どゆことよ
アーリーウッドの奪還作戦を殿下率いる騎士団を主体に決行する予定らし。
現在は対魔部隊の小隊しかいないので、数日後には兵糧とか必要な物資を運んでくる本体(情報漏洩を防ぐためとかで人数は教えてくれなかった)が来るまで、少人数での偵察を出し、国境を近隣にいる魔物のリストを作っているそうだ。
…騎士団って、大変なんですね。
でも、あんまり込み入った話を聞くと、後に引けなそうなんで勘弁してください。
それから、奪還部隊は男性しか募集していないらしいです。
元々オレが居なくても大丈夫な三人だからいいけど、女性冒険者や女性兵士ばっかりで都市防衛とか大丈夫なんだろうか?
まず、都市を出てからは直ぐに広範囲に渡って索敵をし、元々周辺に居る魔物以外の反応があれば、小隊規模の部隊を出して撃破しながら国境まで進むんだと。
アーリーウッドからの魔物以外に手を出さないのも、アーリーウッドで溢れた魔物が未だに国境を越えて来ない理由なんだと。
元々野生種の魔物は縄張りがあり、生まれてから死ぬまで縄張りの外に移動する事はない。
そして、スタンピートで溢れたダンジョン型の魔物は、知性が少なく攻撃的な性質をしている。
同じ階層をひたすら歩き続けるダンジョン型の魔物は強さも固定されていて、徘徊した先に居た物に対して攻撃をしかけるので、山に入り込んだ奴らは野生種の強力な個体に対しても戦いを挑んでいくので自然と淘汰され、こっちまでくる確率は極端に低くなるんだそうだ。
通常ならあり得ないスタンピートが起こる理由は解明されていないが、ダンジョンコアが寿命を迎え、新たなコアが造り直される時に、ダンジョンを一時的に空にして内部を一から造り直す時に、古くなった邪魔な物を内部から排除するかららしい。
ダンジョンの歳末大掃除とかマジ勘弁して。
―でだ。
男性冒険者は比較的冒険者ギルドに出入りをしているから互いに顔見知りだったりするが、田舎の方だと女性冒険者は同性に会う機会が少ない。
そうした理由で、男性冒険者が奪還部隊に参加する前に、女性冒険者を一カ所に集めて、顔合わせをし可能ならば臨時パーティーを組ませておこうと考えているのだそうだ。
でも、女の人相手になると中身の関係で絶対にぼろが出ると思うんですが…。
「冒険者になるような女は、気性が荒いし、サラン君ならアマゾネスに比べたら可愛いもんだと思うぞ」
殿下の基準おかしくて、参考になりませんでした。
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「では、さらばだ」
「撤収ー!」
「「「サー」」」
一連の話を終えて、ガチャガチャと金属音が遠ざかっていく。
視界から鎧が消えて見送り完了ー!!
「やっと寝れる」
安堵感に皆床に仰向けで寝転がった。
「サラ、残念だがもう夜明けだ」
裸になったアランが不適に囁いたけど、私は夜明けでも寝るぞ。
そして、次に目を覚ましたら誰も周りに居なかった。
―どこいったよ。
エ((°□°;)゜□゜))アレッ!?




