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30過ぎてロリータ着てますが、世界をオシャレに出来ますか?  作者: 大牧ぽるん


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第五十三話 開幕いたします

ありがとう。

マロン村に来て、この世界に来て私は幸せ者だと思う。



今まで持っていたものを認識出来た。

裁縫や衣装制作の技術、ロリータへの知識。

接客業をしていたからこその人への関わり方。

ロリータが大好きで手放せないという気持ち。



駄目なところも。

頑固なところ、意見がなかなか変えられなかった癖。

一人で抱え込んで他人を頼れなかったり、休む事をしなかったり。



学んだことも沢山あった。

人の優しさ、あたたかみ。

自然の豊かさに目を向けて見えたこともある。

人としっかりぶつかるのはとても体力もいること。

でも仲直りしたら、強い絆が生まれること。



全部、全部、もらってきたから。

最後くらい、私はこの世界に恩返ししたい。

関わってくれた人、これからロリータに触れる人、皆に。笑顔を。



忘れられない夜にしよう。



朝だ。王都に美しい日が昇る。

なんとなく私達は手を繋いでやってきた。

不思議と美しい景色。キラキラした太陽に照らされた木々を見て今日への期待が高まる。



「ついちゃいますね。」

「そうですわね。」

「やっちゃうんですね。今日。」

「あはは、そうですね。」

「今日は、少し、皆さんと約束したいんです。」



私は、小指を差し出した。



「今日は絶対、笑顔で。約束してください。」

「もう…… わかりました!」

「僕も、わかりました。」

「わかりましたわ!で、この小指は?」

「ああ、これは私の国での約束の作法?というのかな。小指を結ぶの。

指切りげんまん、嘘ついたら針千本のーます!ゆびきった!って。」

「針千本ですの!?」

「そうならないようにの約束なんですよ。」

「なんだか日本という国は怖い国なんですね……」

「まあ確かにそうかも。」

「でも破らなければ大丈夫でしょう?やりましょうよ。」



皆で小指をだし、ゆっくり結んでいく。慣れない感じではあるが形になった。

顔を見合わせて私は約束した。



「指切りげんまん、嘘ついたら針千本のーます!ゆびきった!」

「最後は笑って参りましょう!」

「はい、皆よろしくお願いします!」



四人で約束したんだ。絶対泣かない。笑って終わらせよう。



舞台では皆が待ってくれていて準備中だ。

和気あいあいとした雰囲気で祭りが始まるのだと気持ちが高揚する。

にこやかにクラブ様達も見に来ていらっしゃった。



「ナナミ、おはよう。いい朝だ。きっと今夜はうまくいくだろな。」

「はい、そう確信しております。」

「ダイヤも楽しみにしてるのよ、ねえ。」

「はい、ナナミ。今日はお願いします。」

「こちらこそ、あれ?カガミさんは?」

「今は舞台の最終チェックを任せている。護衛は今日はたんまりいるからな。

たまには違う仕事も経験させておきたくてな。」

「そうですか。」

「まあもうすぐ戻って来ますよ。アナタ。」

「まあ、今日は致し方ない!しかしだな!」

「もうお父様!」

「カガミはお前の護衛だからな!へへん!」

「アナタ?そこらへんにしておかないと、出ますよ?私のグーが。」

「ひいいい」



賑やかな国だ。とても明るくて、全てが順調。

私達が念入りに計画したので、何も問題なく進んでいく。



ロリータを着てリハーサルを行う。

華やかな舞台が出来上がっていく。細やかな修正が行われる。

このファッションショーの為に皆が一丸となっていたのがわかる。とても嬉しい。

そして思ってくれている、ロリータの未来を。

しっかりそれが伝わるものに仕上がっていく。

私は全てスローモーションに見えてきた。ゆっくりゆっくり。



時間が止まればいいのに。

そんな今更な事もぐっと胸にしまった。



「おお!これは素晴らしい!夜が待ち切れないな、ナナミ。」

「はい、ありがとうございます!」

「食事を用意していますわ、どうぞ皆様、パーティールームへ。」



クラブ様達のお好意で昼ご飯は収穫祭の豪華なランチが用意されていた。

本当に歓迎されているんだなと痛感する。

いつも優しくしてもらって、いいのかなと思いながらこそばゆい嬉しさがある。



ここでの食事はいつだって皆が笑顔だ。

笑い声がそこらじゅうから聞こえる。料理の感想を言い合ったり、今日のことを話したり。

ここでの当たり前が私にとっては安心出来る時間なんだ。



最後の食事。一つ一つ味わっていく。

絶対に、忘れたくない。



空もついに月が出てきて、夕暮れだ。

皆がロリータに着替えてくれた。



観客も国をあげての告知だったので満員御礼。凄い。

広い舞台にこれからロリータを広めるんだ。



「ナナミさん、音頭をお願いします。」

「はい。」



円陣を組んで私はゆっくり言った。



「ロリータで世界をオシャレにしましょう!」

「「「おーーーーー!!!」」」



ついに始まる。

私の最後の、大舞台。


次回予告!

開幕したファッションショー!次々に美しいロリータが披露されていく


第五十四話 ロリータを見てくれますか?

お楽しみに!

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