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30過ぎてロリータ着てますが、世界をオシャレに出来ますか?  作者: 大牧ぽるん


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第三十六話 豪華なロリータになりましたか?

明朝。

SAKURAのみんなに集合をかけ、、昨夜改めてダイヤ様からオーダーが入ったことを告げた。

私はいただいたオーダーを口にしデザイン画を見せると、みんながざわめきはじめた。



「これは豪華なロリータですね……」

「レースの数がとてもありますし。」

「リボンの飾りがこんなにも散りばめられている!」

「「ナナミさん、後七日で出来るんですか!?」」



うん!みんなもそう思うよね!

ダイヤ様のオーダーはフリルとリボンが存分に散りばめられた、

ロングのクラシカルロリータをイメージしたものだ。

三段の層に別れたスカートに、たくさんのフリルの装飾。

そこに様々な形のリボンをご所望されており、数がいる。

なにより、この長さのパニエは今用意がない。それも必要になってくる。

幸いアクセサリー類や靴は現在作ったものを好きになってくださったので大丈夫としても……



正直、七日でやる自信はあまりない。

しかし、ここで弱音ははかない。

私はまっすぐみんなに向かって宣言する。



「みんなで力を合わせれば大丈夫です、私も頑張ります。

だから、どうか協力してください!!」



みんなは顔を見合わせている。

不安な方も多いのだろう。しかし、ここは正念場。

やりきってみせる。私達なら大丈夫だ。

焦りや不安があるが不思議と冷静な自分もいて、なんとかするんだという気持ちが大きい。



あのキラキラした顔はあの日の私だったから。

初めてみるロリータに心踊り、勇気を出してここまで来てくれたダイヤ様に答えたいんだ。



「すみません、こちらのオーダーは私にやらせてください。

フィー、今私がやっているクラブ様とハート様の仕上げ。引き継いでいただけませんか?」



どうしても、私が作りたい。わがままなのはわかっている、でも、



「わかりましたわ。存分に作ってくださいまし!」



今の私なら、託す仲間もいる、意見を言える素晴らしい環境にいる。


「ありがとうございます。みなさんも少し協力してください。

最高の1枚を仕上げたいんです。」



そこからの私達は慌ただしくはあったが、穏やかに制作を続けた。

クラシカルロリータ。何度も何度も憧れていたジャンルだ。

こちらに来て何度も作ってきたんだけど、やっぱり私の中で憧れのテーマだ。

私はこの桜色のロリータが大好きで、甘い可愛いものを好んでいるんだけど、

それでも、クラシカルロリータをみると胸が弾む。



綺麗なブルーの小振りの花の柄。

私は、まず装飾を準備してもらう。

村の人にレースを青色に染めてもらい、スカートの段差のアクセントにする。

リボンはリーリを中心に女子チームが沢山の種類を作ってくれた。それを沢山散りばめていく。

王都で見つけた、綺麗なお花のビーズをボタンのように胸元に。

パニエもしっかり膨らむ三層のものを仕立てていく。ドロワーズも忘れずに。



時間に追われながら私は思い返す。

初めて、見たロリータ。注文してからいつ手に入るだろうとワクワクしていた。

バイト中も、学校でも、ご飯の時も。ああ、どこに着て出かけよう!

そのことばかりが頭を駆け巡っていた。

そしてそれは、私を前向きにさせた魔法でもあったのだ。嬉しくて、スキップなんかしちゃって。

部屋だって、お迎えするために凄く頑張って可愛いものを集めた。

あの服に相応しい自分になるために。凄く努力をしていた。



服は人を元気にするし、楽しませてくれる、そして勇気をくれるものだと思っている。

その力を私は誰よりも信じてきた。だからこの国にロリータを広められた。

確かに最初は私利私欲も合ったと思う。でも今は違う。



誰かの為に、生きていきたい。

誰かの為に、ロリータを作りたい。



この【SAKURA】が間違いなく、私をここまで育ててくれた。

なぜだかわからないままだけど、ここに来て私は幸運だった。

そのありがとうという気持ちも込めた一枚にするんだ。

それをみんながみんな見守ってくれていた。



「ナナミ、ナナミ!」

「ああ…… フィーどうしましたか?」

「もう、一日中ずっと作っていらっしゃったご様子でしたので。休憩に来ましたわ。」

「え?」



気づけば空に月が登っている。

そんなに時間が経っていたとは……


「みなさん、心配されてましてよ?少しは私とこちらでお話いたしません?」

「……もちろん。」



フィーの居る隣に腰掛ける。

少し、深呼吸すると落ち着いていくのがわかる。



「素敵なロリータになってきましたわね。」

「はい。とても、綺麗なものになりそうです。」

「ナナミのデザインはいつも素敵ですわ。当然ですわね。」

「ありがとうございます。そちらは順調ですか?」

「おーほほほ!私を誰だとお思いですの?もう終わりましたわ。」

「え!?」

「と、言っても、こちらの方々の助けがあったからですわ。」



そう言って、フィーは少し手を握り、下を向く。



「素敵な方々。ナナミのおかげでみなさん活気が戻ってきたと村長さんから聞きましたわ。」

「そんな……」

「貴方には、人を動かす才能がある。私もその一人ですわ。

だから、忘れないでくださいまし。仲間の存在を。」

「はい、でも今も助けられてますし考えていますよ?」

「爪が甘いですわ。そうではなく、

貴方が無理をしていることが仲間の心配につながっていますのよ?

自身の管理もしっかりしてくださいませ!」

「お、おっしゃるとおりで。」

「よろしい。」

「すみません。今日は休みます。」

「後3日。楽しんで行きましょう、ナナミ。」



楽しんで。

そうだ。最後までみんなで楽しんでほしい気持ちだってある。

少し、私は熱が入りすぎていたのかも。



「はい、楽しみます。このロリータを作ることを。」



後3日。しっかり作っていこう。一緒に。



次回予告!

ついに王都へロリータを献上する事になったナナミたち。

果たしてその出来は!?そしてダイヤ様は納得してくれるのか!?


第三十七話 ロリータを着てもいいですか?

お楽しみに!

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