28話 戦力超強化
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イベントの優勝賞品だ。
この賞品を使ってやりたいことがいっぱいだ。
「きたきたーー!!武器と20万G、メダルにチケット!ウハウハだぜ!!」
武器はすぐに装備し、早速チケットだ。
手に入れたチケットは【召喚者専用スキルランクアップチケット】と【召喚者専用スキル獲得チケット】、これの使い道をリアルでも考えていたのだが、まだ少し悩んでいる。
現物が届いたので色々と試してみた。
結果、まず大活躍だったドラの【暗黒騎士】と【混沌】はユニークスキルの為ランクアップ出来なかった。
次にテラの【クラフター】をランクアップさせると【クラフターEX】、レラの【蛇腹】は統合されたスキルがある為チケットを使用出来ず、【ギャザラー】に使うと【ギャザラーEX】となる。
EX系のスキルはプレイヤーと同等までスキルレベルが上がるため、プレイヤーと同等まで成長することが出来る。
最終的に【クラフター】か【ギャザラー】のどちらかをEX化するという2択になってしまったが、どうしたものか……
「生産面は最終的にプレイヤーに頼ることも出来るからなぁ……製作してもらう代わりに素材を採取をすれば費用も浮くだろうし…………うん、ギャザラーだな!」
―レラ―
Lv:20
種族:ベビーラミア
HP:29/29
MP:29/29
筋力:23
耐久:23
敏捷:23
器用:27
魔力:23
―スキル―
・蛇腹Lv3
・ギャザラーEXLv4
*簡易表示
―アーツ―
・「蛇腹」:【産卵Lv2】・【地形把握Lv3】
・「ギャザラーEX」:【超幸運Lv2】採取した素材の獲得数がさらに増加。レア採取率が上昇。採取回数が確率で+1。自動発動型
「やっぱEXは凄いな……まさにエキスパートだ」
次にスキル獲得チケットなのだが、これが大いに悩む。
チケットで獲得出来るスキルがどれも微妙なのだ。
テラ:【槌術】、【製作術】、【解体術】
レラ:【銛術】、【採取術】、【探知術】
ドラ:【挑発術】、【防御術】、【自己犠牲術】
「これのどれかかぁ……ほとんど既存スキルのアーツでカバー出来るんだよなぁ」
恐らくだが、★1~3のノーマルメダルに該当するスキルが得られるチケットなのだろう。
「ふぅむ…………テラ、レラは武器スキルをとってもレベルが上がらないし、ドラの自己犠牲?タンクが犠牲になったらダメだろ……やっぱり、テラの解体が無難か?」
【製作術】、【採取術】は製作アイテムや採取素材の品質が上がる効果だと予想し除外する。これは死にスキルになる可能性が高い。
「よしっ!【解体術】に決めた」
チケットをテラに使用し【解体術】を獲得する。
【スキル【竜の加護】が発動した為、スキルのランクアップが可能です。選択してください】
「おっとぉ?」
―竜の加護―
・所持スキルが4つの状態で発動。所持スキルを1つ生贄とし、スキルのランクアップが可能となる。ランクアップ後、このスキルは消滅する。
「ドラゴンっぽいなぁ……」
テラは現在、【竜の加護】、【クラフター】、【道具術】、【解体術】の4つのスキルを持っている。
「【道具術】を生贄、【クラフター】をランクアップだな!テラもそれで良いか?」
コクコク
―テラ―
Lv:3・★
種類:竜人
HP:19/19
MP:24/24
筋力:8
耐久:8
敏捷:8
器用:20
魔力:8
―スキル―
・クラフターEXLv5
・解体術Lv1
―アーツ―
・「クラフターEX」:【スペシャリストEXLv7】・【作業高速化】
・「解体術」:【再利用Lv1】
―再利用Lv1―
・製作可能アイテムを分解し、その素材の一部が回収出来る
「ランクアップしたスキルは上位互換になって、解体も意外に使えそうだな。よしよし!」
チケット2枚で随分と能力が尖って強くなったもんだ。
「生産、採取は完全にカバー出来るようになったし、次は戦闘面だ」
今俺のパーティは4人編成だ。経験値減少を考えなければあと2体召喚者を加える事が出来る。
強ボスと戦闘になると分かって挑めるのであれば、テラ、レラをパーティから外しても良いし、フルパーティで挑んでも良い。
そして現状、レラとドラは進化出来ず経験値が入らない為、過剰火力になってしまうかもしれないが、新しい召喚者を増やそうかと思っている。
手持ちのメダルは【★8悪魔】、【★8全属性魔法】、【★7エンチャント】、【★5天使】、【★5回復】、【★5節約家】
しかしこの手持ちだと★8は召喚時1枚しか使用出来ない為、【★8悪魔】はヒーラー構成になってしまう。
「悪魔って回復出来るよな…………いや、なにより焦り過ぎか?」
Lv20になった時のように、少し待てば選択肢がさらに増えそうではある。
が、しかし!
「思い立ったが吉日ってな!」
【【★8悪魔】、【★5回復】、【★5節約家】これらのメダルを使用し、召喚を行います。よろしいですか?】
「やってくれ!!」
ここでもし回復が使えない、もしくはかなりクセが強い召喚者が生まれた場合、もう一体は思い留まるとしよう。
結晶が砕け、召喚者が現れる。
黒髪、毛先が軽く波打ったショートボブ、側頭部からは突き出たヤギのような角が2本、腰辺りから黒い翼が生えている。相変わらず幼女だが、目元はキリッとして、テラやレラは可愛いといった感じだが、この子は美人って感じだ。
「翼がマントに引っかかってるな……翼の位置に切り込み入れてやるか…………これで良し。名前は……ミラにしよう。良いか?」
ペコリ
ミラは両手を前に揃え、綺麗にお辞儀する。
顔を上げたミラはニコっと微笑み、俺に歩み寄り手を取って両手で握る。
「くっ…………可愛いっ!!!」
こいつぁ成長したら世の男達がほっとかないぜ!!
【種族★8悪魔を使用した為、スキルのランクアップが可能です。選択してください】
「やっぱり★8種族メダルを使うとスキルのランクアップが出来るんだな……さて……」
回復はそのまま回復魔法などを覚え、節約は消費MPを少なくしてくれるスキルだ。
「ここは回復だな!」
―ミラ―
Lv:1
種族:プチデビル
HP:10/10
MP:15/15
筋力:5
耐久:5
敏捷:5
器用:6
魔力:9
―スキル―
・上級回復術Lv1
・節約術Lv1
*簡易表示
―アーツ―
・「上級回復術」:【ダークヒールLv1】
・「節約術」:【消費MP減少Lv1】自動発動型
「ステは魔力が高め、回復は【ダークヒール】か……ミラ、今試しに俺に【ダークヒール】使ってみて」
コクリ
ヒールの光が黒いが、嫌な黒さじゃない。夜空のように回復の光が煌めき、体力が回復する。
「ありがと。ダークって付くくらいだから何か特徴があると思ったけど、見た目の変化だけなのか?めちゃ綺麗ではあるんだけど……」
そんな事を考えていると、ミラが俺の手を引き、自身は木の影に入る。
そして再びヒールを使うと、先程より魔法発動までの間隔が短くなり、さらに回復量が上がっていた。
「うぉっ!…………影に入ると詠唱が短くなって回復量も上がるのか?スゲーな」
緩い条件で詠唱時間が短縮、回復量が上がるのだ。かなり凄い。
ちなみに召喚者達に対しても変わらず回復出来た。ミラは頼もしいヒーラーだ。
「この勢いで、もう一体いっちゃうか!」
【【★5天使】、【★8全属性魔法】、【★7エンチャント】これらのメダルを使用し、召喚を行います。よろしいですか?】
「うん、やってくれ!」
幼女ながらも、キラキラと光る背中まで伸びた綺麗な金髪、頭上には白く光る小さな輪が浮かび、背中には小さいがまさに天使の翼が生えている。ミラと同じく美人顔だが、やや気だるげな表情のまま俺に向かって軽く片手を上げる。
「お、おぅ……可愛いけど、予想外の態度だな」
反抗的とかではないが、やる気は少しなさそうに見える。
しかし何故こうも俺は人型ばかりなんだ?
モンスター型が未だに召喚出来ない。人型が嫌とかでは全くないが、これも何か法則みたいなものがあるのだろうか……
「お前も翼が窮屈そうだな。…………これで良し。名前は……セラだ。良いか?」
コク
―セラ―
Lv:1
種族:プチエンジェル
HP:10/10
MP:15/15
筋力:5
耐久:5
敏捷:6
器用:6
魔力:7
―スキル―
・全属性魔法術Lv1
・エンチャント術Lv1
*簡易表示
―アーツ―
・「全属性魔法術」:【スフィアLv1】
・「エンチャント術」:【属性エンチャントLv1】
「これまた強そうだな……今後、俺がいらない子になりそう……まぁ、ミラもセラもこれからよろしくな!」
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