13話 合成
「よっしゃ!早速いくぞ」
ログインし速攻で課金アイテムを購入、すぐに平原へと向かう。
昨日ガイコツとの戦闘の後、今日と明日に向けて色々と準備した。
HP、MPの回復アイテムに携帯食料。持っていた素材なども収納箱に入れ、もう1つ増やした収納箱にはメダルだけを分けて入れている。
そして速攻でガイコツをメダルに変えてやった!その後も見つけたモンスターは片っ端からメダルに変える。
朝になると森へ行き、採取などもしつつメダルに変えていく。途中偶然ズンドコに出会った為、ライブは堪能させて貰った。
そしてガイコツが倒せたことに自信をつけ、始まりの森から行ける新しいフィールド、【始まりの洞窟】にも行ってみた。
ここではブルーの名がついたコウモリ、ヘビ、カエル、ウサギが多く出現し、大体レベルは10~12。
この始まりの洞窟はダンジョンに分類され、夜のフィールドより遥かに暗い。その為攻略には光源アイテムが必須で、上層、下層に別れており、下層にはボスのみが存在しているらしい。
掲示板で見ちゃった……
ボスなどに構っている暇はないので上層を採取をしながらぐるぐる周り、メダルを集める。
この洞窟で1番厄介だったのが、下級エレメントというモンスターだ。
あまり出現率は高くないが、火、水、風、土、光、闇それぞれの属性を持っており、魔法攻撃がかなり痛い。
光源アイテムはテラに持ってもらっているが、テラから離れすぎると視界が悪く、俺が光源を持つと戦闘がかなり長引いてしまう。
光、闇のエレメントが同時に出てきた際には危うく死ぬところだったが、死ぬことなくメダルに変えてやった。
夜の森にも入ってみたが、新しいモンスターを見つける事は出来なかった。
夢中になりすぎてフィールドのど真ん中で強制ログアウトしそうになったが、とにかくこの2日は無心でメダル集めを頑張った。
▽▽▽
「しかしメンテ中でもログイン出来て遊べるとか運営頑張りすぎだろ……」
5月15日、リリースから2週間が経ち、初のアプデが入った。
内容として、アプデ終了時刻のAM6時からLv20まで取得経験値2倍、レアドロップ2倍イベントが、今週1週間開催される。
そしてさらに来週にはPVPコンテンツであるバトルアリーナが実装され、1週間かけて武器別、ジョブ別のPVPイベントが行われる予定だ。
このイベントはPVP実装アピールのイベントのようで、参加条件もプレイヤーLv10から、とかなりお手軽に参加できるが、報酬もそれなりだ。
その為最強を決めるというよりも、今回は自己アピールの場になりそうだと掲示板では噂されていた。
そして今俺はアプデ中だがログインし、集まったメダルを見ながらニヤニヤしている。
アプデ中のログインでは、現在いるセーフティエリアや街からあまり離れることは出来ず、敵も出現しないし、フィールドで採取も出来ないが、生産ジョブのプレイヤー達は変わらずアイテムを製作でき、製作により経験値も獲得出来る仕様になっている。
この時間を使って普段攻略に集中しているプレイヤーなどは他のプレイヤーと交流する時間ができ、生産ジョブのプレイヤーは商売するチャンスになるのだ。
俺はこの時間を使って"ホーム"でメダルの合成をしようと思っている。
話は少し前後するのだが、課金アイテムを購入する前日、ガイコツを倒す前に召喚士ギルドに新しく入荷されたアイテムと、ギルドの2階にある召喚の祭壇と呼ばれる、2体目以降の召喚や、合成が行える場所を見に行った。
まず召喚の祭壇だが、とりあえず見ただけだ。大きな魔法陣の上に台座があり、そこで召喚やメダルの合成が行える。
次にショップの商品だが、【召喚の祭壇】、【合成専用メダル"融合"】が入荷されていた。
祭壇が10万G、融合が2万5千Gだ。
俺の所持金は約3万2千G。
10万なんてとても手が出せず、この時はメダルを購入し、ギルドを出たのだが、準備に入った時、テラが【クラフター作業台】を新しく作った。
携帯出来る物とは違い、ホームに設置しなければいけないが、その分色んな物を作り出せる作業台だ。
この作業台を使い、なんとテラは【召喚の祭壇】を作り出したのだ。
まぁクラフターならテラでなくても作り出せるのだが……
ともあれ、召喚の祭壇をホームに設置し、俺はホームでいつでも召喚、合成が出来るようになったのだ。
前置きが長くなったが、まず課金で手に入れたメダルだ。
★7が【ギャザラー】、【召喚】、【エンチャント】
次に安い方の課金のメダル。
★5が【回復】、【節約家】
★4が【堕落】、★3が【警護】、★2が【状態異常】、★1が【鳴き声】という結果だった。
さすがに★7は字面からすでに強そうである。
そして自力で集めたメダルでめぼしいヤツは、
ガイコツから【★4アンデッド】、【★3アンデッド】、【★2剣術】、【★2盾術】
コウモリから【★1吸血】
ヘビから【★4爬虫類】、【★3爬虫類】
エレメントそれぞれから【★4精霊】、【★3精霊】、【★2の火、水、風、土、光、闇】だ。
ちなみに★4アンデッド、爬虫類、精霊は上級封印でメダル化に成功した時、手に入れた。
メダル化成功の演出時、最後のメダルに変わる瞬間、金色の光に変わるのですぐに分かった。
そして上級封印が成功した際は種族メダルになり、★が1つ増える。見つけたモンスター全てに上級封印が成功するまで試したが、全て種族メダルで★4はアンデッド、爬虫類、精霊だけだった。
「さて……楽しい楽しい合成のお時間だ!!」
祭壇の中央にある台座にメダルをセットする。
まず、めぼしいヤツ以外同士を、試しに合成してみる。
―メモ―
・合成には3枚のメダルが必要となり、種族と効果を合成することは出来ない。
例:【獣】×【嗅覚】×【原始】は出来ない。
・種族も同種でなければ合成出来ない。
例:【獣】×【獣】×【虫】などは出来ない。
・効果★1だと、合成に使ったいずれかのメダルになる事が多い。
例:【硬質化】×【投石】×【毒液】の結果は、このいずれかのメダルに合成される。祭壇にセットする順番などを変えても結果は変わらず、別の同名メダルに変えると結果が変化。
・特定の組み合わせで別のメダルに変わる。
例:【急接近】×【突進】×【回転】で【★2転がる】
・同名メダルを3つで同種の1つ上の★になる。
例:【獣】×【獣】×【獣】で★2、効果メダルも同様。
「…………くっっっそ面倒いな!!!」
とにかく色んなパターンがありすぎて頭がおかしくなりそうだ。
まだ確かめることはあるだろうが、一気に情報が増えた為、これ以上思いつかない。
「とりあえず検証はやめて、使そうなメダルを合成してみるか」
【★1吸血】×3→【★2吸血+】、【★2吸血+】×3→【★3吸収】
こんな感じで合成を繰り返し、【★4獣】、【★4吸収+】、【★4火……++】、【★4剣術++】、【★4盾術++】とめぼしいヤツのレア度を上げてみる。
ここで引っかかったのは、【★4獣】だ。
★1から合成を繰り返し、★4まで上がったのだが、【獣】以外の種族メダルは★2止まりだった。
さらに【★4獣】をさらに合成してみたが、★5にはならず、【合成出来ません】と表示される。
もしかすると合成するメダルには回数制限があったり、何か条件があるのかもしれないが、俺一人で解明するのは不可能だ。
「問題はこれからだな」
今欲しいのはタンク系のスキルだ。
「剣術、盾術、警護とかで、それっぽくならんかな……」
【★4剣術++】、【★4盾術++】、【★3警護】を合成した結果…………
【★5騎士】が完成した!
「きたーーーー!!!これこれ!!早速これを使って召喚……いや、もうちょっと合成試そうか……」
課金で手に入れたメダルは1つずつしか無いため、実際に合成して試せないが、結果を調べることは出来る。
例えば剣術、盾術、警護で騎士が出来ます。合成しますか?
こんな感じに結果を見て合成出来るわけだ。
恐らく課金で手に入れたメダルも後々手に入るだろうが、今は貴重だ。
レア度が高いやつを中心に色々試してみる。
そして厨二心をくすぐられ、【★4光++】、【★4闇++】、【融合】を使ってみた。
【ユニークメダルに合成が可能です。合成しますか?】
合成結果は表示されないが、ユニークメダルとな?
「やるしかねぇだろ!」
【ユニークメダル:【★7混沌】を獲得しました】
「混沌!!やるな運営……」
さらに【★3堕落】、【★5騎士】、【★4吸収+】
【ユニークメダル:【★7暗黒騎士】を獲得しました】
「完璧過ぎる!!!!混沌の暗黒騎士タンクとか最強だろ」
召喚士、めちゃくちゃ楽しいです!!
読んで頂きありがとうございます。




