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第三章「独りの騎士・孤独の姫」・23

ついにシェイドとの戦いにピリオドが………だが---

 さすがは、滅魔の射手……

 途切れそうな意識の中、視線は彼女の手にある拳銃へと向けられる。

 これに……どれだけの悪魔が散っていったのか……どれだけの憎しみを飲み込んできたのか……わからない。だがはっきりとわかるのは、それだけの思いを受けたとしても、この堕天使は生きているということだ。五百年というときを。独りで。

「……違うわ。あなたが遅いのよ」

 きっぱりとした物言い。

「相変わらず……だね。そゆとこ。やっぱ、変わってない、よ」

 吐血しつつも、笑みを浮かべた。彼が今まで浮かべた表情の中でも最も本心に近い顔。

「……そうかもね」

「何で、かなぁ……勝てると思ったの、にさ」

「……さぁ、考える時間はたっぷりあるわ。そこで考えなさい」

 銃口がシェイドの額に向けられ、がちゃり、と撃鉄が引かれる。

「じゃ、またね」

「……さようなら、よ」

 

 ガゥン…………

 

 銃は自らの役目を終えるとはらはらと散るように消えていった。それはその銃によって屠られた悪魔たちも同じ。

「変わらない者なんて、この世にはいないわ。それは私も例外じゃない。……あなたは変わらなかった……だから負けたのよ。私には慕う人だけじゃない。信頼できる人も、守るべき人もいる。だから、負けない」

 誰にともなく、強いて挙げれば自らに言い聞かせるかのように真咲はつぶやいた。言葉は消え行くが自分の想いをより強いものにしてくれる。そう信じて。

「うぅ……」

 と、真咲の耳にうめくような声が飛び込んだ。


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