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30過ぎてロリータ着てますが、世界をオシャレに出来ますか?  作者: 大牧ぽるん


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第二十一話 決戦の時ですか?

決戦の日の朝。私とリーリ、スティーブンさんは王都アニスにいた。

フィーもニヤリと笑って私達を待っていた。

互いに勝負ロリータを着てくる約束だったので着用していて、

示し合わせた訳ではないがお互い布を羽織っていた。



「あら、ナナミ。おはようございます。お互い勝負服は直前まで秘密ですのね。」

「そうですね。」



自信満々のフィーの隣には、いかにも執事だろうなというイケおじが立っていた。

彼も恐らくフィーの作ったであろうロリータを着ていて、白髪、高身長の方だ。

みるからにお嬢様って感じの子だし、妙に納得してしまった。

彼は私と目が合ったら、丁寧な歩き方でこちらまで来て上品に微笑んでみせた。



「ナナミ様、お初にお目にかかります。私はフィー様にお使いしているグリスと申します。

お話お伺いしておりました。」



大人な雰囲気に圧倒されそうになるが、私も代表で来ているのでしっかり挨拶しなければ。

私は少し緊張しながら頭をさげた。



「初めまして。私が七海です。こちらはブランドの仲間のリーリさんとスティーブンさんです。」



二人も私と同じく少し緊張したような、警戒したような空気で挨拶していた。



「皆様、どうかリラックスしていただければと思います。

フィーさまは皆様と仲良くなりたいと思っております。」

「そうなんですか?」

「二人とも、大丈夫だよ!フィーも悪い人じゃないから!ね?」



私がフィーの方へ振り向くと彼女はニヤリと笑っている。

……嫌な予感が。



「あらあら、ナナミの腰巾着がお二人もいらっしゃるわね!

私に勝てるのかしら?おーほほほほ!」

「……ナナミさん、僕怒っていいですよね?」

「わースティーブンさん、落ち着いて!」

「ちょっとフィー!!!!」

「お嬢様、仲良くなりたい方にそのような言い方は相応しくありません。

常に自分が一番偉いとお思いになるのはおやめください。」



フィーはグリスの言葉を聞いて少し考えてから、



「えっと……

私、あんまり人とおしゃべりしなかったからどうお話したらいいかわからなくて……。

不快にさせたようですわね、申し訳ありませんわ。お許しください。」



と素直に謝罪をした。

あまりにも迅速な対応にスティーブンさんも意気消沈してしまう。

でも、ここまでしっかり考えてきてくれていたようで、フィーに言葉をかけた。



「あの、フィーさん。僕達もナナミさんからお話を聞いています。

貴方を尊敬していると、その上の勝負だということも。

だから、その。僕達もきっと仲良くなれるといいなって。思ってます。同士ですから。」

「スティーブンさん……。」

「でも、ナナミさんは負けません!必ず勝ちます。」



スティーブンさんの瞳から真剣さが伝わったようで、フィーも今度はニコッと笑ってみせた。



「はい!私も負けませんわ。

ナナミさん、素敵なご友人をお持ちですね。羨ましいですわ。」

「ありがとうございます。」

「お嬢様そろそろご準備されてはいかがでしょう?ナナミ様もご一緒に。」

「そうね!ナナミ、行きましょう!」



そう言って連れてこられたのは、橋の上の大広間のような場所だった。

確かにここなら人も通るし、集まりやすいのかもしれない。



「さて、お互い渾身のロリータをお披露目いたしましょう!」

「そうですね、楽しみです!」

「今回は自信作ですの。お見せしますわ!」



勢いよく羽織を頭上高く舞い上げ、フィーのロリータは姿を表した。

私達は思わず「わあ」と声が出た。

驚くほどのパールが縫い付けられている豪華なジャンパースカート。

それはよく見ると器用に花の形やリボンの形に編み込まれているものもあり、

見事な装飾となっている。

そして更に注目すべきは襟元の黒色の糸で紡がれた刺繍だ。

なんて細かいものなのだろう、リーフとツタが美しいデザインでロリータを彩っている。

以前見たときも思ってはいたが、フィーは繊細な工夫を凝らしていた経験があるのだろう。

でなければこんな美しい造形のものはなかなか出来ない。



驚くのはこのロリータは最近服という概念を持った少女が制作していることだ。



「フィー、とても美しいです。凄いです!」

「ナナミさん、敵なのにお褒めいただき嬉しいですわ。

私はロリータはまだ初心者。

なので、得意なパールの細工や刺繍を中心に華やかさを演出いたしました。

きっと、この技術は、ナナミさん。貴方にも負けませんわ。」

「本当に綺麗です。こんなロリータもあるんですね。」

「はい、この技術は確かに唯一無二ですね。」



スティーブンさんとリーリも興味深々だ。

私はとてつもなくいいロリータを見て、負けるかもしれないという局面なのにもかかわらず嬉しくてたまらなかった。

こうやってロリータがこの世界に確かに広まっていること、

それに加え新たなスタイルが確立されようとしていることに私は胸が高鳴った。



ああ、良かった。

私はここでロリータを作っていて良かった。



「ナナミさん。そろそろこちらもお見せしたほうが良いのでは?」

「そうだね。フィー、見て!これが私のロリータだよ。」



私はゆっくり、羽織を下げてロリータを丁寧に見せた。

和装ロリータの袖がしっかり見えるように、腕を肩まであげ布をあげてみせる。



「また見たことない形ですわ……

袖布が長くて、不便そうなのにおくゆかしさと言いますの?キレイですわ。」

「ありがとう。私が住んでいた国の服をロリータにしたものなの。

不思議な形だけど、すごくお気に入りなんだ。」

「はい!やはりナナミは凄いですわ!毎度驚かせてくださいますもの。」



フィーも私達と同じように相手のロリータを評価してくれた。

こんな人にここで出会えたのが私はたまらなく嬉しい。



「では、早速対決ですわ。グリス!」

「はい、では、対決について説明させていただきます。

こちらにご用意させていただいた赤の花瓶と、青の花瓶がございます。

王都の方々には好きなロリータの方にこちらのバラを入れていただきます。

日没までにバラがより多い本数入っていた方が勝ち、という風になっております。」

「おしゃれですね!わかりました。」

「ナナミ!結果がどうであれ、正々堂々戦いましょう!」

「はい!よろしくお願いします!!」



私達はお互いにいいものを作った。

それを全員がわかっている。

どんな対決になるか、その場にいる私達は期待しかない状況だった。



しかし、あれから三時間経った今。

私達は現実を見ている。



「ど、どうしてですの?」


次回予告!

二人の渾身のロリータに見向きもされない現実に戸惑うフィー。

決戦はどうなてしまうのか?


第二十二話 諦めてしまいますか?

お楽しみに!

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