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毛皮の手甲【10/3修正】

町ゆく普通に可愛い女の子達は苦手だと贅沢な事をのたまうマイトも引き連れ帰宅。


オレ男だったから、意識してなかったけど、女の子からしたらこの3人はイケメンなんだよ。

こんな中に混じるなら、周りの反応も気にして接してかなくちゃならないかね。


え、それよか男としてならイケメンをまず妬むべきだと?


イケメンでなく女顔だったからそんなに気にならないし、今は顔を妬むような心の余裕はないっ!!


それでも、イケメン狙いで絡まれたり揉めるような相手がいないだけマシなのか、何事もなくたどり家に着けるって素晴らしいね。


帰宅してからは、クナイで的当てなんかをしながら過ごしてた。

その間に、買ってきた物を使って、ライズが手甲を魔改造してくれた。


毛皮装備の手甲には、古い水道管で芯を通してあったんだけど、いい感じにクナイが入る事が判明し、弓矢の矢のようにクナイと鉄の棒を繋いで中におさめる事によりちょっとした武器になった。


「名付けてプチバンカーだ」

作ってくれたライズは、パイルバンカーとか言う丸い管に杭を走らせる武器を真似てみたらしいけど、威力が低いからプチバンカーなんだそうだ。


でも、手甲で殴りかかることないし、喧嘩でもしたら危ないな。


「筒の奥に圧縮の魔法仕込めたら威力あがるねー」


「なにそれコワい」


嬉々として話してるけど手甲が使いにくくなりそうだからやめてくんないかな?


夕方も近くなると部屋の中が荒れてきた。


なんかゴミ出てるし。


ライズの摘みと酒とジュースの空き瓶が横倒しになり、食べた屋台のクシがテーブルに散乱してくれてるおかげで、寂れた飲み屋みたいになってきましたが?


「タダ的狙うだけなのも飽きてきたな」


「おっ、なんか賭けるか?」



パスンパスンと的藁に投げていたマイトの言葉にライズが食いついた。

見た目にも、ダラッダラッした空気が流れてるのがわかるんだけどー?


「そおだな、みんなでなんか賭けて勝負でもするか?」


「あまり変な事でないなら異存はない」


「オレ賭け事になると弱いからパスねー」


そしてオレはダラダラにやる気になってきた空気を華麗にスルー。


「えー、サランやんないの?別に真剣勝負って訳じゃないから一緒にやろうよ?」


ライズが懇願するように手を掴んできたよ。


「ん~、参加してもいいけど何でライズはオレの手を掴んだの?」


立ち去ろとしてた訳じゃないから、流れ的に必要ないと思うんだけど?


「ああ、背の低い俺が女の人にコレやると、結構な割合で無理が通ったりすりから…」


ショタ好きなら一発ですか。でもオレはショタじゃないし暑苦しいよ?


「酒のみなの知ってるから、いきなり酔っ払いが絡んできたみたいで嫌な気持ちなんだけど?」


「ソウデスカ…」


ライズは俯き力なく手を放した。

けど、昼間からチビチビと酒を入れてるから息が酒くさくていけないねー。


「あはは、ライズが酒のみなのは違いないな」


イカをクチャクチャとマイトが笑う。


そして、アランは目をつぶりながらレモンを口に含みジンジャーエールを呷る。


アランのそれは、テキーラの飲み方ですよ?


いやまじでカオスなんだけど?



「…どうしよう、こんなときって脱衣しか思いつかない」


「サランがいるから出来るわけないだろう。私はそんな事で嫌われたくはないぞ」


ライズが床に倒れ、マイトが発熱しアランが欠伸をした。


だいたい、アランに関しては全裸が罰ゲームにもならないじゃない?


「…諦めて寝ような」


「もう少し“イヒッ”の力があればなぁ」


ヒラメキとか発想力らしいけどイヒッの度にマイトの顔が崩れるのキモイ。


「学園生になるのが嫌で冒険者に逃げた奴がなにを言ってる」


「あんな、月に金貨なんて大金だしてもガッコーは役立たないだろ…」

「俺も騎士見習いにはなりたくなかったから似たり寄ったりだがな」


王都周辺は、徴兵か修学の義務があるらしいけど未成年時代から冒険者してる納税してる即戦力として免除されるらしいよ。

田舎はそんな徴兵みたいなのないんだけど、村なんかから若者を徴兵すると、防衛の戦力がたりなくなるし、過疎化がさらに進むから廃止されたんだって。

都会の貴族は、騎士団に入隊やギルドという組織に所属してても免除になるんだと、だいたい緊急時に冒険者は兵隊扱いになるかららしいね。



国力の底上げの為に学園を作ったらしいけど、やっぱり月に必要なお金が高くてまともに生徒として通えるのは商人とか中流家庭かららしいよ。


月に十万は確かに高すぎるし、もしかしたら冒険者に所属させるための政策だったのかもしれないね。


もう、あそこの酔いどれキュートボーイはイビキまでかいてるよ?


「…とりあえず眠い」

足を投げ出して壁に寄りかかる。


「サラン薄着だからあまりダラダラするな。下からスキマニアが狙ってる」


床からギラギラした目で足の奥を凝視しているバカがいた。


「…これはスケベでいいのかな?」


「ちがう、これは崇高なる願いだ!」


短パンでも見えないだろ下着は。


「…こうゆう奴だからほっとけ」


とりあえず、今床に座るの止めたら負けな気がする。


「わかった。マイトはライズの頭に布賭けてやれ」


「…あいよ動くなよ」


「ぬぅぅ、見えぬ見えぬぞぉっ!?」


厚手の布をかけられたライズが悶えてるけど手で外したらいけないとかルールでもあるのかね?


「バカだな。もうトイレ借りて寝るよ?」


「わかった」


「いってこい」


諦めたらしい二人の返事を得て、道端の共同トイレを借りてこようとしたら、ライズがムクリと身を起こした。


「あのね、暗いんだから誰かサランについていこうよ」


「「いけ変態」」」


「…ぐっ、覚えてろ。行くよサラン」


なんだか、トイレまでライズにエスコートされる事に。


「この辺りも、痴漢とか変質者いるって話だから気をつけて」

「いままさにめのまえにいますけど?」


「流石に覗きはやらないからな」


スキマニアがなにを言うかな。


「俺は、スキマがあるなら男のパンツでも覗くからな」


「…そんなミソ情報いらんわ」



下水管の中に作られた段差が水音をたててるから致してる音を聞かれる心配はないけど、近くで人が待っていると落ちついて用も足せないのだとその日理解した。


お姫様さまでもあるまいし、明日から夜はトイレ壷ですませよう…。



深夜、けたたましく鳴らされた鐘の音に目が覚めた。

「…なにかあった?」


上着を羽織り下に下りていくと、二人は防具まで装備していた。


「わからん。火事にしては空に変化がないから何かに襲撃されてるのかもしれん。


仕方ないマイトは諦めてコレを使え」


長細い箱から、マイトに剣を投げわたしアランは、短槍二本を石突きをつなぎ合わせ一本のやりにの代わりにするようだ。


「武器を修理に出すとこうなるんだよなぁ」


ケチらずに買えばよかったと白銀の刀身を確認するマイト。


「それ魔法剣とか?」


「納屋にあった骨董品ちょっぱってきた奴だし不良品もいいとこだよ」


シュリッと引き抜いてみせた刀身は意外にスマートで剣にくらべ幾分細い。


だが、その鞘との差がおかしい。

鞘の幅が三倍くらい違う。鞘スッカスカで隙間だらけとかほとんど張りぼてじゃん。


「コレとセットじゃないと意味ないから仕方ないよ」


意味分からん。


「ライズ何か見えたか?!」


『鐘は門の方から来てるみたいだね。周りも騒がしくなってきたみたいだけど、鐘の音だけで今の所たいした変化はないみたいだよ』


「わかった。とりあえず門に向かうか、ライズも降りてこい」

冒険者は有事の祭には街の防衛に当たらないとならないんだよ。


「とっくに降りたっての。早く行くよ」


ライズが外側から返事をしてきた。


屋根裏…は?屋根から?



―猿か?




押しかけた人で門の前は騒然としていた。持てる荷物を持って逃げるつもりなのかもしれないが、衛兵に追い払われ非難の声を浴びせている人もいた。


「門の外に隣国のアーリーウッドの騎士団がいるんだそうだ」


「国盗りにでも失敗してきた盗賊じゃないのか?」


隣国のアーリーウッドは王国と王国の国境に設けられた緩衝国家でいち地方程度の領地しかない。

数年に一度は、盗賊団や傭兵が徒党を組んで攻め込んでいく話が聞かされる。


「…いや、どこかから来た武装した集団に国が落とされて、着の身着のままの市民と国境まで避難してきたらしい」



「…戦争か、こっちまで巻き込むなよな」


「そんな話をよく聞き出せたな」


「難民に食糧を届ける部隊をギルドが募集してるから聞けただけだ。国の兵士は王命がないと派遣できないからな」アランは、ギルド員から渡されたらしい紙を見せてきた。


「げ、荷運びの成功報酬で金貨一枚も出てる」


「戦闘が想定されてるからな、荷運び以上の金が提示されてないと飛びつく奴もいないだろう」


破格の報酬に、うなるライズから紙を奪いアランがポケットにしまった。


「飛びつきそうな奴はあらかた飛びついた後らしいから帰るぞ」


「そうだな、直接被害が出てるわけじゃないし引き上げよう」

「生きて金貰えるかわからないんじゃやる気しないしね」


割とあっさり三人は踵を返した。

その際に、マイトに肩を掴まれこう告げられた。


「もし、戦争になったとしたら僕らは行かなきゃならないけど、サランは参加する必要ないからね。

未成年や新規は最低一年は戦争の戦力として徴兵できない仕組みらしいから」


「…むう?」


そんな事言われても、仲間がいくのに置いてかれる側としては返事に困るんだけど?


「軍隊の支援や派遣となれば正規兵がでるだろう。冒険者は町の防衛の依頼とかくらいだけになるだろうし大丈夫だ」



「そうだね。相手が攻め込んで来たら分からないけど、アーリーウッドを落としたのが軍隊なら、兵が疲弊した状態で連戦は出来ないだろうからね」


あの警鐘も、正体不明の集団が来たから、相手への警告として鳴らしたんだそうだ。


その後すぐに使者が来たらしくて和解したらしいけど、夜中なのに町中でえらい騒ぎだよ。


サスガにこれは呪いは関係ないよね。

£( ̄∀ ̄)ノシ´Д)→貫通

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