4話 初めての召喚
『素晴らしい力を獲得されたようですね。想定外のことが起こりましたが、私からお伝え出来ることはもうありません』
想定外のこと?あぁ、チュートリアル中の戦闘か……
『まずは冒険者ギルドに行き、冒険の手続きを完了させてください。ギルド内の資料室には私が説明した事に加え、他に参考になるかもしれない情報も存在します。1度、目を通しておくのも良いかもしれませんね…………では、これより存分にお楽しみください』
そう言ってNPCは手を振りながら光の粒となって消えていく。
「ふぅ…………」
―ピロリン―
チュートリアルが終わった瞬間、軽快な効果音が鳴る。
「何だ?……運営からメッセージ?」
【召喚士ジョブを選択したプレイヤー様へ】
メッセージを開くと、初回召喚に必要なメダルをプレゼントするという旨のメッセージが綴られていた。
さらにプレゼントされたメダルの内、1枚は必ず★7以上が確定と書かれている。
「★7?まぁレア度だろうけど………」
プレゼントで送られてきた召喚メダルの★7という数字がレア度なのか、レア度なら高レアなのか、そうでないかが分からない。
「まぁそういうことは追追だな。とりあえず召喚してみよう」
プレゼントを開くと、光る宝箱が飛び出しゆっくりと開いていく。
そして中から光に包まれた3つのメダルがクルクル回りながら飛び出し、次第に回転が止まっていく。
最初止まったのは銅色のメダルで、道具術★1
続いて銀色のメダルで、鍛治★5
最後に虹色のメダルで、竜★8
【これらのメダルを使い召喚を行います】
機械的な音声と共に目の前に巨大な魔法陣が出現する。
「おぉ?虹色で、★8で竜?めちゃ強いんじゃないか?」
3つのメダルが光の中で混ざり合い、六角柱の結晶が現れる。そして結晶にヒビが入っていき、パリーンという音と共に砕け散った。
姿を見せた召喚者は、白銀の髪、前頭部の左右からそれぞれ2本のカミナリマークの様な角(⚡️)が生え、白い鱗の尻尾が生えているが、茶色のマントのような布で体を隠し、手足の先と尻尾だけが見えた身長80センチ程のとても可愛い人間のような幼女が立っていた。
漫画のような鼻水が垂れているが……
「えっ!?……ちっちゃ!いや、それよりドラゴン要素が角と尻尾以外無いんだけど…………あと鼻水出てるぞ」
ズズっと鼻をすする幼女は、角と尻尾が無かったら人間の幼い女の子にしか見えない。
とりあえず鑑定でステータスを見てみる。
―名前を設定してください―
Lv:1
種族:竜人
HP:10/10
MP:10/10
筋力:5 +(1)
耐久:5 +(1)
敏捷:5 +(1)
器用:10 +(1)
魔力:5 +(1)
*()内の数値を足した数値が最終ステータス
スキル
・竜の加護
・鍛治術
・道具術
*簡易表示
「うーーん、竜人……半人半竜みたいなものか?分からない事だらけだけど、とりあえず名前決めるか…………うんっ!テラにしよう。いいか?」
幼女に尋ねると鼻水を揺らしながらコクコクと頷いている。
「よし!宜しくなテラ」
テラはニパッと笑い両手上げて、てってって、と俺に駆け寄ってくる。そしてそのまま足にしがみついた。
思わず頭を撫でてしまう。
「やっば…………くっそ可愛いな」
鼻水もズボンに擦り付けていたはずだが、不思議と濡れず気にならない。俺はそのまま胡座をかいて地面に座る。
テラは俺の足の間にすっぽり収まった。
チュートリアルで忘れていたが、まずは自分のステータスも確認しておかないと。
―ゼル―
Lv:1
種族:人間
HP:15/15
MP:15/15
筋力:10
耐久:10
敏捷:10
器用:10
魔力:10
―エクストラスキル―
・飛天
―スキル―
・召喚術Lv1
・ガンズブレイド術(左右)Lv1
―アーツ―
・「召喚術」:【封印Lv1】
・「ガンズブレイド術(左右)」:【ダブルホイールLv1】
「召喚士のジョブはステータスに偏りは無しか……こう見るとテラのステータスは器用だけプレイヤー並って事か」
テイマーの従魔や召喚士の召喚者、つまりNPCはあらゆる面において、プレイヤーと並ぶことはあっても、総合的に追い越すことは無い。
テラの初期ステータスは無個性のプレイヤーの半分、器用ステータスだけはプレイヤー並といったところだ。
再びテラのステータスを確認しようと開いた瞬間、
【種族メダル竜★8を使用した為、スキルのランクアップが可能です。選択してください】
というメッセージが表示された。
「また分からん事が増えたな……」
とりあえずテラのスキルの詳細を見てみる。
―竜の加護―
・????
・ステータスにボーナス極小。自動発動型。
―鍛治―
・武具の製作、加工が出来る。
―道具術―
・消費アイテムの使用時間、効果がほんの僅かに上昇する。
―アーツ―
・竜の加護:_
・鍛治術:丁寧な仕事Lv1
・道具術:_
アーツ丁寧な仕事は、製作や加工した物の品質が僅かに上昇するといった効果だ。
「竜の加護の???がよく分からないけど、テラは生産職寄りだな……」
さて、ランクアップさせるスキルはどれにするか……と思ったが、「これで良いか?」みたいな選択肢はでるのだろうか……
選んだ瞬間、効果も分からないスキルにランクアップしてしまうと非常に困る。
試しに字面が強そうな竜の加護にカーソルを合わせてみると、
【選択出来ません】
と出た。
鍛治にカーソルを合わせる。
鍛治→鍛治EX
鍛治→クラフター
と2つの選択肢があった。とりあえず選んだ瞬間決定されるような事はないようだ。
鍛治EXはスキルレベルがプレイヤーと同等まで成長する。つまり鍛治関連において、プレイヤーと同等の能力を発揮することが出来るようになるスキルだ。
一方のクラフターなのだが、これは少々クセがある。
鍛治もクラフターも、プレイヤーが初期に選択出来る生産ジョブの1種なのだが、鍛治では、鍛治スキルで戦闘アーツを習得出来ないが、武器スキルを覚え、アーツを使って戦闘が可能だ。
しかしクラフターというジョブは、分野で分けられた生産職全ての生産や加工を行える反面、選べる武器種が制限され、武器スキルレベルも上がらず、アーツも初期のものしか使用出来ず、レベルも上がらない。完全な生産職特化のジョブなのだ。
「一応道具術も見てみるか……」
道具術+:消費アイテムの使用時間、効果が僅かに上昇する。
「これはないな。となると……」
鍛治EXなら武具の製作に関しては他プレイヤーを頼らず、テラに依存出来る。
クラフターなら武具以外も全て一定のランクまでテラに依存出来る。
「まぁクラフターだろうな……回復アイテムとかも作れるだろうし。テラもそれでいいか?」
コクコク
テラのスキル、鍛治をクラフターにランクアップさせ、詳細も確認する。
「よーしっ!新しくなったテラのステータスも確認したし、早速街に行ってみるか!」
―テラ―
Lv:1
種類:竜人
HP:10/10
MP:10/10
筋力:5 +(1)
耐久:5 +(1)
敏捷:5 +(1)
器用:10 +(1)
魔力:5 +(1)
*1()内の数値を足した数値が最終ステータス
―スキル―
・竜の加護
・クラフターLv1
・道具術
―アーツ―
・「竜の加護」:_
・「クラフター」:【スペシャリストLv1】
・「道具術」:_
―クラフター―
・作成可能アイテムを全て製作、加工が出来る。また作成可能なアイテムに必要な素材の種類、個数も分かる。一部制限あり。
―スペシャリスト―
・製作、加工した物の品質が僅かに上昇し、低確率で使用した素材の一部が返還される。
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