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45話 登山ルートへ

「皆おはよう!……さて、今日も楽しんでいきますか!」



 昨日、山麓にある洞窟【冒険の洞窟】でレベル上げをして全員Lv23まで上がった。

 キリが良いところまでレベルを上げたい気持ちもあるが、今日は新しい街である【天空の街】を目指そうと思っている。



「まずは日課を終わらせて、準備、それから山麓の村に転移だな」



 昨日、冒険の洞窟を探索して気付いたのは、探索にかなり時間がかかる事だ。途中にセーフティエリアもないため、常に万全の状態で探索出来る訳じゃない。



 天空の街に向かう登山ルートも、山麓の村からはセーフティエリアは無いだろうと予想し、回復アイテム、携帯食料、帰還用アイテムである簡易転移石もテラに頼んで用意した。



「簡易転移石もこれから先の冒険には必須になりそうだな……これ下級エレメントのレア素材使うからあんまり使いたくないんだけど……」



 幸い以前レアドロップ率増加イベントが開催されたおかげで下級エレメントのレア素材の在庫はあるが、考え無しに使えるほどの在庫はないため無駄使いは出来ない。



 準備を終え、山麓の村に転移する。



 村を北に進んでいくと出入口があり、そこから山の登山ルートに行けるようだ。



 村の近くはまだ木々が生えた上り坂の獣道だったが、少し進むと大きな石が道端にゴロゴロと転がる悪路に変わっていく。

 そして木々が無くなる頃には道幅も狭まり、崖の上から岩が落ちてくる事もあった。



「モンスターが出てきたらかなり厄介だな……」



 モンスターを警戒しながら相変わらずの悪路を進み、中腹となる見晴らしの良い場所までやって来た。

 山頂部までの道はまだ続いているが、空にはギャアギャアと鳥型のモンスター達が徘徊している。



「鋭いハゲワシLv17……あれを掻い潜って山頂まで行くのか……」



 レベルは大したことはないが数が多い。そしてこの山道ではリアル同様に転落の危険がある。

 あまりにも高所から落ちると落下ダメージが入り死ぬことも有り得る。



「セラ、なるべく空は優先して処理してくれ。頼んだぞ」


 コク



 こういう時、遠距離攻撃が得意なセラが居ると凄く頼もしい。レベル差もある為、反撃を食らう前に処理してくれそうだ。



 ハゲワシに邪魔されながらも順調に進んでいたが、今度は毒ヘビ、ヤマ犬、ムカデなどが出現するようになった。



「足場は狭いし、モンスターはウザイし、登山ルートは中々鬼畜だな……」



 そんな愚痴をこぼしながらも進むと山頂が見え始める。山頂に着く頃にはモンスターも出現しなくなった。



「うわぁ、めっちゃ高いな……下の方見えないし。それより問題はアレだな」



 山頂に辿り着いたは良いが、街に繋がるような道はなく、代わりに大きく平らな岩が幾つも宙に浮いている。



「あれを足場にして登っていくのか?」



 試しに1番近くの岩に乗ってみると、着地してもグラグラせずしっかりその場に留まり、足場に出来そうだ。



「皆来れるか?」



 召喚者達に問いかけると、ドラも跳躍し足場に辿り着き、ミラ、セラは翼があるからか余裕で辿り着く。しかしテラ、レラは頑張って岩にジャンプしているのだが、かなり厳しいようだ。



「無理しなくて良いぞ。ここからテラとレラは【同化】だな……」



 ジョブが新たに進化し手に入った機能である【同化】を使用する。

 パーティからテラ、レラを外すと、ライドに乗った時のように俺の中に吸い込まれていく。



「俺と意識の共有はできるんだったよな……同じ景色は見せてやれるわけだ!」



 一応モンスターの出現を警戒し、他の召喚者達はそのまま同行してもらう。俺はエクストラスキルの飛天があるためピョンピョン飛んで楽勝だが、1番心配だったドラも、高度が上がっても問題無さそうだ。



「さすがにここから落ちたら死ぬよな……だけど、あとちょっとだ!」



 すでに山の山頂部分が見えているだけで、下は雲に覆われ見えなくなる高度まで来ている。そんな場所からまだ距離はあるが、かなり大きな岩もとい陸地が見えている。



「おぉ!島が浮いてるな」



 見えていた陸地と同じ高度、さらにハッキリ視認できる距離まで来ると、浮いているのが島だと分かる。



 その島に降り立つと同時に、テラとレラの同化を解除する。



「【天空の庭】か……ここはまだフィールド扱いだな」



 どうやらまだ街までの道のりは続くようだ。そしてモンスターも遠目にだが確認出来た。



「もう昼過ぎだし、ちょっと休憩挟もうか」



 肉体的に疲れることはないのだが、警戒続きで精神的に疲れた事もあり休憩することにした。

 俺が休憩を提案すると、何も出来なかったのが嫌だったのか、テラがすぐにインベントリに頭を突っ込み、レジャーシートを取り出して地面に敷き、パンパンと地面を叩く。

 レラもすぐに眷族を生み出し、モンスターが近寄ってこないか見張りをしてくれるようだ。



「はは、そんなに気にしなくて良いんだぞ?……でも、ありがと」



 昼ご飯を食べ、少しまったりする。そして1時間ほど休憩し、探索を再開した。



「ここの敵は翼が生えたやつばっかりだな……レベルもそれなりに高いし」



 鳥の体に人の顔がくっ付いたようなモンスターや、見た目はリスに似て可愛いが、三又の槍を持ったモンスターなど、レベルも28~とそれなりに高い。



 今回はあくまで街に行くことが目的のため、戦闘は最低限にして先へと進む。



 そして【天空の庭】に来た時に渡ってきた時のように、浮遊岩がさらに上に続いている場所を発見する。



 テラ、レラと同化し登ってみたはいいが、浮遊岩が途切れてしまった。



「道、間違えたかな……」



 最後の浮遊岩の上で周囲を見渡しながら悩んでいると、浮遊岩が独りでに動き出す。



「うぉっと…………めちゃ速いな」



 最初はゆっくり上昇していた浮遊岩だが、次第に速度が上がる。そして上昇が終わると、遠くにさらに巨大な島が浮いているのが分かった。浮遊岩はその島に向け動き出す。



「おぉ、街だな!!!結構デカい」



 街を護る外壁が島に沿うよう円形に設置され、内側にある建物も豪華とは言えないが、石造りの建物が並んでいる。



 浮遊岩が入口で止まり、見張りをしているNPCが俺達を出迎えてくれた。



『異界の冒険者か、よく来たな!ここは魔法によって浮いた島に造られた天空の街。ゆっくりしていくと良い』


「ありがとう、そうさせてもらうよ!」



 1番最初に広場に向かい転移の登録を済ませる。プレイヤーもそれなりに居るようだ。



 そしてその場で軽く街を見渡してみても、魔法を用いたアイテムや武器などを売っている店が多くある。



 どうやら天空の街は魔法関係が発達した場所らしい。

読んで頂きありがとうございます。

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