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第四章「紅の堕天使・紫暗の悪魔」・11

第四章も折り返し地点!

 

「ぐ……」

 シルフィードに抱えられるようにしていた翼がうめくような声を上げた。

「どうしました?」

 高速で飛行しながらも、そう問いかけてくる。翼は自らの右腕を押さえ、歯を食いしばっていた。

「いや……たぶん、真咲と誰かが戦っている。それも力の強い誰か」

「……少しとばします」

 翼の言葉の意味を悟り、勢いを増す。眼下を流れる街並みが加速した。

 しかし……ここまで感応しているとは。

 シルフィードは内心驚いていた。先ほどの〈深精神共鳴〉といい、彼はやけに人間離れしている。ここまで堕天使と意思疎通ができうる人間などいないはずなのに。魔魂がそうさせるのか、それとも別に何か原因があるのか。

 ふと疑問を感じつつも、シルフィードは翼に指示された通りのビルに降り立つ。

 何の変哲もない、雑居ビルだ。屋上は小汚く、室外機の音だけが響いている。別段変わった様子はない。

 だが二人はそこに残された濃厚な魔の残り香を逃さず察知していた。

 おそらく先ほどまで誰かがここで魔的な存在を消滅させたのだろう。それは考えるまでもない。

「真咲……」

 翼の口から零れるようにして、その名が出る。

「折笠さん?」

「いや、なんでもない。ここにいる。間違いなく、ここに」

 はっきりと断言する。今の自分の言葉には絶対的な自信があった。

 そして、左目だけ、はっきりと今真咲の見ているであろう景色が見えた。

 対峙しているのは、金髪の男。ミシェル・ハイドフック。

「間違いない。今、ミシェルってやつと戦っている」

「……倉本梓は?」

「わからない……いや、無事らしい、けど……拘束されてるっていうのか、こういうの?」

 翼の目には十字架に張りつけになった梓の姿が映った。まだ無事だが、一瞬先にどうなるかはわからない。

「急ぎましょう」

「ああ」

 翼は左目を押さえるようにしてシルフィードに続いた。

 その目は真咲やミシェルと同じような紅い色に染まっていた。


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