香草蒸し
鱗を落とし頭を落としてワタを取る。
水で中を洗い流したら、軽く塩をまぶして、バジル・オレガノ・セージ・フェンネルといった香草を刻んで乾燥させた物をまぶしていく。
それから、フライパンに油を敷いて蓋をする。
……やべ、竈に火が入ってませんよ?
米を研いで炊飯器に入れたのに、スイッチ入れ忘れて炊き上がるまで待つ人みたいになっちゃう。
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噛み砕くその味はまあまあ。
濃いめの塩が酒の肴にはいいけどパンにつけて食べるのはちっと合わないかも知れない。
「別に何でもかんでも出来なくていいと思うんだよね」
千切ったパンで、皿に残った魚の脂をすくって食べる。
塩分が多く独特の臭みが…。
「…みんな、これは失敗かも知れないよ」
そして静かにパンを置いて一言。
「…ちょっからい」
「「「あざとい」」」
はい、舌で吟味するのはやめて素直に水を飲もう。
脂云々じゃなくて、味付けがちょっぱいわ。
臭みを誤魔化す為にいれた香草が、役にたってないし、脂に溶け出した塩が全ての味を殺している。
川魚の脂って、割とあっさりしてるから濃い味には向かないのかなぁ?
「塩辛いのは、サラが塩を丹念に刷り込んだからだな」
「パンにこだわらなきゃ普通に食べれるし、そこまで酷くはないと思うよ」
アランとマイトは平気な顔でパクパクと食べていく。
「これくらい味が強いほうが、お酒に合うし問題ないよ」
飲み屋のオッサンは、肌着だけで、小さな酒瓶をラッパ飲みしていた。
日に日に酒の量が増えていっている気がする。
―もうこの人ダメかも知れない。
( ̄人 ̄)焼き魚の脂は、ほどほどが美味い




