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30過ぎてロリータ着てますが、世界をオシャレに出来ますか?  作者: 大牧ぽるん


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第五十六話 これがこの世界の美しさですね?


扉がトントンを誰かが鳴らす。

リーリが扉を開けると、花や草木をイメージしたロリータに身にまとった、

この国の姫であるダイヤ様と騎士、カガミさんが現れる。



お客さんの顔が一気に国民の顔になる。

一国の姫が急に現れた、それはとんでもないサプライズだ。

ざわつく会場は私達は想定内の事。

すっとダイヤ様が手をあげてみせる。静まりかえる会場。緊張の一瞬。



「みなさん、私達の森でいつも楽しく暮らしてくれてありがとう!

あなた達がこれまで森に恵みを、平和をもたらしてくれました。

まずは礼を言います、ありがとう。」



それは姫から女王になったようなとても強く、そして優しい言葉だった。



「私達もこのパレードに参加させていただきたいのです。いいでしょうか?」



会場も舞台上も大きな歓声と拍手がおきる。

同意された合図に、ダイヤ様はお辞儀をしてみせた。

この姿にはクラブ様もハート様も涙ぐんでいた。



ここでさらにサプライズが続く。

カガミさんが跪き、ダイヤ様へと手を差し出した。

これは台本にはない。しかし、みんなが真剣に見つめている。



「姫、どうでしょう、一緒に踊っていただけますか?」



笑顔でダイヤ様は手を出し微笑んだ。



すると、音楽がすっと高貴な音楽に流れがかわった。

はっと見ると、国の楽団がニヤリとしている。

きっとこの国ではポピュラーな曲なのだろう。皆がみんな男女ペアになって踊り始める。

クラブ様はまた嫉妬していたが、ハート様が手を取った。



「アナタ、私達も行きましょう?いいでしょう?ナナミ。」

「はい、是非楽しんで!」



国王と女王までロリータで現れ会場は更に盛り上がりを見せる。

一気に舞台はダンスパーティーになった。

沢山の布のひらひらに、輝きに人々は目を奪われた。その一人が私だ。

なんてきらびやかで、美しいんだろうか。



ダイヤ様の花のロリータは多くの花をあしらったものだ。

グリーン基調のクラシックロリータワンピースに、

レースで作った花をあしらった麦わら帽子のキャノティエ。

スカート部分は中の生成り色の三段フリルスカートがよく見える

バッスル風になって高貴なイメージに仕上がっている。



カガミさんの木々をイメージした王子様風のロリータだ。

騎士なので、袖口こそはシンプルだが、

軽くはためいて魅せるマントはオーガンジーで何段ものフリルになっている。

木の葉のビーズ刺しゅうがとても光に当たって動く度に表情がかわる。

シャツのシャボも着慣れてはない様子だったのだが、よく似合っている。



そう、これは森のパーティー。

私がロリータを作ったあの夜、マロン村みんなでしてもらったパーティーをしたかったんだ。



本当に、素敵な。

ほんと、ありがとう。みんな。



私は、もう一度、帰り方を思い出す。

それは数日前のクラブ様との会話であった。



「日本、それは懐かしい名前だ。」

「へ?」



あの時、サヨナラの準備をしてた私に都合よく現れた情報だった。

いまそれをクラブ様がおっしゃっている。



「どういうことでしょうか?」

「私のお父様の話でよく聞いていた。この世界に昔、日本というところから来たものがいたと。」

「!そ、その方は!?」

「もう、居ない。無事に帰れたと聞いている。

なんでも、この国にお菓子を教えてくれたのは彼だと言っていた。

そして友であったお父様にある日、サヨナラを告げて、二カッと笑うと

眼の前に扉が現れ、異世界をつなぐものだと言ったらしい。」

「扉!私もここには扉から来ました!その話が本当なら、急に現れるのか……」

「いいや……」



クラブ様はうつむき気味で私に伝えるか悩んでいた。

そうか、私が帰る事は想定していないこと。当たり前だ。


「クラブ様、私は日本でやれねばならないことがあります。」

「…… それはここではだめなのか?」

「はい、そうなんです。日本で、やりたいと思っております。

どうか、帰る方法を教えてください。」



クラブ様は私から目を離さず、決意を組んでくださった。



「強く、願う事だ。

帰りたいこと、そして何をなすか。

ナナミ殿、私はここまでしか知らない。

お父様の友も、願いを言って扉へ向かったと聞いている。」

「それでも、教えていただきありがとうございます。」






さあ、サヨナラの時間だ。



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