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75話 大地の裂け目

 皆と一緒に一風呂浴びてやる気が漲ってきた。



「テラ、まずはドラの武器の修理、そのあと俺の武器の製作お願い出来るか?」


 コクコク!!


「ありがとう。よろしくな!」



 俺の武器はアマテラスとの戦闘で破損し消失してしまった。ドラも同様に耐久値が減り破損が酷かったが、イベントでは素材の持ち込みが不可だったため現地で修理出来ず、以降ドラには消失しないように立ち回ってもらっていた甲斐あってドラの武器は修理で事足りる。



「さて、俺はベガの修理に………んっ?」



 テラに武器の事を頼み、俺は早速【ベガ】の修理に取り掛かろうと思っていると、レラが俺の手を掴みグイグイと引っ張ってくる。



「あっ!!ホームの採取か!」



 1週間ホームを離れていたため日課であるホーム内採取をスッカリ忘れていた。

 テラは作業を続けるようで、他の皆とホーム内を採取して回る。この日、薬草や木材は相変わらずだが、貴重なミスリルがザクザク採れた。以前はレラの【超幸運】でも1個しか採れなかったミスリルだが、今は1箇所から一度に採取出来る数が3個、さらに3箇所しかないミスリル採取ポイントのうち2箇所から採取出来た。



「やっぱレベルかなぁ……レラもめっちゃ上がったし」



 初めてミスリルを手に入れてから約一月ほど経っているが、その間も1週間イベントを除く期間以外は採取を地道に続けていたためミスリルもそれなりの数が揃ってきた。



「ありがとうレラ。集まったミスリルで何か作れると良いな!」


 コクコク



 はにかんだ笑顔で頷くレラがとても可愛い。

 1週間イベントで改めて思い知らされたが、本当に召喚者達には感謝だ。



 ▽▽▽



 数日が経過し、【ベガ】の修理が完了した。すでに一旦は完成しているため修理自体はパーツを作って組み立てるだけだ。パーツを作るのに"待ち時間"が発生するため時間は結構かかったがややこしい作業などもなくすんなり終わった。



 その間に、俺を持て囃す騒ぎも随分落ち着いてきた。街に出ても変わらず視線は向けられるが、ひっきりなしに話しかけられるという事はなくなり、やっと思うように遊べるようになった。



 なのだが今度は近日実装される【クラン】への勧誘メッセージが凄まじい事になった。

 最前線攻略組、フレンド達からも勧誘があったが様子見したいと一先ずは全て断り、勧誘設定をOFFにして勧誘を受け付けないようにしておいた。



「クラン内で絶対揉め事とかあるよなぁ……ギスギスはゴメンだ」



【クラン】については実装されてから考えても遅くはない。今はまだ召喚者達と共に自由気ままに冒険したいのだ。



 騒ぎも落ち着き装備、ライドの修理が終わったことで、やっと冒険に行く準備が整った。今日から冒険再開だ。



「さて、じゃ出発だ!まずは街を巡ろう」



 レベルが一気に上がったことで冒険者ギルドや召喚士ギルド、他の街で何か変わった事はないかと思い、転移を使い順番に巡っていくがこれといった変化はなかった。



 だが【天空の街】にあるNPCの魔道具ショップで【風切りの羽根】というアイテムが新たに購入出来るようになっていた。



 レベルが上がった事で買えるようになった事から、恐らくレベル制限があったアイテムだが、このアイテムを使えばどんな強風も一時的に無風状態に出来るらしい。



「ふむふむ、これで冒険の谷を越えられるわけか」



 案の定山と山の間、谷への侵入を阻まれていた強風はアイテムを使うと風が止み、谷の奥へと進むことが出来た。

 そのまま進んでいくと谷を抜け、【渓谷へ続く道】というフィールドに出る。



【天空の街】へ続く登山ルートとは反対に、【渓谷へ続く道】は全体的に下り坂の山道で、道端も狭く砂利やゴツゴツした石など障害物が多く転がっており、モンスターなども出てくる悪路となっているが、特に苦戦することもなくサクサク進むことが出来た。

 そして【渓谷入口の村】という場所に辿り着き、転移の登録を済ませて一息ついた。



「さすがLv38は伊達じゃないな。ここまでサックサクだ」



 夜の間に街を巡り朝になって谷の攻略を開始したが、昼前にはこの村まで辿り着けている。

 そのまま村で軽く情報を集めると、この村の先には巨大な地下渓谷が存在し、渓谷の深部には独自の文明を持つ場所があるそうだ。



「天空の街とは何もかもが真逆だな」



 地下渓谷内は真っ暗で、視界の確保がとても大事だと村のNPCから教えてもらう。その点は問題なく、真っ暗であるなら夜になっても関係ないだろうと思い、そのまま渓谷の攻略に乗り出した。



 村を出て少し進むと【大地の裂け目】という巨大な渓谷をすぐに見つける事が出来た。

 裂け目を上から覗いてみるが下は闇に覆われ何も見えず、代わりに光が届く場所の崖肌には幾つもの穴があるのを発見する。



「迷路みたいになってるのか……さすがに進むのは時間がかかるか?」



 村から続いた道はそのまま渓谷の裂けた大地の一部に繋がっており、崖肌にある穴と一緒に不規則に突き出た岩が階段状になって洞窟に続く道となっているのを発見した。恐らくあの洞窟が地下への入口なのだろう。



「簡易転移石も持ってるし、せっかくだからちょっと行ってみるか!」



 道に迷ってログアウト時間ギリギリになっても【簡易転移石】で戻れば問題ない。

 召喚者達もグッと拳を握り気合い十分のようだ。すぐにテラがポーチに手を突っ込み、【マジックラフト】で譲ってもらった素材を使い改良した【魔導ランタン・改】を取り出した。



「ちょっと気が早いけど、ありがと」



 以前の魔導ランタンに比べ光量が向上し、照らす範囲も拡大した光源アイテムだ。それを受け取り、最初は召喚者達と【同化】して崖肌にある岩を飛んで渡り、洞窟の前に降り立つ。



「確かに奥は真っ暗だな……」



【魔導ランタン・改】のスイッチを入れ視界を確保し【同化】を解除する。

 すぐにレラに頼んで【地形把握】を使ってもらい、地下渓谷を丸裸にしてやった。



「ふむふむ、こう見ると意外と素直な道だな。あっちこっち行って迷わなきゃすぐ下まで行けそう」



 調べた地形をマップに反映させ全体を見てみると、ちゃんとした道順を辿れば迷うような造りではなさそうだ。だが渓谷の裂け目へそのまま繋がっている道も存在する為、視界をしっかり確保し下層に繋がっている道を見つけていかないといけない。



「レラがいると楽勝だな!ちゃっちゃと行こう」



 レラの【地形把握】が使えさえすれば探索は楽勝だ。今回はさっさと抜けてしまおう。

読んで頂きありがとうございます。

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