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43話 本拠点・完成

 アルカナじいさんの小屋を出てホームに戻った後、すぐに花天月地のアルカナを草原の西側に設置する。そして花天月地のアルカナの位置を草原と入れ替えておいた。



 これで花天月地がメインホームに設定され、転移や街への出入口が花天月地のアルカナに設定される。



「朝でもやっぱ綺麗だな……うんうん」



 アルカナ世界に入った時は夜だったが、ホームに設置するとちゃんと太陽が昇り時間が同調されている。明るくても暗くても綺麗な景色が見れるのは最高だ!

 召喚者達もこの場所が気に入ったようで、中央の開けた場所で走り回っている。



「よしっ!俺は家の設計図を作らなくちゃな。最高の景色に相応しい家にしないと」



 拠点の改築を考え始めた頃から、リアルの暇な時間に参考資料になる建物を検索しイメージを固め、すでに理想は思い描いている。



 設計図を作る【設計台】は草原に設置しているため、1度インベントリに仕舞い、草原から運ばなければいけないが、その前に確かめたい事があった。



 それは地面を掘れるのか、という疑問だ。



「家の地下を作業場に出来るくらいのスペースが確保出来たら良いんだけど……」



 足で土を軽く掘るくらいは出来るのだが、作業場となると3~5メートルくらいの深さは確保したい。



 【万能採取道具】はシャベルに変えることは出来るが、ホームで使えるか試した事が無かった。



 大体地下室を設置する場所に目処をたて、真下に穴を掘っていく。



「おぉ、意外と深くまで掘れそうだな」



 リアルでは穴を1メートル掘るだけでも重労働だが、ここではステータスがある。地面もプリンのように柔らかく、掘った土を穴の外へ投げるのも簡単だ。



 少しすると、地面に変化は無いがキンっという金属音に似た甲高い音と共にシャベルが跳ね返される。



「ここが限界か?…………うぉっ、びっくりした」



 どれくらい掘れただろうと穴を見上げると、召喚者達が穴の周囲に集まってしゃがみ込み、俺の視線が向いた事が分かると全員が拳を突き上げ、応援してくれている。



「はは、ありがと!……よしっ!目測だけど5メートルはありそうだ!横にも掘れそうだし、地下室は出来そうだな!」



 穴からピョンと跳躍し脱出すると、うっかり掘った穴に落ちないように木の板を被せておく。



「引越し開始だ!」



 草原に移動し、作業台などをインベントリに仕舞っていく。収納箱は中にアイテムが入っていると、そのままインベントリに仕舞うことが出来ないようで、1度収納箱の中にある物をインベントリに移し、収納箱も回収する。



「ガレージは……とりあえずそのままにしとこうか。新しく作る時に解体しよう。テラ、いつまでもライドに跨ってないで…………ホラ、行くぞ」



 ログハウスとガレージを草原に残し、全て花天月地に移動させる。

 そして必要な物だけ設置し、家の設計図作りに取りかかった。



 クラフターの書を傍らに置き、家のイメージに合う建材を探しながら設計図を作っていく。



 今回作る家は召喚者が増える事を見越し、花天月地の開けた場所にすっぽり収まるくらいの洋館と、バーベキューが出来るくらいの庭をイメージしている。



 すでに外装のイメージは固めてあるのでサクサク作り、内装や間取りは俺のイメージで作っていく。



「よーし、設計図はこんなもんか!」



 今回参考にしたのは、国の首都にある国有財産であり、名勝に指定されている洋館だ。近くにあるバラ園も有名らしい。



 煉瓦造りの為、石材を主に使用した二階建てで、正面から見た外観はカタカナのコの字を90度反時計回りに回転させたような形状で、両脇に切妻屋根と呼ばれる単純な形状の屋根、その間の部分の一階にはガレージのスペースとアーチをかけ、2階にはベランダ、屋根にはドーマーと呼ばれるお洒落窓を取り付けた。

 柱や、窓に使用するガラスなども作れるようだったので採り入れ、外装は完璧だ!



 内装は、調理場と食堂、かなり広めのリビング、大きめの収納空間、リビングから繋がる地下室、フレンドも出来た事もあり、応接室も用意した。

 2階には一応、俺の個室と客室、召喚者達それぞれに個室を用意した。


「こんな豪邸、俺なんかリアルじゃ入ることも出来ないだろうな…………しかし、素材の数がエグい……まぁレアな素材は無いし、今回はレラも居るから簡単に集まりそうだな!」



 今まで地道に採取してきた甲斐あって、3分の1くらいは建材が作れる。



 テラをホームに残して建材を作ってもらい、その間に採取をしてこようかとも思ったが、まずは全員で素材を集める事にした。



 俺が建材を設置し家を組むのにも時間がかかる。

 結局はテラが先に建材を作り上げてしまい暇する事を考えると、その時間をなるべく減らすため全員で採取に行き、合間に狩りをすれば少しでもレベルを上げられる。



 まぁ、それは言い訳で、単純に皆と別行動が嫌なだけだ。



「さて、張り切って行きますか!」



 実際に採取するのはレラなのだが、何故か頬を叩き気合いを入れ採取に向かう。



 昼には始まりの街周辺のフィールド全ての採取を終え、昼休憩を挟んだ後、冒険の街周辺の採取を行う。



 あまり貴重な素材を使用しないため、冒険の街周辺の採れる素材の採取は完了。あとは始まりの街周辺の採取で事足りる。



「明日は採取して、採取ポイントが復活するまで家作り。合間に採取だ!」



 こうして順調に家作りは進んで外装は完成し、次に地下室に着手して作業場となる空間は皆と協力して土を掘り拡げる。

 壁も石材で補強したのだが、限界まで掘った地面は不思議な力で覆われ、床を敷く分の土を掘ることは出来なかったが、石床の建材に入れ替える事は出来るようで、土が剥き出しのかっこ悪い状態にならずに済んだ。



「っというか、地面の入れ替えが出来るなら家までの道も舗装したいな……あとは周囲の桜の木も下の角度からライトアップしたり……これは後々か」



 外観が完成してくると色々と手を加えたくなり、作業が増えてしまったが、庭にも大きなテーブルやイス、日除けなどを設置し、インテリア等はまだ全然ないが、超絶満足のいく拠点が完成した!



 家から少し離れ、全体を眺めてみる。



「うん、良い感じに調和してる。夜だと家の明かりがちょっと邪魔だけど、許容範囲だ。早速みんな呼んじゃうか!」



 ポッコリ下心、アリバー、ユーナに連絡し、明日、家の完成お披露目も兼ねて、第2回情報交換会を開く事になった。

読んで頂きありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 旧古河庭園ですかね
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