ある中ハイマー
言葉の足りなかった説明の追加しましたー。
さらに伏線追加です。
祭りの時にタダで見られる舞台が街の要所に作られるんだけど、その舞台の勇者物語みたいなものだと、勇者パーティーの中の女騎士が女扱いされる事への不満を勇者にぶつけるわりとポピュラーな場面がある。
最後は二人が結ばれて物語がおわるんだけど、女扱いするのは普段だけじゃなくて戦闘中も、騎士を庇いながら戦うと面々とか、あの勇者パーティーは少々問題があると思われる。
まあ、女騎士か凄く美人だったって事らしいんだけど、勇者に対してヒステリックに感情をぶつけるあの姿には、オレドン引きしたよ。
勇者ほどほどにしてやれみたいな。
とりあえず、いちいち気を使われてたんじゃやりにくくて仕方がないよな。
「長いこと三人で上手くやっていた中にオレが入って上手くやっていけるのか不安だけどお願いします」
お辞儀と同時に串から手に肉汁がポタリ。
「こちらこそよろしく」
「宜しく頼む」
「なんで屋台の串に負ける…」
一人がだけ納得してないみたいでブツブツ言ってる。
これからはゲストメンバーじゃなくてちゃんと四人一組で行動してくのか。
初めてのパーティー登録だしちょっとオレも興奮してるのかも知れない。
「パーティー登録すれば、サランのいる位置が解るから一安心だな」
「子供のストリートギャングならまだいいけど、本物の犯罪者が入り込んでるらしいからね」
「ストリートギャングも“まだしも”じゃ済まされないんじゃないか?」
「スラム街なら日帰りストリートギャングなんか珍しくもなかったから大丈夫だよ。素人なんか騎士や兵士から逃げ切れる訳ないし、落ちきる前に国に摘発されておわりだよ」
その終わりで、ちゃんと生きてますかね?
一部いい噂を聞かない騎士がいるらしから、切られちゃうんじゃ…。
「そんなもんか?」
「小悪党にもなれない奴らなんてそんなもんだよ」
「殺人でもなきゃ、せいぜい二年か一年の強制労働くらいだな」
「そんなとこ、下手したら無罪方面だけど軽々しく悪さができないようにするでしょ」
「食い扶持も減らせるし、街の出入りが出来ないようにする方が楽だろう」
なんで、そんな話になるんでがしょ?
それにしても、隣国の話でも生きてる間に身近な所で戦争になるとは思わなかったよ。
サンデックが人口が一万人に対して、アーリーウッドからの難民は約三千人に登る大集団で、人口の三割近い人間が支援を要しているという。
そんな規模の難民を抱える事になってしまったサンデックの領主様は大変だよね。
隣国との外交問題でもあるので、いずれ国から消費された分の保証はあるだろうとアランが説明してくれたけど、それも数ヶ月は先の話になるそうだね。
それから、冒険者ギルドに登録したばかりの者が草原でウサギ狩りをしているから、食肉は今まで通り流通しているが、一角ウサギは無限に湧くダンジョン魔物と違い野生の生き物だ。
このまま乱獲が続くと根絶やしになりかねない勢いで狩られているらしい。
森の魔物なら根絶やし大歓迎だが、ギルドからウサギの捕獲制限がかかるかもしれないのだそうだ。
「…ほぐ、アーリーウッドの人達の食料足りないのかな?」
―完食。
それからしばらくアランとライズが街で得た現状を告げられた。
難民と住民の両方のからサンデック側の対応に非難の声があがっているらしい。
難民からは主に食料の少なさにに関する話が覆いそうだが、地方領は干ばつに備えた備蓄が数年分あるとされているが、(実際にそれだけある保証はない)これから戦争が起こるかも知れない状況で難民たちに盛大に振る舞う訳にはいかないだろ。
そもそも、アーリーウッド国内ならまだしも、サンデックはサラマンドラ王国だ。
アーリーウッドと難民に関する相互条約が結ばれてたとしても、アーリーウッドという国が亡国となれば、条約相手そのものがいなくなるのだから、条約そのものが意味の無いものになる。
本来の形式なら、難民は国境を越えずに自国内で待機して、他国に求めるのは一時的な食料支援だけにとどまらせるのが一般的だ。
出す出さないは国の繋がり具合とかにもよるが、備蓄があればどこの国でも外聞のために数日分なら支援するのが普通だそうだ。
だが、現時点で難民がサンデック内部にいて、他国の難民達を領内しかも街の中、さらにいえば国の許しなくサラマンドラ王国国内に抱え込んでしまているのだが、それにはとんでもない理由があった。
領主の許しなく感情のままに難民達を街まで先導してしまった者がいたのだ。
おかげで、警鐘がならされた明け方には、城壁が人であふれてしまった。
了解なく押し掛けてきた集団はアーリーウッドの騎士の静止も聞かなかったらしい。
敗戦した国の騎士だから軽く見られたんだろうとアラン。
それより何より、先導したらしき者は、自称勇者と名乗りをあげて、アーリーウッドの惨状と開門をしないサンデックに対する非難を叫んだおかげで、難民が暴徒になりかけたのだと。
サンデック側も、さすがに雨風を防げるものはなく雨ざらし野ざらしのまま放置すると外聞が悪いので、サラマンドラ王国の騎士とアーリーウッドの騎士、それから冒険者で全ての通路を塞ぎサンデックの住民と隔離する事を条件に倉庫街を解放したという。
いやいや、数日でアーリーウッドのJARIどもが街中ではっちゃけてますが?
で、難民からは、“アーリーウッドの勇者だ”などと祭り上げられ感謝されている自称勇者。
此方側からしたら考えなしのオオバカヤローである。
サンデックが受け入れを否定的だったのを冷たいと思う人もいるだろうが、どこの国であろうと、還るアテのない支援をするほど優しくはないという。
だいたい、アーリーウッドが残っているか怪しいのだから、難民達が消費し続けている物質をどこに請求すると言うのか。
まったく新しい国に請求する訳にも行かない。
緩衝国を倒した新しい国や体制とは敵対する可能性が高い。そんな国に請求しても突っぱねられるだけであるから、内乱における支援はあくまで一時しのぎ程度に済まされるハズだったんだそうだ。
そのあたりは領主様と国任せなんだから、こっちがそんな心配しても意味がないとライズが曰う。
追記。
現状だと、アーリーウッドの領土を一部奪いに行く可能性は高いらしいです。
そこに難民をそこに返すのが最良とかなんとか。
―以上。
「それより、家の家計のほうが問題だ。資金的にはまだ余裕があるいが、このまま家にいても仕方がない。明日はサランのパーティー登録をしたら森にいくか?」
「森は、依頼をあきらめた冒険者が狩りをしに行ってるって話だけど大丈夫か?」
「浅い部分は人が多いかもしれんが少し奥なら多分大丈夫だろう」
「お兄さん、少し奥は魔物の領域ですが?」
なんて事ないように話していたのですかさずオレが口を挟む。
浅い部分は自然豊かなんだけど、少し奥はこないだのゴブリンパラダイスに該当する。
超危険。
「王都じゃ、あれくらいの成果がないと冒険者とは呼ばれないからな。稼ぎとしてはあれで普通だ。」
「同じ量でも、向こうだと一人頭の稼ぎはそんなに無いからね。」
「二三日森に入ってたい所だけど、今は夜営も危ないかな」
「奥なら野党も簡単には来れないから大丈夫だ」
「そっか?まあいいや、とりあえず明日は朝いちからギルドだから酒でも飲むかな」
「…この街に来てから、ライズのダメ人間が止まらない」
「美味いらしいが、大丈夫かおまえは」
「大丈夫だよ。明日には残さないから」
「それならいいか」
「どうせ水割りだしな」
「そそ、これくらいなら水代わりだし」
そそくさと、酒を取り出し飲み始めるライズだが、最早アルコール中毒になりかけてる用など…酒が弱いとのたまった人のセリフとは思えない。
「お酒はほどほどにね」
アルコール中毒になると、酒が切れると手足の震えが止まらなくなるし明らかに顔色おかしくなる。初めての仲間がアルコール中毒になっていくとかは勘弁して欲しいです。
( ̄人 ̄)ごめんなさい