第三十八話 豪華絢爛じゃないですか?
無事にロリータを渡せた私達は今、通された部屋の豪華な椅子に座っている。
長いテーブルには豪華な刺繍布がかけられていて、燭台があり、花が飾られていて。
それはもう貴族じゃん!みたいな光景だ。
当たり前だ、ここは城なんだ。豪華に決まっている。
問題は……
先程からびっくりする程の美味しい料理がフルコースで来ていて私達が食べていることだ。
何かはわからないが異常に美味しいのだ。おしゃれすぎて本当に何!
「さあどんどんお食べになってください、みなさん。」
私はとんでもない待遇にまだ追いついていない。
これは確実に、ロリータの褒美なのはわかっている。し、しかし!予想していなかった!
「こんな美味しい料理初めて食べました……」
「本当に…… 王家はやはり違うな。」
「私も、グリスに言ってシェフに出してもらいたいですわ。」
「そ、そうですね。あはは。」
とんでもなく緊張するー!テーブルマナー大丈夫かな?
なにか粗相をしないだろうか?
ああ、どうしたら……
「ナナミ、焦らなくていいのですよ。お好きに食べてくださいね。」
「あの、ハート様、クラブ様。」
「なんだね?ナナミ。」
お二人は、ゆっくりと食事を止め私の方を向いてくれた。
「この名誉は私達だけのものではありません。
たくさんの方々の力が合わさってのものです。ですから、みなさんにも褒美が……」
「ナナミ殿。」
クラブ様が立ち上がって私の下へやってくる。
王自らそんな風に動ける、それがこの国のやり方だと理解はしてきたが緊張してしまう。
「皆の褒美は別で用意させる。」
「え?」
「国をあげての式典を用意するように手配はしているのだ。」
「では……」
「今日は、このロリータを中心となって作ってくれたそなた達を称えるためにしている。
そう、個人的なお礼なんだ。私達が王家のものとしてではなく、一人の人間として、
あなた達にお礼がしたくてしていることだ。何も考えず受け取ってほしい。」
一人の人間としてのお礼。そんな風に思ってくださっていたなんて。
やはりこの国はあたたかいなあ。
「それに、娘のオーダー変更もしっかり聞いていただいたのですから。当然です。」
……ん?
「は、ハート様。そ、それは……」
「ごめんなさいねえ、まさかあなた達の村にまで押しかけるなんて……」
ば、ばれとるやないかーーーーーー!!!
バッとダイヤ様を見ると、ジェスチャーでごめんとされている。
わああああああああ!!これは!!!
「あ、えっと。その。ダイヤ様を怒らないでください。我々もオーダーを聞けて、その
助かった部分しか無いと言いますか。その、あの。」
「うふふ。わかっています。逆に感謝しています。
ダイヤが自分からこうやって意見を言うことが初めてだったので、私達も驚いていてね。
これも人生経験。まあ危ないところでしたから少しお灸を据えましたけどね。」
な、なにをしたの!?怖くて聞けない……!!!
「お母様、ごめんなさい。もうしませんから。」
「次は私達に先に言うことね。発想はわるくないのだから。」
「はい、わかりました。」
「だからナナミ達は気にしないでくださいね。」
私達は少しだけ引きつった顔で「はい」と答えた。
き、気になる。何をしたのか。
「あなた達もそんなイレギュラーが起こったにもかかわらず、全て対応してくださった。
本当にありがとう。おかげで素敵なロリータに出会えました。」
「私も、勇気を出してよかった。」
「だから、素直に今日を楽しんでくださいね。」
素敵な笑顔。その笑顔で安心した私達は顔を見合わせて今日は楽しもうと決めた。
「わかりました。では、今回はありがたく、いただきます。」
「そうしてくれ。」
「さあ、みなさん、どんどん料理が参りますから、お覚悟を。」
「そ、そんなに食べ切れるかしら?」
「うふふ。」
みんなで笑い合う。そんなこの空間が素敵だと強く感じた。
この国は優しく、そして人と人とのつながりを大切にしている。
全員が楽しそうに、嬉しそうに私達をもてなしてくれた。
ロリータのお礼でパーティーをしてもらうのは二度目だ。
最初にロリータを作った際にマロン村総出でしていただいた。
あの時と同じ、喜びや嬉しい感情がつまっている。
私はこのパーティーを全力で楽しむべきなのだ。
でも、お腹がはち切れないか心配だな。
デザートのチョコレートムースに差し掛かったところでクラブ様が口を開いた。
「さて、そなた達に提案があるんだ。」
「提案、ですか?なんでしょうか?」
「見ての通り、この城のものを始め、国のものはまだロリータを知らない。
そして着たことがないのだ。私は今回ロリータを着てみて胸踊る気持ちや、
便利さなどを実感している。そこでだ。」
クラブ様が立ち上がり、こう言った。
「みなにロリータを広めたいのだ!」
次回予告!
ついに国にロリータを広めたいと国王に言われた七海。
どうやって広めるのか話していく。
果たして可能なの?
三十九話 ロリータをどう広めますか?
お楽しみに!




