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突然聞こえた声に驚いて振り返ると


「!?

 ……お兄様!!」


そこには、腕を組んでマルーを睨むクロードがいた。


「またリタから逃げ出したね?マルー。」

「ち、ちがうの!

 だってこの薔薇を見に行きたいって言ってるのに、今日はダメです!大事なお客様がいらっしゃるんですから!って、リタが話を聞いてくれなかったんだもん…。」

「…今日お客様がくることは、父上と母上からも言われていただろう?

今日来る方たちは、父上と母上の昔からの友人で、僕と同じ歳のお子さんと一緒にご家族で来るんだ。

それなのにマルーがいなかったり、また泥だらけでいたらリタだって怒られてしまうんだよ?」

「わかってる!!

 だから薔薇を見たらすぐ戻るつもりで…!」


抗議しようと声をあげた妹の手から、血が滴るのを兄は見逃さなかった。


「マルー、ケガしてるのか?!」

「えっ?

 あ、さっき薔薇の棘を……。」


そう言いながら見た自分の手から


「な、なん…で……。」


なんでこんなに血が出てるの?


「こんなに血が出るほど何をしたんだ!!」


滅多なことでは声を荒げないクロードが、怒りながらマルーの手首を掴む。着ていた白いブラウスにも血がついて赤いシミができてしまっていた。


「はやく!屋敷に戻って手当を!!」


なんで?

棘が刺さっただけだったじゃない、他には何もしていないのにどうして?

そう思ったのと同時に、痛みがじわじわと広がってきた。


自分の手から流れる血を見て唖然とするマルーを、クロードが引きずるようにしてその場を離れる。



『…………やっと、会えるね。』



その声は、2人には届かなかった。




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