表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/88

23話 イベント前日・3

 ホームから転移し老人の小屋に向かう。ちなみに転移先の名称は【アルカナじいさんの小屋】だ。



 回復アイテムも再び用意し、新しいバンダナも頭ではなく首に巻き、指輪も装備した。



「よしっ!」



 気合を入れ何回目かの洞窟に向かう。そしてボスエリアの手前に立ち止まり、目を閉じ集中力を高める。



 そしてエリアに踏み込んだ。



 ボスもそうだが、AnotherWorldのモンスターは行動パターンが非常に多彩だ。

 ほとんど同じ手順では攻撃してこない。



 それはLv1のグレーラットでも同じで、近寄れば噛み付いてくるし、離れれば投石をしてくるが、近寄る方法も投石の仕方も毎回様々なのだ。



 そのため従来のゲームのようにパターン化したモンスターを作業のように倒したり出来ず、かといって複雑すぎるとレベリングを面倒くさがられる事もフルダイブのAnotherWorldでは無いため、むしろ楽しんで出来る。



 今回のボス、クリスタルドラゴンは中でも別格だ。

 フェイントすら交えて攻撃を仕掛けてくる。その為一瞬の判断の誤りが命取りになってしまう。



 半分までは削れたが失敗し小屋に戻る。だがなんとなくイケそうな予感がして再び挑戦する。



 今回ボスのファーストアタックは翼を広げ、無数の水晶を撃ち出す構えを見せた。



 すぐに距離を詰め、【フルバースト】を叩き込む。

 すぐに反撃の前足が振るわれ、本来なら掠っていたタイミングだったが、【回避性能】のお陰で無傷で回避出来た。



 そのまま特殊アクションで宙に飛び、左の翼を斬りつける。反撃の尻尾を躱し、背中に着地したあと【連続斬り】、【ダブルホイール】のコンボを翼に叩き込んだ。



 その後も結晶化のデバフを喰らいつつも左の翼を集中的に攻撃し、遂に左の翼が砕け散った。



「よしっ!」



 翼を部位破壊することで厄介な水晶を飛ばしてくる攻撃の水晶の量を減らせる。



 次は残った翼の部位破壊を狙う。



 体を捻って繰り出してくる尻尾が把握しづらく直撃を受けたが、残った翼も破壊した。



 これで厄介な水晶を飛ばしてくる攻撃を封じ、さらにボスのHPが半分になった時に宙を舞う水晶も同時に封じられた。



 だが翼を部位破壊されたことでボスが範囲攻撃を多用してくるようになった。



 厄介なことに地面から突き出した水晶は一定時間そのまま留まり、視界を遮られる。

 水晶諸共レーザーブレスで薙ぎ払われる所だった。



 空中を特殊アクションを使って移動するが、結晶化のデバフが拡がり左腕が動かし辛くなってくる。



(もう一気に攻めるしかないな)



 すでにボスのHPは3割といった所だが、俺も結晶化のデバフが拡がりきれば動けなくなってしまう。HPはアイテムを使って全快しているため、強引に距離を詰める。



 突っ込んでくる俺に対し再びブレスを放ってくるが、直撃を受けながらボスの顔面に一撃入れ、すぐに背中に乗りながら【魔装】、首を裏から【連続斬り】、【ダブルホイール】のコンボを叩き込む。



(まだ死なねぇのかよっ!!!)



 ボスが体をブルブルと振るわせ、背中から投げ出されてしまう。



 着地した俺にボスはすぐ前足を振り下ろす。



 もう体力もミリ残りでカスリでもしたら負けだ。一か八か前足をパリィで弾き、カウンターを叩き込んだ。



 直後、地面から水晶が突き出るが、俺に当たる直前で止まる。



 そして地面から突き出した水晶から順に光に変わっていき、ボスがゆっくりと光の粒に変わった。



「はぁ、はぁ…………はは……勝った、勝った勝った勝った!!!!!よっしゃー!!!」



 後半集中しすぎて息をするのを忘れてしまっていたが、ボスを討伐することが出来た。



 そしてボスが散った後の光の粒はさらに形を鍵穴に変える。



「これに鍵を使えば良いんだな」



 鍵穴に鍵を挿すと、周囲の景色が鍵穴に吸い込まれると同時に、場面が宇宙空間のような場所に変わる。



 そして目の前には、小さな光が溢れ出る手のひらサイズの洞窟があった。



「これがアルカナか……模型みたいだな」



 それを手に取ると同時に宇宙空間の一部が扉のように開き、吸い込まれるようにアルカナの世界を出た。



「おぉ、小屋だ……」


『ほう……戻ったか。どれ、アルカナを見せてみい』


「ほい」



 アルカナじいさんはしばらく洞窟のアルカナを眺め、満足したのかニカッと笑い俺に返してきた。



『また鍵を見つけたら訪ねてこい』



 その言葉を聞いたあとホームに帰ってきた。

 すぐに大の字で寝転んでしまう。



「はぁ…………激戦だった。明日のイベントの良い刺激になったな」



 すると召喚者達が一斉に俺に向かって飛びかかりじゃれてくる。

 ひとしきり遊んだあと、早速手に入れたアルカナ洞窟を設置してみる。



「なんとなく、草原の東側だな」



 そう思ってアルカナを手に取ると、建材を設置する時のように、半透明な巨大な洞窟が東側の遠くに現れる。



「左右に移動は出来ないのか…………入口の向きは変えられると……」



 洞窟入口を草原と向かい合うように設置し、早速洞窟に行ってみる。



「おぉ!アルカナにするとさらに綺麗に見えるな」



 中は水晶が淡く光って足元を照らし、天井には無数の小さな鉱石が煌めいている。



「おっ!?採取ポイントだ!」



 早速レラに採取してもらおうと思ったが、テラ、レラが俺に手のひらを見せてくる。



「んっ?待てって事?」


 コクコク



 2人から待ったがかかり、とりあえず今は奥へと進む。

 奥にはクリスタルドラゴンと戦った広場があり、ここにも採取ポイントがあった。採取ポイントは全部で13ヶ所見つけた。



 洞窟から出るとテラが作業台に走り、作業を始める。



 作ったのは【鉄のピッケル】だ。



「【万能】じゃないのか」



 鉄クラスの道具になると、それぞれ用途別に分けた方が性能が良くなるようだ。



 出来たピッケルをレラが担ぎ、再び洞窟に入る。



 そして入口から順に採取していくが、13ヶ所の内、採取出来たのは7ヶ所。

 後の6ヵ所は道具の性能不足で採取出来ないようだが、採取したポイントからは鉄がザクザク採れた。



「おぉ、流石レラ!鉄がいっぱいだな」


 フルフル



 首を横に振るレラはどこか不満そうだが、鉄も今は貴重だ。これから毎日洞窟にお世話になろう。



 予定には無かったが強敵と長時間戦えて大満足の1日だった。

読んで頂きありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 題材はとても良いが内容が全く無い。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ