第四十六話 好きってまずいですか?
「さて、デザイン画を書いていきましょうか。」
「はい!」
「誰から書いていきましょうか。かきやすい方からで大丈夫ですよ。」
「では…… スティーブンさんから。」
「わかりました、私も書いているのでわからないことがあればいつでも声をかけてください。」
二人同じテーブルで デザイン画を書いていく。
カリカリ鉛筆で描かれていく音がする。ここから全ては始まる。
私はまずは他の人のデザインから始めていた。
森の中の動物との共存。この国で見た動物を思い出す。
村には羊や牛、馬が村長のところにいるし。
森にはうさぎ、リスや……あ。ヘビもいたな。あれは驚いた。
いろんなモチーフになる動物がいるから、どうしようか。あ、被ったらまずいか。
「フィー、動物のモチーフはお決まりですか?」
「あ、スティーブンさんはうさぎで考えていますわ。」
「へえ!それは意外な組み合わせかもしれませんね。」
「そうですか?彼はとても可愛いのでぴったりだと思うのですが。」
「え?スティーブンさんが可愛い?」
「はい!いつもとても真っ直ぐで、勉強熱心で、一生懸命な姿。可愛いですわ。」
「フィーはそう感じるんですね。凄くスティーブンさんの事見てますね!」
何気なく言ったつもりの言葉だった。
フィーは少し固まって、「あ、あ、あ。」と声を漏らした。
……なんだその反応は?
「ナナミは気づいていますの?」
「え、何をですか?」
「あの、ここだけの話にしてくださいますか?」
「え、あ、はい。わかりました。聞きます。」
フィーは深呼吸をして、私から少し目線をそらしながら言った。
「私、好いておりますの。スティーブンさんを。」
……フィーがスティーブンさんを、好き?
「へ!?!?!?」
「ああ、初めて人に言ったので!その!どうかご内密にしてくださいませ!!」
「それはそうしますよ!え!いつからですか?」
「ハート様に初めて認めていただいて、その時に、スティーブンさんも認めてくださった時に。
その、頭を撫でられてたのです。」
「ああ、ありましたね。……え!ほぼ最初の方じゃないですか!!」
「あー!!そうですわ!私、認めていただけたのも嬉しかったのですが。
男性に、その、頭を撫でられるなんて事がなく。気になっていって。」
知らなかった……本当に。
仲は良くなってくれたなあと思っていたが、まさかこんな事になってるなんて!
本当に、本当に気づかなかった。そんなに思っていたとは!
「スティーブンさん、最初は私に怒っていらっしゃったと後から聞きました。
でもあの日の私の姿を見て、認めていると教えてくださいました。
嘘なくお話していただける誠実さ、いつも助けてくださる存在。
日々そうやって接していただくうちに、目で追うようになって、意識してしまうのです。」
「そうだったんですね。」
「ナナミ、貴方は好きな方はいらっしゃるんですか?」
「あはは、私は今はいないよ。」
「じゃあ昔はいらっしゃったのですね!?その時、どのようにされていましたか?」
「へえ!?私ですか!?」
今はデザイン画の話をしているはずが、これって恋愛相談……に????
でもフィーは真剣なんだ。だってこんなに必死になって聞いてきてるんだから。
でも私、まーくんの事話す!?いや、そんないい話じゃないしなあ。
ええっと…… どうすれば!?
その時、扉がバーンと開く。
そこにはニヤニヤしたリーリが立っていた。
「リ、リーリさん!?!?」
「フィーさん、話は聞かせてもらいましたよ!」
「あわわわわわわ!ど、どうか!内密にしてくだいまし!!私、」
リーリは ガシッっとフィーの手を掴んだ。
「応援させてください!フィーさん!」
「え?」
「スティーブンさん、この村でもかなりモテるんです!」
「ええ!?やっぱりそうなんですね……」
「でも私、フィーさんならいけると思うのです!」
「リーリ、どこからそんな根拠が……?」
「ナナミさん。一応私はこの村でスティーブンさんを長く見ていました。
そしてSAKURAに所属し始めてもっと話すようになり理解度はあるつもりです。
何を考えてるかくらいはなんとなくわかっちゃうんですよねー。」
なんか!リーリが凄く生き生きしている。
というか、そこまで言うならリーリもスティーブンさんが……?
「あ、私はスティーブンさん好みじゃないので安心してください!」
「もう少し言い方なかったリーリ!?」
「だからこそ!応援したいです。」
「どうしてですの?私はまだまだ未熟者。
知り合ってそんなに時間が経ったわけじゃありませんのに。」
「フィーさんは、スティーブンさんの癒しなれると思うんです。」
「癒し?」
「フィーさんと話しているときは凄く少年に戻ると言いますか。
職人から一人の人間になる瞬間が多いのです。
心の底から信頼してらっしゃるんだと思います。私はそう信じてます。
フィーさんも、そうじゃないんですか?」
「た、確かに。勿論仕事の話はしますが……」
「ちょこちょこ、お二人で話してますしね。」
「え!?見ていたんですの!?」
「ふふふ。」
リーリ、よく皆を見ているんだな…… はははは。
だから気づいていたんだな。
というか、スティーブンさん!そうだったのか。
あの人の性格なら、自分から二人で話すなんてなさそうだし、こりゃあ、かなりの確率で、
両思いじゃないですか!!!!!!!!!!!
完全にダイヤ様とカガミさんに気を取られていたし、目まぐるしい日々で気づかなかった!
ちょっと悔しい!!!
「でも、今はデザイン画、頑張るんでしょう?
夜に三人でパジャマパーティーをしませんか?恋愛話沢山しましょうよ!」
「いいんですの?」
「はい。ずっと作業していても疲れますし、たまには休みがてら。
ナナミさん、いかがでしょうか?」
「私は構いません。それに息抜きはしたかったところです。」
「じゃあ決まりですね!じゃあ夜に。」
「あ、リーリは何をしにいらしたんですか?」
「ああ、すみません。じゃあ今から仕事モードでお話があります。」
三人で笑いながら、夜の約束を楽しみにしながら作業に戻った。
メリハリがあってとてもいい空気感だ。
でも、なんだかんだ。楽しみだな、パジャマパーティー。
次回予告!
修羅場真っ最中のパジャマパーティー決行!
女子三人のガールズトークが炸裂する。
第四十七話 好きっていいですね
お楽しみに!




