第四十話 ご一緒いたしますね?
「クラブ様、ハート様。ご提案させていただきます。」
カガミさんが震えた声で、でもまっすぐした顔で言った。
「カガミ、言ってみてくれ。」
「ありがとうございます。では、恐れながら。
ダイヤ様と護衛である私が一緒に歩かせていただくのはいかがでしょうか?」
「か、カガミ!?」
「私はダイヤ様の護衛です。一番近くにいるのが当然かと思い提案しております。
私はダイヤ様をこれまで守ってきた実績がございます。
そしてこれからもその義務があると思っております。
それと同時に、友人であるダイヤ様のやりたいことを一番近くで応援させていただきたいと思う気持ちがございます。
あんなに外交も緊張されて、奥手だったダイヤ様が自ら人前に立とうとされています。
この気持ちを私一個人として見過ごすわけには参りません。
どうか私からもお願いです。ダイヤ様を舞台へ立たせていただけませんか?」
カガミさんの優しさがこもった言葉だった。
ずっとずっと一緒にいた、だからこそ応援したいんだという気持ちが伝わってくる。
後は、クラブ様たちがどう思うか……
「あらーいいじゃないアナタ!」
……ん?
「カガミが隣にいるなら何も怖いものはないわ。護衛について一度も危険な目にあったことは無いし、剣の腕もしっかりあるわ。何より、今の話を聞いたアナタ!
ダイヤを思っての立候補よ!なんていい子なのかしらー!」
「ま、ママ……」
「私は、賛成ですわ。適任とも言えますわ。」
ハート様は私を見てウィンクしてみせた。
……もしかして。ダイヤ様とカガミさんを認めているのか?そうもとれる。
クラブ様が「ぐぬぬ」と言って唸っている。
「いやあ、カガミに任せるのもなんだ。私が行こう。」
「嫌だアナタ。じゃあ二人を誰が守るというのです?」
「む、娘の事くらい私が守るわい!!!」
「おほほほ。面白い、虫一つであんなに飛び跳ねて逃げるアナタが?」
「ななな」
「カガミは護衛のプロなの?アナタ、おわかりになって?」
「む、むうううううう!!」
「さあ、許可を。アナタ。娘の晴れ舞台を一緒に見届けましょうね?」
「……よい!そうしよう!カガミ!」
「は、はい!」
ズンズンとクラブ様がカガミさんに詰め寄る。
こりゃあ嫉妬したただのお父さんになっているな……
「娘の護衛だ。隣を歩くのは。あくまで!頼んだぞ!」
「はい、仰せのままに。」
「いくら可愛い娘だからといって!可愛い服を着ているからと言ってだなあ……!!」
「はいはい、アナタ。嫉妬はそこまでにしましょうねー。
カガミ、ダイヤを頼みます。」
「お任せください。」
ハート様がクラブ様をなだめている。
本当にこう見るといい親子なんだなと思う。可愛らしい姿が見れたな。
「ダイヤ様は愛されておりますのね。素敵ですわ。」
「ほんと、お似合いだよな。」
「カガミさん、とってもかっこいいですよね!」
「本当に!あー私もあのような殿方を見つけないと……」
こっちはこっちで盛り上がってるな。
ダイヤ様はカガミさんと話している様子。
少し顔が赤く見える。
きっと、喜んでおられるな。そう思うと、このファッションショーは絶対に成功させたい。
そうだ、これだけの気持ちが詰まっている。
私達だけではない。国をあげての気持ちだ。
生半可なものは出来ない。今まで以上に気を引き締めていかなければならない。
「ところで、収穫祭はいつになりますか?」
「うむ、3ヶ月後だ!」
よし、充分な準備期間がある。
「では、クラブ様。最初に必要なものをお伝えしてもいいでしょうか?
布製品縫い合わせ機を10台ほど用意してほしいです。」
「かまわないが、何に使うのだ?」
「実は、ロリータは布製品縫い合わせ機で作っているのです。」
「な、なんと!そうであったか。わかった。一番いいものを用意しよう。」
「みんなも、なにかあるかな?」
私はみんなに聞いてみた。すると少し遠慮がちに、
「あ、後、沢山の布がみたいです。作っている方がいるなら勉強させていただきたいです。」
「うむ!手配しよう!」
「あの、お城の装飾物のデザインをされている方をお話なんて出来ますか?」
「当たり前だ。すぐに連絡しよう。」
「私も、刺繍をされている方がいらっしゃったら教えていただきたいですわ。」
「ああ、それも連絡しよう。」
次々にみんなやりたいが出てきている。凄い。
作りたいもののしっかりビジョンが皆あるということだ。
私は少し、皆の姿を見ながらぼんやり思っていた。
【私がいつ居なくなっても、ロリータはしっかり文化になっていける】
凄くなんとなくだけど。そう思った。
次回予告!
ついに計画していく収穫祭のファッションショー!
舞台について話していくうちに七海は次第に決心していく
第四十一話 計画を立てますか?
お楽しみに!




