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10話 胸糞展開からの....

「はぁ…………やっと平穏が戻ったな。やれやれ」



 現在、ユーナとの出会いから1週間ほどが経過し、リアルでは5月10日だ。

 そしてこの7日間は本当に地獄だった。



 ことの始まりはユーナと出会った次の日だ。

 ログインすると目を疑うような数のメッセージが俺に届いていた。



 訳も分からず何通か見てみると、「チーター消えろ」、「チート使ってゲームして楽しいか?」などという内容のものばかりだった。



 身に覚えもないし、突然のことだったため、メッセージは全削除。



 現状を把握するためゲーム内掲示板を覗くと、その中のデイリー動画ランキングという、プレイ動画が視聴出来るコンテンツで、俺が映ったユーナの動画が1位になっていた。



 そこで俺がガンズブレイド2本使って戦闘している様子をみた視聴者が騒ぎ、問題が大きくなっているようだった。



 さらに厄介なことに、もう1人の配信者が絡んだことで大炎上することとなったのだ。



 このもう1人の配信者というのは、ユーナとは全く関係ないのだが、元々かなり有名な配信者らしく、その影響力から、AnotherWorld運営から依頼され、広告塔である同時に、全βテストに参加した唯一の運営公認プレイヤーでもある。



 腕前も申し分なく、現在も最前線で攻略をしているプレイヤーの1人なのだ。



 この配信者がユーナの動画を見て、本当にゼルがチートを使っているのか、ゲーム時間丸一日使って検証し、ゼルと同じような動きが出来なかったため、恐らくチートを使っている。という動画を出したのだ。



 そこからみるみる燃え広がっていき、俺は街に出ればチーターだの、消えろだの、暴言の嵐が飛んできた。



 暴言を感知したセキュリティシステムである、勇者が着ているような鎧の騎士が、ひっきりなしに俺の周囲に出現するほどだった。



 最初はそれでも狩りに出たりもしたが、敵の擦り付け行為を何度も受け、思うようにプレイが出来なかった。



 そのためログインしてもホームでテラと遊んで、すぐログアウトするという日々が続いていた。



 モチベが一気に下がり、目覚めも最悪だった為、テラと遊んだ後は何も考えないよう、体験版を起動し、ひたすら敵と戦い続けた。



 そしてそんな日々が3日ほど経ったある日。



 ログインした瞬間、運営からメッセージが表示され、しばらくすると運営の男性キャラがやってきた。



 そこで丁寧な謝罪と、不正がないことは確認しているという旨を伝えられ一安心だったのだが、ゲームとは関係なく、リアルでの仕事を依頼された。



 そもそも、AnotherWorldはバグ、チートの徹底排除を名言していることから、俺がチートを使っているなら、堂々とプレイしているのがおかしいと思うのが普通だ。



 しかし、それでも多くのプレイヤーがチートの存在を疑っていること、さらにそれを助長するような配信者の動画が原因でこの問題が起こった。



 それを解決する手助けをして欲しいと運営から依頼されたのだ。



 依頼の内容としては、別アカウントで普通にガンズブレイド2本を使って敵を倒すだけだ。



 だが、この別アカウントに使用する、ゲームハード、ソフトは、製造過程から法的機関の人間の監視のもとで製造が行われ、チートなどが入っていない事を書面で証明されている物を使用する。



 ここまでするのも、有名配信者に対して法的措置をとる為に必要なのだそうだ。



 運営からしてみれば、チートなどが無いことを売りにしているのに、ゲーム内にチートが存在しているかのような発言をされたことで被害を受けたとするようだ。



 すでに有名配信者はAnotherWorldから永久追放処分とされ、近々訴えるそうだ。



 垢BANではなく、永久追放だ。

 いくら別のアカウントを作成しゲームを始めようが、有名配信者はこのゲームから弾かれるのだ。

 ざまぁwwwwとでも言っておこう。



 ということで会社を1日休み、1番近くのAnotherWorld運営に関わる会社の建物へと行き、撮影を終わらせた。



 そしてその映像がゲーム内で強制的に流され、チート撲滅に運営がいかに本気かという説明と、現状起きている迷惑行為への裏付け方法や対処などが説明された。



 あまりに酷い暴言や、接し方などについてはプレイログを遡られ、注意や一時アカウント停止処分。

 敵の擦り付け行為なども敵モンスターに搭載されているAIから、プレイヤー名と行動の真意を確認し、違反であれば一時アカウント停止などの処分になるそうだ。



 さらに来週のアプデで追加される予定だった、チャット制限機能だけが前倒しで実装となり、この大炎上は運営の迅速な対応により鎮火したのだ。



 だが、今度はガンズブレイド2本の使い方を指導してくれと付き纏う奴が現れたが、これも運営が対処してくれた。



 こうして運営の対応の速さも分かり、そして今日、やっと平穏が戻ってきたのだ。



 ちなみにユーナは出会った次の日、街の入口で俺を待ち続けていたようで、凄まじい勢いで謝られた。



 さらに配慮が足りなかったと、2週間配信活動を自粛し、ゲームもログインしないようだ。



 あと運営から、いわゆる詫び石に該当するような物は何も貰っていない。

 運営に不備があったわけでもないし、ゲーム内外でも謝罪の言葉があっただけで十分だ。

 リアルの仕事に対してはそれなりの報酬は頂いたが……



 良くも悪くもかなり注目を浴びてしまったが、やっと思うようにプレイが出来る。



「さて、冒険再開といこうかな」


こういう胸糞展開の話を書くことが絶望的に下手、苦手であるため、今回のような形で纏めてみました。


10/21 後半運営の対処について、もう少しだけ掘り下げ書き足しました。


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― 新着の感想 ―
[良い点] ありそうな胸糞展開を一気に流してもらえたのは嬉しかったです。 MMOである以上こう言った展開は仕方がないのでしょうが、あまり読んでいて気持ちのいいものではないので。 [一言] 面白いです!…
[気になる点] 炎上騒動に乗せられてMPKとか仕掛けたプレイヤーは野放しなんですかね?
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