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44話 久しぶりのメダル化

 ログインし、日課のホーム内採取を草原でしていると、フレンド達から順次連絡が届いた。



 フレンド達が来るのはAM2時。集合時間は昨日決めていたが、皆律儀にログイン報告と、集合時間に向かえるという連絡をくれていた。



「皆の新しい召喚者も早く見てみたいし……楽しみだな!」



 フレンド達も順調にゲームが進み、アリバー、ユーナは新しい召喚者が増えたらしい。ポッコリ下心はかなりの慎重派らしく、未だに召喚には手が出せていないようだ。



 草原の採取が終わり、洞窟へと向かう。ちなみに花天月地は風景に特化しているようで、採取ポイントはない。



 いつものように採取をするレラを先頭に、皆でわちゃわちゃしながら洞窟を進んでいると、レラが採取物と共に俺に飛びついてきた。



「どはっ…………ど、どうしたレラ?」



 ここは最近、道具をアップグレードし採取が出来るようになったポイントだ。

 レラが手に持つ採取物は一見、銀か魔晶石かと思ったが違ったようで、鑑定してみる。



「……っ!ミスリル!!!!」




 ミスリルは強度と魔法適正が高く、魔鋼の上位互換となる素材だ。

 最近になって、ようやくフィールドで魔晶石とミスリルが採取出来る土地が見つかったと、街にいる生産プレイヤーが話していたが、フィールドの採取でもミスリルは纏まった数が集まらない程貴重らしい。



「さすがだなレラ!凄いぞ!!」


『テンキュー!!』



 ―輝石洞窟のアルカナ―


 ・採取ポイントは全13箇所。


 ・1~7は鉄、銀、魔晶石。


 ・8~10は銀、魔晶石、ミスリル ※要・魔鋼ピッケル。



「あと3箇所は何が出るんだろうな……地道にミスリル集めて諸々をアップグレードしないと!」



 レラが持つ【超幸運】の力でも採れたミスリルは1個。先はまだまだ長そうだ。



「レラ、お疲れ様。あとはゆっくり準備して皆を待とう」



 採取を終えて花天月地に戻り、庭に設置した大きめのテーブルにお茶やお菓子を並べていく。このお茶やお菓子は満腹度には影響せず、NPCの店で安く買うことが出来る。



【ホームに来客があります。許可しますか?】


「あ、もうそんな時間か!……許可っと、これで良し」



 フレンド達が来たことをシステムメッセージが告げ、許可を出すと3人のフレンド達が一斉にやって来る。そして口々に感想を述べてくれた。



「やばーーー!!!めっちゃきれー!!!!」


「あかん……想像の3倍は凄いわ」


「はは、確かに……」



 ユーナは口を両手で覆い隠し、感想を述べたあとキョロキョロ周りを見回している。

 ポッコリ下心は呆気にとられ、アリバーも同じような感じだ。



「はは、景色は最高だろ?……ゆっくりしていってくれ」


「「「お邪魔します!!」」」


「どうぞどうぞ!」



 情報のやり取りをした事でアリバー、ユーナはまだ丁寧な口調だが態度は随分と柔らかくなった。一方でポッコリ下心は社交性が高く、口調も態度も親しみやすく接してくれる。

 ゾロゾロと歩きテーブルまで案内し席につく。そしてわちゃわちゃとじゃれ合っている召喚者達を見る。



 蒼く揺らめく炎の様な体に、時折バチバチと雷光が迸るニワトリくらいの大きさの鳥がユーナの新しい召喚者。



 俺と同じ背丈でそのまま木、根を使って移動しているのがアリバーの新しい召喚者らしい。



「ユーナとアリバーの新しい召喚者はなんて種族?」


「私のは【鳥】、【嵐】、【再生】で、ベビーサンダーバードです」


「僕のは【植物】、【鉄壁】、【千手】でベビートレントですね」


「サンダーバードにトレントかぁ……良いね!」


「ええなぁ、俺もやっぱ召喚せんとあかんなぁ!」



 こうして情報交換会が庭先で始まった。



 今回、俺にはあまり実入りは無かったが、掲示板を良く見ているアリバーからアルカナについて教えてもらった。



 アルカナの鍵は、特定の方法で入手する鍵以外は鑑定によりランダムで世界が決まるらしい。

 しかし完全にランダムではなく、召喚メダルのように、ある程度ランク分けがされた中から決まるとのことだ。


 例を上げると、鑑定5万Gの鍵を鑑定した場合、花天月地と同等ランクのアルカナの世界が選ばれるそうだ。



 そして俺の新しいジョブとお助けゴーレムが話題になった。



「ゼルさん、本当に凄いですよ!これは50レベルくらいのプレイヤーが話題にしていたゴーレムです。ゼルさんの新しいジョブは低レベル攻略がキーなのかもしれませんね!」


「話を聞いた感じだとそれっぽいな……」


「それでゼル君、そのジョブクエストって俺らにもイケそう?」


「うーーーん、ちょっと厳しいかもなぁ……ポッコリはソロ戦闘苦手だろ?イベントのNPC、めっちゃ強かったからなぁ」


「あー……テンカクも一緒に戦えんとなると俺には無理やなぁ……まぁ、諦めも肝心か!」


「NPCアクセルはピーキーな武器のPRキャラの1人で、掲示板でも話題になってましたね。PRキャラの中でも恐らく最強だろうって……」


「他にも似たようなキャラが居るのか……」



 その後も普通の雑談をしたり、家の中を案内したりして第2回情報交換会は朝にお開きとなった。



 帰り際、【設計台】をプレゼントし、ハウジング要素にも3人はやる気を見せていた。



「ふぃー、皆も楽しかったか?」



 召喚者達も、別の召喚者と触れ合うのは楽しいようで、満足してくれているようだ。



「来月には結構大きなイベントが始まるらしいし、それまでにある程度やりたいことやっとかなきゃな!」



 現在は新規プレイヤーが入ったばかりでイベントは開催されていないが、来月は夏イベントと大型イベントが控えている。



「とりあえず今日はのんびりレベル上げして、明日から新しい街目指してみるか!」



 せっかくなので新しいフィールドにも行ってみることにした。

 そこは冒険の街の北にある山、その麓にある洞窟だ。この洞窟を抜けると天空の街とは違う街があるらしい。



「面倒くさそうな敵が多かったら素直に谷でカメを狩って、洞窟はまた今度だな」



 洞窟前に辿り着くと、入口に門番のようなNPCが立っている。



『この洞窟を抜けると【機械の街】に行くことが出来るが、気を付けろよ!洞窟の中にはヌシがいて道を阻むらしいからな』


「ヌシ……ボスか!分かった、ありがとう」



 洞窟に入るとやはり暗く、光源アイテムが必要なのだが、テラが新しく作ってくれた魔導ランタンのおかげで、以前使っていた松明より照らす範囲が広く、消費もしない。加えてレラの地形把握アーツのおかげで、かなり楽に探索出来るようになった。



 出てくるモンスターも以前のフィールドのように色ではなく、「獰猛な」と名称に付いたモンスターが出現し、レベルも24~と結構高い。



「ゴブリンがかなり出てくるな……ここまで群れになってると逆に美味しいな」



 5、6匹纏めて出現してくる為、セラの範囲魔法がかなり刺さる。時折オークという大型のゴブリンに似たモンスターも出てくるが、ドラが攻撃を封じ、その間に俺とセラで簡単に処理出来た。



「凄いな……もうLv20だ。皆進化した今ならゴブリン狩りが1番レベリングに良いかも……あー、メダルも集めなきゃな」



 せっかく【★8恐竜】というロマン溢れるメダルを持っているのだ。活用する為に、余裕がありそうならメダル集めを並行してやることにした。



 順調に探索が進み、調子に乗ってかなり奥まで来てしまった時だった。



 小型だが、恐竜型のモンスターと遭遇する。




「獰猛なラプトルLv28か……」



 二足歩行のトカゲのような体型、長く鋭い爪と牙、動きもかなり速くて群れでくるとかなり厄介そうだが、幸い今遭遇したのは単体だ。



「メダル化狙ってみようか」



 珍しい恐竜型のモンスターという事もあって、結構苦戦したが封印が成功する。この時、偶然上級封印が発動し、レアなメダルが手に入った。



「【★5悪食】…………うーーん」



 上級封印で効果メダルが手に入る事が分かったが、手に入ったメダルが微妙だ。



「活用方法は後で考えよう。強さに余裕がある訳じゃないし、油断してたら全滅だ」



 洞窟を抜けるにはボスと戦う必要があるため無理はせず、この日はレベリングに注力することにした。

読んで頂きありがとうございます。



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