第133話 めっちゃええこと
「超機動伝説ダイナギガ」がなんと25周年とのこと。四半世紀です。時の流れの恐るべき速さに呆然としてしまいます。そんなわけで、当時色々と書き溜めていたプロットや設定を元に、小説化してみようと思い立ちました。四半世紀前にこんなものがあった、そんな記録になれば良いなあなどと考えています。とりあえずのんびり書き進めますので、よろしかったらのんびりお付き合いくださるとありがたいです。なお、当時の作品をご存知無い方も楽しめるよう、お話の最初から進めていきたいと思います。更新情報は旧TwitterのXで。Xアカウントは「@dinagiga」です。
「ボク、めっちゃええこと思いついたんやけど、聞いてくれへん?」
両津は立ち上がり、いつもの面々にそう言った。
陸奥と南郷まで出かけてしまい、授業の再会は不可能だ。そう判断した雄物川は、今日の授業を全て休講とし、自習さえとりやめにした。そこでひかりたちは、学食でお茶の時間を楽しんでいた。
「なんですかぁ?おもしろいことですかぁ?」
愛理が目を輝かせている。
「もしかして、おいしいこと?!」
ひかりの目もキラキラだ。
「いや、食べ物の話しやないねん」
「ざんね〜ん」
ひかりがちょっとガッカリする。
「どういうお話ですの?」
奈央の質問に、両津は不敵な笑顔になった。
「それはやなぁ」
一同が両津を見つめる。
「この教習所に部活をつくるってのはどうや?」
「部活ですって? 両津くんは何の部活をつくりたいの?」
菜々が小首をかしげた。
「その前に、部活ってなんですかぁ?」
「それはね愛理ちゃん、うっかりしていてミスをしてしまうことだよ」
ひかりが右手の人差指を立てて、自信ありげにそう言った。
「それはうかつ!両津くんが言ったのは部活!」
「泉崎くん、君は起こると眉毛が怖いぜ」
正雄の突っこみがあまりにも久しぶりだったため、菜々はうっかりその言葉を止めるのを忘れてしまった。
「うかつなのは君だぜ!」
正雄がビシッと菜々を指差す。
「確かにうかつだったわ」
奈々が悔しそうに歯噛みした。
「部活と言うのは、部活動の略ですわ、愛理ちゃん。簡単に言うとクラブ活動のことです」
「クラブ活動なら分かるですぅ!」
「なるほろ〜」
奈央の説明に、愛理もひかりも納得したようだ。
「ボクらいっつも同じメンバーで集まってるやん」
この場の全員がうなづく。
「ほんなら、この集まりを部活にして部費もろたらええねん!そーしたらそのお金でアイスとか食べれるで!」
「アイス〜!」
「あいす〜」
はしゃぐひかりに、マリエが声を合わせた。
「ただ、何のクラブにしたらええのか、サッパリ思いつかへんねん。ほんでみんなからもアイデアを募集したいんや!」
「補習〜!」
「それはひかりだけじゃない」
「トホホのホ〜」
「ひとりずつ、何の部活がええか聞かせてくれへんか?」
両津が全員を見るように、顔を巡らせた。
「私は特撮部がいいですわ」
奈央がうなづきながらそう言う。
「そうね。どうせなら警察部とかはどうかしら」
さすが奈々だ。彼女の家は警察一家なのである。
「私はかわいいものナデナデ部がいいですぅ」
そんな愛理に、ひかりが乗っかった。
「私はおいしいもの食べ食べ部がいいな」
「俺はプラモ作る作る部がいいぜ」
正雄の部活はゴロが悪かった。
「ロボット部」
マリエのひと言に、全員が顔を見合わせる。
確かに、ここにいる全員の共通点と言えばロボットだ。
「それだ〜!」
一同声を揃えて叫んでいた。




