2.本作のターゲット層について
単発版が長くなりすぎたので、分割改稿するものです。
内容は大筋では変わりません。
とりあえず、後半は分割しただけです。徐々に改稿します。
本作のターゲットについて
発達障害、主にADHD持ち、或いはグレーゾーンの人たち向けに書いています。
グレーゾーンと言うのは、白黒はっきり判断できない領域のことを指します。
知的障害グレーゾーンではなく、凸凹のグレーゾーンです。
私が書いてるのは、能力の凹凸で困ってる人に対してです。
私自身が凸凹で困ってる人で、凸凹はうまく生かすと強みにもなるからです。
つまり改善の余地が大きい人に対して、うまくやれば改善できるかもしれませんよ、ということを伝えるために書いています。
(凹凸に関しては、下で説明してます)
当てはまらない方に読んでいただくのは構いませんが、どの層に向けて書いているものかを理解したうえで読んでいただきたいです。
ターゲット外の方には理解しにくい(経験できない、意味が分からない)内容も含まれていると思います。
発達障害自体については外部サイトを見てください。
↓ 例えばここです。
<<https://h-navi.jp/column/article/134>>
私が書きたいのは当事者への助言です。
発達障害自体を説明して、当事者以外に理解を広めたいわけではありません。
(人は自身が体験できないことを理解するのが難しい(理解できる人もいるが、そうでない人も多く、理解できない人に説明しても、あまり効果的ではない))
なので、必要な部分を抜粋して書いてます。
■IQと正規分布
まずIQの話をします。ここで言うIQは同年齢集団内での位置です。
学力偏差値と一緒です。同年齢帯の人同士の相対的位置を出しています。
若ければ同学年と考えて貰えば良いかと思います。
大人の場合は多少の補正は有るかもしれませんが、幅広い年齢での相対位置になります。
IQはそれほど正確、厳密な数字は出ません。
その日の体調でも多少変化しますし、既に成長の止まっている年代の人同士、例えば30歳の人と40歳の人を細かく分ける必要が無いからです。
(年齢によって多少の補正は有るのかもしれません)
一般的によく使われるIQテストでは平均を100として、標準偏差15であらわされることが多いです。
テストの種類によって標準偏差は変わる場合がありますが、普通は15です。
定規の目盛みたいなものと思ってください。
標準偏差はSD、或いはσと書かれる場合もあります。
下の図でもσで書かれています。正規分布の図です。
殆どの人は平均付近に居ますので、±1σつまり、IQ85~115の間に68%の人が含まれます。
高くても低くても、この範囲内であれば普通ですが、この範囲内では高目の方が一般的な基準での、能力が高い人になりやすい傾向が強いように感じます。
おそらく、社会がこの範囲を主として作られているので、この範囲では比例の関係が成り立ちやすいのだと思います。
IQ100付近の中央に近い人達からは、IQが85くらいの人は、けっこう劣って見えることが多くなると思います。反対にIQ115くらいの人達を見ると優秀な人と感じることが多くなると思います。
±1σの範囲内とその近辺、つまり7割くらいの人の場合は、(個人個人バラバラに見ればそうではないこともあるが平均で見れば)ある程度IQの高さと実社会での能力には比例の関係があります。
人数的な多数派でそれが当てはまるので、一見、高ければ高いほど良いように思う人が多いと思いますが、実際はそうでも無いです。
高すぎても困ることが増える場合も多いのではないかと思います。
人と難易度の共有ができなくなります。
実際高くて困ってる人もけっこう居ます。
±2σの範囲内に95%の人が含まれますので、ほとんどの人が含まれると言って良いでしょう。
ここからはみ出すと異常値です。その間の部分、中心から1σ~2σの範囲はグレーゾーンです。
±2σの範囲外は、低ければ知的障害です。高くても知的障害だと思いますが、そちらはあまり問題にされることがありません。
実際は高くて困ってる人も居るのですが、人数的に少ないからでしょうか。
ギフテッドとも呼ばれますが、その人たちは学業で脱落しやすい人たちです。
教育も平均的な人をターゲットにしていますので、そこから外れる人には合わないことが多いのです。
さらには、IQが高くても普通の人から見て、頭の悪い人に見えることがあるようです。
会話が成立しにくい場合があるからです。
特性の近い人同士、置かれた状況や属する層の近い人同士の方が、話を省略して会話することが可能なのです。同じものを見て、同じ判断をすることが多いからです。
そして、省略して話が通じない人は頭の悪い人と判断される場合があります。
なんで当たり前のことがわからないんだ、バカなのか?と思うようなのです。
普通の人同士だったら「どっちにする?」で済む会話が、どっちってどういう意味だ?とか、候補が2個に絞られる根拠は何だろう?とか、話がそこからはじまるからです。
普通の人が2つしか方法を思いつかないときに10個くらい解決法を思いつくと、それはそれで会話が成立しにくいので、かえって不便なのです。
最適な方法を実行しようとしても、なんでそんな変な手段を選ぶんだ?と理解されなかったり、周囲の人にとっては実際に非効率な事だったりします。
たくさん思いつく人は、たくさん選択肢があって、良策は他にもあるのに、なんでその2つに絞ったのか?と、その理由を確認しようとします。普通の人はどの手段を好むのか調べようとします。
すると、どっちで通じる多数派の人は、「なんでそんな当たり前のこと聞くんだ?バカなのか?」と感じるようなのです。
つまり、平均から外れてるとIQ高くても、頭悪い人と判断される場合があるのです。
この例では、歩み寄るために頑張ったのはIQ高い人でした。
そしてその結果頭が悪い人と思われました。これが障害です。
その程度のことでと思うかもしれませんが、これが日常生活で常時発生するわけです。
そりゃ生き辛さを感じますよね。
私は同情できますが、平均的な人がどう思うかはわかりません。
高くても低くても、社会生活を送る上で障害になってなければ障害ではありません。
でも、数字的な目安としてはこうなってます。あくまでも目安です。
そんな感じです。
高けりゃ良いってものでもありません。
上も異常値です。
大学の教授とか変な人多いよね、なんて話もよくありますが、そりゃ数字的におかしい人が多いでしょうから、平均的な人と話が通じなくても仕方ありません。
IQ130超えの人は2.5%ほど居ます。
IQ130と言うのはマスコミだとIQ150と書かれる場合があります。
標準偏差が変われば変化する数字なので、強調したい場合は標準偏差24で計算します。
数字が大きい方がインパクトが強いからです。
でも、2.5%ですから、1/40。実は小中学校のクラスに一人いるくらいの比率ですので、割とそこらに居るレベルです。
殆どの人は、マスコミで天才とか言ってる人と同レベルのIQを持つ人と、話したことがあるのではないかと思います。
もっと言ってしまえば、テレビで天才扱いされてる人と、同じくらいの数字の人と話をしたことが無い人は、滅多に居ないだろうというくらいの、どこにでもいるくらいのレベルです。
70以下だと知的障害ですが、70~85の間はグレーゾーンと言われる領域があります。
上でIQ85でも劣って見える機会が多くなると書いているように、この領域に居る人は、実際の社会生活で、頑張ってもなかなか上には行きにくく、その割には社会保障も受け辛いと言う層です。
7人に1人くらいの割合です。
小中学校のクラスに何人も居るレベルですから、そんなにたくさんの人達を社会保障でなんとかするというのは無理です。
知的障害グレーゾーン問題はありますが、私が書いてるのは、そこではなく、能力の凹凸で困ってる人向けです。
凹凸で困ってる人は、行動によって大きく改善される可能性があるためです。
■能力の凸凹
IQテストはよく見るパズルみたいなものだけでなく、一般的な常識やら聞いて答えるようなものなど、いろいろな種類のものがあり、その総合がIQとして出ます。全検査IQとも言います。
よく使われるWAIS(大人用がWAIS。子供用はWISCと名前が違います)というテストでは、4種類の群に分けた群指数というのがあり、4つに分けた数値が出ます。
ADHDで良く聞くワーキングメモリー(作動記憶、WM)も、群指数の1つです。
言語性と動作性と言う2分類も存在しますが、現在ではあまり重視されていません。
群指数も全検査IQと同様に100を中心とした標準偏差15で出ます。
一般的な人は群ごとのバラツキが1σに収まる人が多いそうです。
つまり、一番高い数値と一番低い数値の差が15以内に収まる人が多いらしいのです。
IQが高ければ高いなりに、低ければ低いなりに、それほど大きな差は出ないようです。
差が1σを超えると発達障害の可能性あり。つまりグレーゾーンです。
2σを超えると、ほぼ確実だと言います。
私の場合は3σ超えてますので、よくそれで社会で普通に生きてるねって感じだと思います。
むしろその時点で褒めて欲しいところです!
ただし、4群のうちの1つ、言語理解という群指数は学習の影響を受けやすいので、ここだけが高い人の場合、さほど問題ないかもしれません(これは私が勝手に思ってるだけですが、たぶん、診断上も重視されないのではないかと思います)。
素の能力ではなく、学習結果が影響して高く出ているだけなら、凹凸としてカウントする必要が無いかもしれないのです。
発達障害やらグレーゾーンと書いてますが、知的障害のグレーゾーンではなく、凸凹のグレーゾーンです。私が書いてるのは、能力の凹凸で困ってる人に対してです。
私自身が凸凹で困ってる人で、凸凹はうまく生かすと強みにもなるからです。
なので、障害全般についての話をされても知りません。私に言わず別の人に言ってください!
ターゲットはこんな感じです。
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実は、普通の大人は小学校レベルのことはできない人が多いです。
↓例えば、この問題正解できない大人はどのくらいいるか想像つくでしょうか?
この画像では選択肢が表示されていませんが、正確に何%と答える必要はなく、
大雑把に合っていればOKという感じの選択肢になっているようです。
(少々の読みの誤差が、正誤を分けるような選択肢ではありません)
グラフ部分だけ切り出しました。
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この二つのグラフは、1960年から2005年までのメキシコ人男女の教育水準を示しています。
次の質問の答えをプルダウンメニューの中から選択してください。
1970年には、6年を超える学校教育を受けたメキシコ人男性は約何パーセントでしたか。
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問題の文章と、グラフが読めれば確実に正解できる問題です。
帯グラフは小学5年生で習うようです。
つまり、小学校レベルの知識で解ける問題です。
5年生で習うようなので、6年生なら正解できるはずですが、
習ったかどうかなど気にするまでもなく、大人だとほとんどの人が正解できそうです。
問題文を読んで内容が理解できて、グラフが読めれば正解できます。
グラフの読み方は習わなくても、見れば見当つきそうな気もします。
なので、文章が読める人ならグラフはテキトーに読んで正解できそうな気もします。
現実はこんな感じです。
↓
レベル4の問題です。
10人中8人は脱落する難問です。
なので、この程度の問題に正解できなくても、生活するのに困ることはありません。
8割の大人が学力不足で生活困難に陥っているという話は聞きません。
学校に学力を上げる効果があるのかが疑問なレベルに思えます。
この問題正解できないとなると、そもそも文章読んでも内容を理解できているか疑問に思えますが、そのレベルの人が8割なので、実際の生活に読み書きや学力のレベルは、ほぼ求められないのだと思います。
小学校レベルの問題が解けないのが普通であれば、解けないことで障害は発生しません。
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PIAACのテスト例題です。
文科省のページにサンプルが置いてありますので、興味があれば調べてみてください。
日本はかなり優秀です(読解力、数的思考力は参加国中1位)。
世界レベルで見ても、レベル4の問題は解けない大人が多いという傾向は変わらず、偶然低い結果が出たと考えるのには無理がありそうです。
OECDが実施する国際調査であり、24か国・地域において、約15万7千人を対象に実施。
<<https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/data/Others/1287165.htm>>




