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集中集中集中【10/3修正】

ウサギ狩りの帰り道、魔狼が遠くから走ってきて返り討ちにされた。



回収してギルド行って、帰宅前にご飯にする事になりました。皆からサランはなにが好きかと聞かれたので、シチューが好きだと答えたよ。

穴熊は昼間しか立ち入りできないしバイトもかれこれ一週間やってないんだよね。


独房では、パンとあっさりしたスープにサラダが基本だったから、ジャガイモがとけてドロドロになった、シチューが恋しいんだよ。


特に、火を落とされ冷めかけた固まりかけたシチューは絶品だと思う。


貧乏くさい?いや真面目な話してますが…。


シチューはそんなに高い料理じゃないからと、ライズが前に肉の煮込みがうまかったと話していた店に連れて行って奢って貰うことになった。

ギルドから離れた場所にある間取り十畳くらいの食堂で、小洒落たカフェテラスみたいに道の方にもテーブルがならんでた。


「あ、彼処あそこあいてるよ」


「料理もみえるしそこにするか、こう暗くなると虫が入ってもわからん」


「それに、外だとマイトに酔っ払いがからまれるかもしれないからね」


「わざわざ言わないでくれないかな!」



夕暮れのカフェテラスみたいな感じの店だったけど、店内の奥空いていた席へゾロゾロと歩いていくとおっさんだらけ。



席に座って微妙に暑いなと考えてたら、この席は厨房の熱気が一番流れて来るから常連さんは座らないんだと隣のテーブルの男たちに教えられた。


座る前に教えて欲しかったー。

「でさ、ヘイトを集めやすくなる献身みたいな隠れスキルがあるかもな」


入店と同時にシチューを注文して作戦会議というか反省会。


物語序盤で真っ先に殺される人、イベント的に毎回殺されかける人なんかが居る理由らしい。魔族には殺されなかったけど、呪われたり役割的には近いかもね。


でも、ヘイトが集めやすくなってても困る。

、魔物を集める体質なんか周りからの風評被害を受け安くなりそうだわ。



「人間のヘイトも集め安いから、サランの噂にも気をつけないとな」


「マイナススキルが、正式なスキルに認定されないのは迫害の原因になりやすいからだったかな?」


「宗教的な理由も配慮されてたはずだな、マイナススキルで有名なのときたら勇者の女難とかもあの類なんだろ?」


「聞けば聞くほどいいことないねー。オレの引退はきまったようなもんだよ」


ウサギ狩りで死にかけてはないが、あれは独りなら街に帰れなかっただろな。


金輪際森には足を向けかないぞー。


「あれくらい、俺らくらいのパーティーがいれば問題ないよ?」


「確かに、強敵ではないし手数の多さでどうにかなるなら大した問題じゃない


ライズの言葉をアランが肯定したが、真面目に独りじゃありえない状況だからな。


「そうそう、独りだったらなんて考えてくのはサランの悪い癖だよ。あれだけの数に独りで囲まれたら普通に死ぬるから」



ジンジャーエールを片手にマイトが陽気に笑うが笑い事と違うわ。


「俺も、後衛だから一人ならあれは無理だと思うね」


「ダース単位ならまだしも、総数二百を超えたら単独で戦い続けるのは不可能だろうな」


マイトの言葉に二人が同意するが、あれは普通に人生を諦めてもいい状況なんだ。


草原ウサギも危険じゃますます冒険者を継続出来ないような気がするよ。


「結局なんであんなに集まるのか分かんないし…」


「あれが、サランだけの効果とは限らないから気にするな」


「…え、僕も原因か?」


「わからんが、マイトは普段あまり良くない事を引きつけるからな。」


「自覚があるだけに悔しい…」

悔しいって、何が…。


「サランも、投げナイフで何体か倒したんだからそれでいいじゃん」


「よかななーい。このままじゃ街の外行けないじゃないか」


「ふむ、一人じゃ行けないなら丁度良いな」


「ソロの冒険者は諦めればいいだけだよ」


「王都までお持ち帰りだー」



「「りょ」」


おみやじゃないんだからお持ち帰りとか辞めてください。



「日替わりナシチュー四つおまちどおさまですー」シチュー四皿と拳大の丸いパンが十個くらい入ったパケットがテーブルに置かれていった。


「値段高めなんだけど、パンの数だけでもお釣りがくるし、なによりウサギ肉が美味かったんだよな」


シチューはドロドロ未満だけどの真ん中に配置されたウサギの股肉が、シチューとは違ういい匂いをしていだ。


肉とシチューは別々で煮てるんだね。



「とりあえず、今日も生き残ったぜで、カンパーイ」


「「「カンパーイ」」」

ライズの音頭に併せてお水で乾杯。


乾杯の騒がしさもなんのその、その後は全員ほぼ無言の状態で食に集中する。


温かいものは温かいウチに食べた方が美味い。


それに、静かに集中して聞き耳をたてていれば、周りの会話も拾えるし、聞かないような雑多な情報が耳に入り安いからそうした方が楽なんだと。


確かに、他のテーブルの会話はよく耳に入ってくるのだがね。

冒険者と酒のみのオッサンばかりだからだろうか、下の話ばっかりだわ。


オレの情操教育に悪かないですか?

( ̄人 ̄)

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