表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/83

第三章「独りの騎士・孤独の姫」・22

「やるね……なんで?」

 額に汗が浮かんでいた。疲れからではない。冷や汗に近いものだ。

 彼の問いに真咲は無言。

「まぁ……いいよ。次で最後だから」

 距離を詰めようとしたのか、シェイドが身構えたが、それよりも早く真咲が迫った。

 突き出される刀をシェイドは最初からあった鎌の刃で防ぐ。

「っ?」

 と、防御されたにも関わらず真咲の口元が不敵に歪む。

 真咲は渾身の力を込め、刀を突き出した。交差されていた刀を開放され、黒鎌が弾かれる。

「しまっ――」

 絶対的な刀の間合い。

 堕天使の刀は両腕を開いた先できらめいた。その手を返しまた交差させるだけで、シェイドの腹部への斬撃を可能とするだろう。防御するには微妙なタイミング。

 だが――間に合わないわけではない。

 防御できるのは刃だけじゃないんだよっ!

 上方に弾かれた刃とは反対側。つまり柄の部分を防御先に回転させる。これで攻撃は防げるはずだ。

「これで……ぇ?」

 シェイドの視界には宙に舞う白銀の刃が入った。

 ほぼ零距離に近い場所にいる真咲の手には黒い自動拳銃。すでにトリガーにかかる指に力が込められている。

 ガゥン……ガゥンガゥン!

 放たれた弾丸は死神の黒衣に吸い込まれる。

「ガッ……」

 倒れ込むシェイド。真咲はそれを見て片手の拳銃を消した。

「終わりね、シェイド」

 ただ無感情に……無表情に……

 彼女はそう告げた。

「ま、まさか……そんなに速いとは思ってなかったよ……」

 言葉が途切れるたびに口から鮮血が吐き出される。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ