第二十三話 困惑ですか!?
ロリータを着たみんなが団結したこの瞬間、橋の上は華やかな舞台となっている。
色とりどりのロリータを着たみんなが踊って、
フリルが揺れてスカートのきらびやかさや可愛さが伝わる。
男性たちが履いてくれているズボンはその概念がない王都の人にとって、目新しい。
ただ立っているだけでは計り知れなかった魅力が、どんどん伝わっていく。
そうか、これが私達のファッションショーになっているんだ。
みんながいたから出来た。また助けられた。
今はそれが誇らしく、嬉しく思う。
フィーと私は自分のロリータを懸命にアピールする。
しかし自然と、互いの良きところも口にしていた。
「こちらのフィーのロリータは刺繍やパールを編んで花を表現しています。
こんな美しいものを自分の身につけられるのはこの服ならではの特徴です。
自分まで華やかに見せてくれる素晴らしいロリータなんです。」
「ナナミはこのロリータをこの世界に広めた第一人者ですわ。
そのナナミが作るこの自国のデザインは目新しく、それに魅力的な袖ですわ!
隅々までお見えになってください。」
集まった人々は各々に「おー!」と声をあげる。
私達のロリータを見て、次々とバラの花を投票していってくださる。
この空間に活気が生まれた。
先程までとはまるで違う世界。これがロリータの、私たちの努力の証。
赤い花瓶にも、青い花瓶にも同じくらいの数のバラが入ってきた。
「なかなかやりますわね。」
「そちらこそ。嬉しいです、こんな戦いが出来ることが。」
「私、楽しいですわ。誰かと競い合うのはこんなにも胸が踊りますのね。
……私、幼い頃から箱入り娘でして。誰かと交流を持つことに制限がありましたの。
好きな刺繍とパール遊びだけが私の楽しみでしたわ。
でも、ある日のお出かけで。お見かけしましたの、ロリータを。」
フィーは心をひらいてくれたのか、自然と自分の話をしてくれた。
周りの賑やかさとは違い、ゆっくり、優しい声色だ。
「ぱあっと世界が広がるのがわかりましたわ。
だって、あまりに美しかったから。
私もああなりたいです。そう思いました。」
「そこから、ここまでどうやって…?」
「実は、マロン村一丸となってロリータを作っているのはすぐわかったので、
その、通ってましたの。マロン村に。」
「えぇ!?」
「お恥ずかしい話ですが、声をかけることがその頃は出来なかったんですの。
だから、めいいっぱい観察して、調べて。
自分なりに作っていたのです。」
それであそこまでのものを……?
才能ありすぎではないか???
そんなことを考えていると、フィーは私の手をとった。
「感謝していますわ。ナナミ。
今私、とっても楽しいんですもの!」
こんな人に出会えたのは私にとって財産になる。
胸に様々な感情が込み上げる。
嬉しさ、ライバルへの敬意、愛おしさ。
私はこの戦いをまだまだ楽しめる。それがどれ程幸福か。
「私も感謝します。フィー。最後まで駆け抜けましょう!」
「ええ!」
そんな話をしていたら、橋の袂から聞いた事もないどよめきが聞こえた。
同時に、見たこともない程豪華な装飾の馬車がこちらに迫ってきた。
馬も毛並みも美しく、御者も気品のある方だ。
だが、やっぱり服はぼろ布なので締まらないなぁなんて思ってしまう。
「王族の馬車ですわ……」
「はい、フィー様。」
「えぇ!?王族!?」
まさか、私達怒られるのか!?
一気に冷や汗がでる。怖すぎる!!!!
「国民よ!女王様のおなーりー!」
……女王!!!!!!!!!!!!!!
馬車から、鼻が高く、それは凛とした女性が降りてきた。
この人が、女王!
ざっとみんなが首を垂れる。私も慌てて合わせる。
一体……なにが起きているの……!?
緊張感。
空気が一気に変わるのがわかる。
オーラが、見えてないのにビンビンに伝わってくる。
私たち、どうなっちゃうの?
次回予告!
七海達の前に現れたのは王都アニスの女王様!?
一体目的はなに!?
勝負は一体どうなるのか!
第二十四話 女王様、なんですか?
お楽しみに!




