング

「超機動伝説ダイナギガ」がなんと25周年とのこと。四半世紀です。時の流れの恐るべき速さに呆然としてしまいます。そんなわけで、当時色々と書き溜めていたプロットや設定を元に、小説化してみようと思い立ちました。四半世紀前にこんなものがあった、そんな記録になれば良いなあなどと考えています。とりあえずのんびり書き進めますので、よろしかったらのんびりお付き合いくださるとありがたいです。なお、当時の作品をご存知無い方も楽しめるよう、お話の最初から進めていきたいと思います。更新情報は旧TwitterのXで。Xアカウントは「@dinagiga」です。

【この作品は原作者による「超機動伝説ダイナギガ」25周年記念企画です】

「ほんで宇奈月、鉄腕アトムの後、日本のロボットアニメはどうなったんや?」

 南郷は授業を元の流れに戻すため、奈央に話の続きをうながした。

「日本のロボットアニメはあまりにも数が多いので、エポックとなった作品のみ紹介したいと思います」

 奈央がオホンと、ひとつ咳払いをする。

「鉄腕アトム以降、エイトマン、ロボタン、アストロガンガーなど、たくさんのロボットアニメが作られました。ですが、大きく飛躍したきっかけは、1972年12月に放送がスタートされた『マジンガーZ』でしょう。パイルダー号と言うプロペラで飛ぶマシンが巨大ロボットの頭部に合体し人が操作する、操縦型ロボットの基本スタイルがここで確立されたのです」

「それ、すごくいいな!」

「めっちゃ楽しそうや!」

 正雄と両津が食いついた。

「作中でマジンガーは『超合金Z』と言う金属で作られている設定なのですが、この『超合金』と言う名前で亜鉛合金製のおもちゃが発売されて大ヒットとなりました。どれだけのヒットだったのかと言うと、今でも金属製のロボット玩具を超合金と呼ぶ人がいるほどです」

「私、超合金のロボットたくさん持ってますぅ」

「愛理ちゃん、いいなぁ」

「ひかりはクマさんの方がいいんじゃないの?」

「超合金クマしゃん!」

「強いのか可愛いのか分かりにくっ!」

 奈々がガクッとズッコケた。

「次のエポックメイキングな作品は、1979年の『機動戦士ガンダム』でしょう。翌年の1980年にはガンダムのプラモデル、通称ガンプラが大ヒットしています」

「ガンプラなら俺も山ほど作ったぜ、ベイビー!」

 さすがプラモマニアの正雄だ。

「ガンダムは見てたの?」

「見てないぜ!」

 正雄はきっぱりとそう言った。

「見てないんかーい!」

「そして1995年には『新世紀エヴァンゲリオン』の放送がスタートされました。これは皆さんご存知でしょう? まさに社会現象と言ってもさしつかえない大ヒットでした」

「ご存知ないで〜す!」

「ひかり、まだ生まれてない頃のアニメだから仕方ないわよ」

「奈々ちゃんは?」

「同い年でしょ!」

 彼らにとって身近なアニメを題材にすれば、ロホットの歴史にも興味を持つかもしれない。そんな、南郷のもくろみは成功したようだ。

「ほんなら現実の世界に戻って、リアルロボットの歴史が分かる者はおるか?」

「こっちは俺の縄張りだぜ!」

 正雄がものすごい勢いで手をあげる。

 ビュンと、風を切る音が聞こえた気がした。

「棚倉、言ってみ」

「19世紀のフランスのパリで人気になったオートマタって言う機械で動く自動人形とか、日本ならからくり人形や1928年昭和天皇の即位を記念して開催された大礼記念京都博覧会で公開された學天則なんかもあるが、俺が認めるのは、世界初の産業用ロボット、1962年にアメリカで発売されたユニメーション社の『ユニメート』だぜ!ベイビー!」

「なんで上からなのよ?」

「下から見てもいいのかい?お嬢ちゃん」

 シモネタである。

 奈々の頬が紅潮する。

 怒りからなのか、羞恥からなのか、本人にも分っていないようだ。

「そしてエポックメイキングなのは、」

 どうやら奈央のトークのパターンで行くらしい。

「火星大王の発売だぜ!」

「はい!火星大王です!」

 ひかりがぴょこんと立ち上がる。

「ひかり、あなた火星大王じゃないでしょ!」

「てへぺろ」

 まぁ、間違ってはいないわなぁ。

 南郷は心中でそうつぶやいていた。

 火星大王は乗用ロボットの歴史において、特筆すべき機体なのである。現在に至っても、あれだけの台数が売れたロボットは他に登場していない。

「そしてさらなるエポックメイキングは!」

 皆が正雄に注目する。

「俺というパイロットの登場だぜベイビー!」

 今度は奈々だけでなく、この教室の全員がズッコケた。

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