ふたりとわたし
もうひとつ聞かせてほしいことあって
肘をついたまま
視線はそのままで
わたしの話した後に
ちらちら舞い降りる雪を
ふたり眺める回数が自然と増えていったね
ふたり顔を見つめ合って
クスッと笑ったね
もうひとつだけ聞かせてほしいこと
助手席にいるわたしと
いまのわたしは少し違ってて
あなたを見る角度も違うから
ほぼ正面から
視線はそのまま
そっと、手ですくった
未来なら、こんなに軽くはないけれど
どうか、わたしの思いをいま
あなたに
両手ですくってほしいと
ぎこちなくてもいいから
他に願いがあるとしたなら
その願いよりも先に
いまのこの瞬間のこと
叶えてほしいと思う
あなたのこれからの言葉は
聞こえないフリをして
ごまかしてみせるから