第二章「黄金の鈴・漆黒の鎌」・23
ほとんど翼は、自分の言っていることが理解できてはないないだろうと思っていた。けれど、真咲は理解していた。それに対する返答だった。
それを聞きどこか頭がすっきりとなったように感じる。
「ああ、確かにお前は弱い。あのガキに比べればな。でも、それは『今』だろ? 前は倒したんだろ? でも今は力が戻ってない。だから俺に協力したんだろ?」
こくり、と頷く真咲。
「なら頼れ」
「え?」
「それじゃ、梓と一緒だ。俺に頼れ、少しぐらいは。一人で抱え込むなって、梓にも言ったばっかだろ? これも理解しろ」
頼る……今まで一人だったのだろうか? そうなのだろう。
真咲は自問自答をする。
そうでなければ、こんな感情にはならない。
彼の言葉に……こんな気持ちには……
「…………うん」
真咲はしっかりと、はっきりと頷いた。目元を拭う。
翼は笑みを浮かべると、
「さて、そろそろ下りないと、梓も待っているだろうし」
「あ、死体の記憶は消した方がいいかな……それとここの後始末……は警察がやるわね。それぐらいはしてもらわないと……」
「記憶は……あいつが気にしているようならそうした方がいいだろうな」
「そっか……」
歩き出そうとして、よろっ、と真咲は翼にもたれかかった。
「あ、あれ?」
「おい、なんだよ、真咲」
「ゴメン、足に力入らなくて」
「ったく……」
翼は、さもしょうがなさそうな顔をして真咲に肩を貸した。
「ごめん……」
「いいんだ。言ったばっかりだ。頼れって」
真咲は微笑した。
彼なら……翼なら……