#III(ナンバー3) 死刑囚X
アリスは、とある夜、何者かを見てしまう。
アリス達ゴドウィン5人兄弟は、警察に保護される形でセントソニアフィールド刑務所に行くことになった。
セントソニアフィールド刑務所は、罪人らを収監している監獄であり、一生出られないほど恐ろしい噂が絶えない所である。
「もしかして、私はとんでもないことやらかしてしまったのかしら?」監獄の所長が来て、「君たち5人兄弟は罪人ではないが、収監される理由は、魔物に襲われないようにしているだけだ」と、言います。
ゴドウィン5人兄弟は、刑務所の牢屋とは言えないほどの清楚で清潔感のある部屋に入れられた。
監獄の所長が来て、「これから、死刑囚の刑を執行する。全員、処刑場へ集合せよ」と、言いました。
ゴドウィン5人兄弟と、囚人達は、死刑囚Xの刑が執行されるところを見た。
死刑囚Xは高齢で、80歳で、死刑を執行された。
看守は、「よく見たかな? この老人は、数多くの殺人を犯した」と言う。
その夜、アリスは眠りについていた。
夜中の刑務所を徘徊する足音が響きます。
次の日、監獄の所長が新聞を読むと、「ん? どういうことだ?」と不審に疑う。
《セントソニアフィールドにて市民の不審死が多発》という一面であった。
《警察が調べたところ、いずれの遺体には、首元に何かが刺さった痕が見つかった》と新聞の内容が書かれている。
その日の集会室にて、所長が言う。「近頃、外の世界では、不審死が相次いだ。気を付けたまえ」
ゴドウィン5人兄弟は、その夜吸血鬼の存在を恐れた。
アリスは寝ていたその時、何者かがアリスの体に乗っかっていた。
(ん? 誰?)と、アリスは、ふと目を開けると、刑を執行されて死んだ囚人である死刑囚Xと思われる顔を見てしまった。
アリスは、死刑囚Xらしきものに襲われ、血を吸われ始めてしまう。
「うぅぅぅぅっ……(苦しい。誰か助けて。このままじゃ、死んじゃうよ)」
看守が見張りをしていたところ、「ん? 部屋から唸り声が聞こえる」と、言い、アリスの部屋を開けると、アリスを襲った者の姿はなかった。
アリスは、荒い息を立てていた。
次の日、アリスは警察病院の病室で目を覚ました。
「やっと目覚めたようだ。たった今、輸血を終えたところだ」と、医師は言う。
「大丈夫か?」と、兄ヨシュアが駆けつけに来た。
「お兄ちゃん、怖かったよ」
その夜、アリスがいる病室で、ガサガサとアリスの耳元に何かの音が聞こえてきます。
ゴキブリです。
「キャー、助けてー」と、アリスは慌てて悲鳴を挙げ、ナースコールのボタンを押した。
看護婦たちは、慌てて、アリスがいる病室に駆け込んだ。
看護婦たちは、ゴキブリを見て、駆除しようとしますが、見失ってしまった。
「あの日、大丈夫だった? 苦しかったでしょ」
「血が無くなるところだった」
看護婦の声掛けにアリスは答えた。
夜が明けると、院長が来て、「容態は良好になりつつありそうだ」と、アリスを診察した。
(本当に夜が怖くなった)
しばらくすると、ヴェロニカが来て、「アリスはどうしたのですか?」と言う。
「落ち着きたまえ。アリスは今、恐怖に怯えている。危うくこの子の命が無くなりそうになるところだったんだ」
「じゃあ、助かったの?」
「その通りだ。血を吸い尽くされそうになってた所。看守が気が付いてくれたから、彼女は助かったんだ」