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第190話 授業スタート

「超機動伝説ダイナギガ」がなんと25周年とのこと。四半世紀です。時の流れの恐るべき速さに呆然としてしまいます。そんなわけで、当時色々と書き溜めていたプロットや設定を元に、小説化してみようと思い立ちました。四半世紀前にこんなものがあった、そんな記録になれば良いなあなどと考えています。とりあえずのんびり書き進めますので、よろしかったらのんびりお付き合いくださるとありがたいです。なお、当時の作品をご存知無い方も楽しめるよう、お話の最初から進めていきたいと思います。更新情報は旧TwitterのXで。Xアカウントは「@dinagiga」です。

【この作品は原作者による「超機動伝説ダイナギガ」25周年記念企画です】

「一般的にロボットと呼ばれるものには、大きく分けて二種類が存在するんや。何と何か言うてみぃ。遠野!」

「はい!」

 ひかりが勢いよく立ち上がる。

 冬休みが終了し、都営第6ロボット教習所では高校の授業がスタートしていた。

 この時間の担当教諭は南郷である。

 教室の黒板に「ロボットの歴史」と、南郷の汚い字で書きなぐられていた。

 冬休み中にここで学んでいた生徒は50人だったが、今回の措置で15人になっている。そのため、二クラスだった体制も一クラス編成に変えられていた。大学に進学する人、専門学校に進学する人、就職する人など、高校卒業後の進路によって選択科目を変えるのが通常なのだが、ここに残った15人全員がたまたま大学進学組だと判明して一クラスにまとめることになったのだ。普通科高校では通常、必修科目として国語、地理歴史、公民、数学、理科、保健体育、芸術、外国語、家庭、情報などを学ぶ。だがここでは特別に専門科目として「ロボット」と言う授業が設けられていた。ロボットの歴史からロボット工学まで、ロボット全般についての基礎を学ぶ科目である。現在その授業の真っ只中なのだ。

「えーとえーと……」

 ひかりが何かを思い出そうと、首をひねっている。

「分かった!リアルロボットとスーパーロボット!」

「それではアニメですわ」

 教室が笑いに包まれる。

「遠野、おしい!もうひと声や!」

 南郷があおる。

「えーとえーと……変形ロボットと合体ロボット!」

「それもアニメですぅ」

 再び生徒たちが楽しげに笑う。

「おしい!あとひと声や!」

「うーんとうーんと……お掃除ロボットとロボット冷蔵庫!」

「冷蔵庫が歩いたら怖いわよ」

「便利かもしれないぜ?」

 奈々と正雄が謎の会話をしている。

 南郷センセ、わざとやってるんちゃうか?

 両津は南郷がひかりから天然回答を引き出そうとしているのではないか、と疑っていた。

「うにゃーっ!これ以上無理で〜す!」

 ひかりが猫のような声をあげて降参した。

「よーし、俺が説明したろ」

 いやいや、センセなんやから説明してくれるの当たり前やん。

 両津の心の突っ込みだ。

「産業用ロボットと、非産業用ロボットや」

 産業用ロボットは、工場などの単純作業の工程で、人間の代わりに使用されているものだ。一方の非産業用のロボットは、人間の居住空間で一緒に生活する、あるいは生活の手助けをする個人向けのものを指す場合が多い。産業用のように単純に作業をこなすだけではなく、人間の感性等も考慮されているものと定義されている。ペットの代わりとして人間とコミュニケーションをとるもの、清掃などを人間の代わりに行うものなど、手助けを目的としたものだ。乗用ロボットも、法律的にはこのカテゴリーに入れられている。。

「次の基礎問題や。ロボット三原則を言ってみぃ。棚倉!」

「まかせろよ、ベイビー」

 正雄がすっくと立ち上がる。

「暴走ロボットを止めるのは市民の義務である!」

 教室に沈黙が訪れる。

「ひとつしかないじゃないの!」

 奈々の突っ込みは正しい。南郷は三原則を問うているのだ。

「しゃーないな。宇奈月、分かるか?」

「もちろんですわ」

 奈央がひとつ咳払いをした。

「第1条、ロボットは人間に危害を及ぼしてはならない。

 第2条 第1条に反しない限り、人間の命令に服従しなければならない。

 第3条 第1条、第2条に反しない限り、自己を守らなければならない」

「正解や」

 教室が拍手に包まれる。

 なぜか正雄が手を振りながら着席した。

 1921年,旧チェコスロバキアの劇作家 Karel Capek は 「R.U.R.(Rossum's Universal Robots)」 という作品の中で、世界で始めてロボットと言う言葉を使った。劇中、科学者のロッサムは人類を助けるためにロボットを作る。ところが人間たちは次第にロボットを武器として使うようになり、最後にはロボットの反乱で人類は滅亡してしまう。以降そんな内容の演劇や小説が書かれる中、1950年に科学者で小説家のアイザック・アシモフがSF小説「私はロボット」の中で提唱したのがロボット三原則なのだ。

「じゃあ、いよいよロボットの歴史に入っていくで。最初のロボットは何やと思う? 遠野、名誉挽回してみ」

「鉄腕アトムです!」

 あちゃ〜。

 教室に、またやらかした〜、と言う空気が広がった。

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