表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30過ぎてロリータ着てますが、世界をオシャレに出来ますか?  作者: 大牧ぽるん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

43/60

第四十三話 形はありますか?

収穫祭のファッションショーの打ち合わせの日々が続く。

出演者の目星が立ったところで、次はテーマだ。

夜に村のみんなで集まって決めているところだ。

季節は秋。少し落ち着いた雰囲気が合うかもしれないな。

収穫祭に合わせて、自然を題材にしたテーマにしたいとクラブ様からご提案があったので、

それに合わせたいいテーマ……



「動物もテーマに合わせるのはどうだろう?」



村長のギューが言った。

視線が一気に集まる。続けて話し始めてくれた提案がとても良かった。



「我々は自然に生かされている。力を借りて、命をいただいて生きている。

その感謝を込めたようなロリータなんてどうだろうか?」

「とってもいい案だと思います。共存...... うん。とてもいい。」

「私も賛成です。」



リーリの声にみんな賛同の声があがった。

村のみんなが同意してくれたのでテーマは「自然との共存」となった。

とても秋らしいものが作成できそうだ。



その次の日、また四人で話し合う時間。

明日王都へある程度企画を固めて報告する日となっているのだ。

ひたすらにアイディアとやりたいことを出し合っていく。

知識も増えたし、いろんな影響もあり皆それぞれにビジョンがあり、

新たな挑戦をしてみたいと意欲的だ。



リーリは大きな柄ものの布を織ること。

スティーブンさんは装飾物を作成したい。特に帽子をとのこと。

フィーはビーズの刺繍でドレスを彩ること。



様々な要望が次々に出てくる。こんな喜ばしいことはない。

それをベースに王都へ相応しいプランを考えていく。



そう、このショーの目玉はなんと言っても姫様のランウェイだ。



「ダイヤ様は庭の花が好きと仰っていました。

舞台上を森のような装飾にして、花を生ける。そのアドバイスを頂くのはどうでしょうか?」

「あら!それはとても素敵なアイディアですわね!良いと思います。」

「はい。後は少し派手な舞台の飾りが欲しいんですが……」

「あの!私、提案が!」

「リーリ。教えて!」

「扉を舞台の真ん中に置きませんか?」



扉。



「ナナミさんはいつも扉をあけて素敵なロリータを運んで来てくださいます。

最初の頃は村の皆扉が開くのをそれは楽しみにしていました。それを再現するのはどうかなと。

あの瞬間を沢山の方に感じていただきたいんです!」



確かにそうだ。

最初の頃は村の人、一軒一軒にロリータを届けていた。

扉をノックし、開けて。そこにはその人が着るロリータがあって……

きっと胸踊るほどワクワクすることだと思う。

それに森の中で扉があるのはとってもおしゃれで可愛いというシンプルな好みの話もある。



でも私にとって扉は日本とこの世界を繋いでくれた扉もある。

あの日、私の運命を変えてしまった不思議な扉。



重なって、私はこのアイディアがとても良いものだと確信した。

ロリータを着たモデルたちが、扉から現れ、ランウェイを歩く。

いい演出効果になりそうだ。



「それ、いただきます。」

「わあ!ありがとうございます!」

「リーリはこういうの考えるのが得意なんだな。僕さっきから聞いてばかりで。」

「うふふ。大丈夫ですよーこれから沢山がんばっていただきますからー」

「う、そ、そうだな。」

「あら?スティーブンさん。力仕事もありますわよ。たのみますわね。」

「あーもう!わかったってば!」



賑やかな光景。ずっと見られればいいのだけど。

そんな事もたまに考えてしまうほど、この日々が愛おしい。

私はそんな事を思いながら、会議を進めていく。



「大体まとまりましたわね。」

「はい、方向性は。あの、少しいいですか?」

「なんですの?ナナミ。」

「今回のロリータのデザインを半分、フィーにお願いしたいのですが。どうでしょうか?」

「へ?私が?」



瞬間、フィーが何かを察知した。

そうだ。私が居なくなった時にデザイナーがいない。デザイン画がないのは困るはずだ。

フィーにはこれまでも何枚かお願いしているが、場数はまだまだ欲しいところだ。

だから、半分フィーに任せる必要があると考えた。



「……わかりましたわ。ナナミがそういうなら。

しかし、今回はしっかり学ばせてくださいまし。全てを吸収するつもりで参りますわよ。」

「はい。お願いします。」

「おーほほほ!今回も素晴らしいデザインにしてみせますわ!ご期待くださいまし!」

「期待してますね、フィーさん。」

「僕も、フィーのデザインも好きだからな。」

「え?」

「え?フィーのデザイン繊細なところが沢山あるでしょう?そこが結構好みなんですよ、僕。」



フィーの顔が火を吹いたように真っ赤になった。



「そ、そんな褒めないでくださいまし!まだまだ修行の身ですから!」

「あれ?さっきまでの自信は?」

「もう!恥ずかしいですわーー!」



受け止めてくれる仲間。

一緒にいたいと思う気持ち。

でも、なんとなくあるサヨナラする決断。

沢山の感情を抱いたまま、この夜も更けていった。



この感情に名前はないけど、

この私が何かこの感情達を形にしたい。

まだどんな形かはわからないけど。見つけ出してみせよう。



次回予告!

王都での打ち合わせ、ダイヤ様とカガミの二人の要望を聞く四人。

そこでまた新たなアイディアが!


第四十四話 好きなのですか?

お楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ