第五十四話 ロリータを見てくれますか?
月明かりが私達を照らす。
ライトが全て消える、お客さんたちがおお!と声を上げた。
王都の楽団と村の楽器隊が演奏を始める。
月が照らしていた舞台に光が当たる。
そこにはダイヤ様が飾った花々が飾られており、幻想的な光景になっている。
舞台中央には大きな赤の扉があり、そこからコンコンとノックの音がする。
扉が開くと、ひょこっと顔を覗かせる少女が一人。リーリだ。
彼女が今回のストーリーテラーとなっていく。
リーリの衣装は赤ずきんをイメージした懐古ロリータだ。
嬉しそうに、前を向き舞台の花道を歩いていく。
自然を見渡し、花の匂いをかいでこっちまで楽しくなるような、口角があがってしまう。
その証拠にお客さんから「カワイイ……」と声が漏れている。
中央に立ってジャンプしてみせた少女は周りに誰もいないことに気づく。
慌てて扉の前に行き、可愛らしくノックをしてみる。
すると沢山の動物モチーフのロリータのモデルがばっと一気に登場してくるのだ。
美しいフリルやビーズがキラキラ光って、揺れて人々を魅了する。
子どもから大人まで様々な歳の人のロリータが扉の前に集まっている。
少女はうふふと笑いながら、みんなに語りかける。
「みんな、集まって!今日は収穫祭!一緒に楽しみましょう!
さあ並んで、素敵な姿で遊びましょう!」
わあと動物たちが集まって、一列に並ぶ。
そして、あの日マロン村の皆が見せてくれた踊りをしてみせる。
彼女の音頭で皆が顔を見合わせて笑いながら楽しそうな活気に満ちている。
会場の雰囲気は一気に盛り上がっていく。手拍子がどんどん大きくなり、声もあがっていく。
もうわかる。
会場も舞台も一緒に楽しむ準備が出来ている。
踊りを入れたのも、音楽を生演奏にした演出も正解だったな。
「ナナミ殿、もう凄いな!これは!」
袖裏でクラブ様が私に言った。
(席を設けると言ったのだが、ダイヤ様が心配でここにいると言って聞かなかったのだ。)
「はい、これからもっと盛り上げていきましょう!」
「ナナミ殿は最後の出番だったな。そこまでよろしく頼む。」
「はい。ダイヤ様、カガミさん。大丈夫そうですか?」
最後に出るのは私、ダイヤ様、カガミさんだ。
モチーフは自然の花々のモチーフでフィナーレを飾るに相応しいものになっている。
ふとダイヤ様を見ると。
顔面蒼白。
「ダダダダイヤ様!!!」
「ナナナナナナナミ!」
リハーサルまで笑っていらっしゃったのに!!!どうしたんだ!
びっくりするほど緊張していてはるーーーーーー!!!
「ダイヤ、落ち着いて。」
「えっと、その、どうしたら。」
「落ち着いてくださいダイヤ様!私がいますよ!」
「カガミが、そうね、いるわ。」
「そうではなくて!」
「ダイヤ様!」
カガミさんが、ぐっとダイヤ様の手を握った。
クラブ様がな!と声を上げたが、ハート様が羽交い締めにした。
「ダイヤ様、私はずっと貴方と共に参りました。
これからもかわりません。ですから、大丈夫です。
先程のように、いつものように。おそばにいます。」
きゃああああああああああ
まっすぐな顔で言ってるので、まるでプロポーズのような。
どうなっちゃうのってこっちが赤面してしまった。
「ずっと?」
「はい、貴方が望むならば。いつまでも。」
「なんだか、私のことが好きみたい。だね。」
なななななななな
「はい、お慕いしておりますよダイヤ様。ずっと。」
い、いまーーーーーーーー!!!
「言った!言ったなぁ!カガミ!」
「ダイヤ!返事は???」
「ハート!」
ダイヤ様は、ニヤッと笑って手を握り返す。
そしてカガミさんの顔をしっかり見て。
「知ってる。でも私もそうだって知ってた?」
こっちもショーが始まったみたいです。
次回予告!
どんどん進んで行くショー。
そして恋模様!?
第五十五話 ロリータを見てくれますか?2
お楽しみに!




