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第四章「紅の堕天使・紫暗の悪魔」・2

 警察を呼んだとは言っていたが、まさか『彼ら』が来るとは思いもしなかった。

「……白河……さんでしたっけ?」

 どこか警戒した様子で翼は問いかける。

「ええ。こちらはシルフィード……もう顔見知りですよね」

 にこやかに微笑みながら白河は改めて自己紹介をした。銀縁フレームの眼鏡をどこか神経質そうに押し上げる。かたわらにいたシルフィードは軽く会釈をする。

「それにしても……随分派手に暴れたみたいですね」

 火の点いていない煙草をくわえながら、白河が部屋を見回す。シェイドによって荒らされたままの部屋は、まるで竜巻が通り過ぎたかのような状態だ。あらゆる物が散乱してしまっている。

「俺たちが暴れたわけじゃない」

「それはわかっていますよ。それで、その契約者はどこですか?」

 つまり真咲はどこにいるのかということ。

「まさか我々が来るとわかって隠した……というわけでもないでしょうし。気配も感じられませんね。それと――」

「梓の居場所もな」

 白河の言葉に続いて声を発したのは意外な人物だった。

「……新明?」

 翼が驚愕に目を見開く様子をどこか楽しげに笑って新明は見ていた。いつもの学校の制服で。だがどこか違った雰囲気で。

「なんで……お前がここに」

 問いかけに返って来たのは鋭い視線。

「それはな、翼。俺がこういう者だからだ」

 そう言い懐から手の平サイズの手帳を取り出す。警察手帳のようなものだ。

《聖滅魔専用部隊上級魔昇華中隊・極東支部》と書かれていた。

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