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半透明の守護者 硝子と少女  作者: 宙色紅葉
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守護者の目的

モチンッ、と陽気な通知音が鳴る。

「響~、それ、さっきから鳴ってるよぉ? 確認しなくていいの?」

「いいよ、どうせ赤崎だし」

 スマートフォンに一瞥もくれることなく課題に取り掛かる。

昨日帰宅してから、それなりの頻度で送られてくるメッセージに毎回返信するのが面倒臭くて、放置していた。

大したことは書かれていないのだろうし、それよりも今は、課題を終わらせることが優先だ。

「赤崎~? あの赤崎ぃ? 響、赤崎と仲良かったっけ~?」

「というか、金森、睨まれてたよね?」

 友美と友子は不思議そうにしており、金森は苦笑いをした。

「まあ、友達? になったのよ。なんか誤解? してたみたい」

「ふ~ん。まあ、響が良いならいいけどさぁ。付き纏われてるとかじゃないの~?」

「いや、多分、大丈夫だよ」

 そう伝えても、友美は不満げだ。

 それに対し、友子の方はどうでも良さそうにシャープペンを回している。

「ま、別にいいじゃん。あー、昨日睨んだり悪口言ったりしたの、謝った方がいい感じ?」

「謝ってもいいけど、ヘタに話しかけるとよく分からないあだ名付けられるよ。魔眼の君、とか」

「それ、金森の?」

「やっばぁ」

 二人が引いていくのが、手に取るようにわかる。

「「赤崎に謝っといて」」

「おっけ~」

 適当に返事して、一気に課題を終わらせる。

朝の静かな教室で、MOTINの通知音だけが響いていた。


『今日のお昼は、赤崎君は来ないのかな?』

 教室の時計を見て、ため息を吐く。

基本的に赤崎は、清川の元に訪れる時は昼休みが始まって五分以内には来ていた。

五分以上経っても来ないということは、今日は、赤崎は清川と一緒に昼食をとらない、ということを意味している。

 噂では、赤崎はやたらと清川に付き纏っている、ということになっているが、実際にはそうでもなかった。

最初の方は毎日のように清川の元に訪れていたが、入学から一か月が経つと訪れる頻度が減り、今では週に二、三日しか会いに来ない。

それに、一緒に昼食をとるといっても、赤崎は弁当を食べ終えるとすぐに何処かへ行ってしまう。

そのため、二人は少し世間話をする程度の仲で、清川も特に赤崎を迷惑に感じてはいなかった。

「お前に何かが取り憑いているかもしれない」系の質問は返事に困ったし、自分の背後を見つめていたり、そちらに向かって話しかけているのは、正直、気味が悪かった。

だが、クラスメイトが心配するような付き纏いや嫌がらせ行為は受けていない。

『今日は、一人でご飯かぁ』

 学内に特に親しい友人のいない清川にとっては、大して親しくなかろうとも、多少気味の悪いところがあろうとも、一緒に昼食をとってくれる赤崎の存在がありがたかった。

一人きりで昼食を食べながら周囲の生徒達が談笑する声を聞くことほど、惨めで孤独を感じる時間はなかったからだ。

少しでも気分を変えようと教室を出て、なんとなく廊下の窓から外を眺めた。

一階の校舎裏にあたる場所で、金森がお弁当を広げている姿が見える。

『金森さん、どうしてあんなところに? いつものお友達は、どうしたんだろう?』

 金森も昼食はボッチ飯派なのかとも思ったが、清川はすぐにその考えを否定した。

金森は常に誰かしらと昼食をとっているイメージで、一人で寂しく食事をする姿は想像ができなかったからだ。

では、友人とケンカでもしたのだろうか、とも思ったが、午前に友人たちと仲良く談笑する金森を見たため、そうとも考えにくい。

最悪虐められているのか、とも思うが、やはり想像がつかない。

『あそこに行ったら、迷惑かな?』

 一昨日コンビニで話した金森の様子を思い出す。

気さくで明るい様子は想像した通りで、平静を装って普通に会話をしていたが、本当は彼女と会話できたことが嬉しくて仕方がなかった。

入学時から金森のことは気になっており、本当はもっとたくさん話をしてみたかったのだが、金森が友人たちに囲まれているのを見ると、いつも尻込みしてしまっていたからだ。

『チャンス、なのかも……』

 どのような理由で、金森が校舎裏で食事をしているのかは分からないが、話しかけるなら、彼女の周りに誰もいない今しかない。

 そう思うと、立ち止まってはいられなかった。

『神様、見守っていてください』

小さく祈ると、清川は和柄の可愛らしいランチバッグをぎゅっと握って、校舎裏の方へ駆け出した。


 あっという間に昼休みになり、金森は校舎裏の日陰で座り込んでいた。

その手には水色の弁当袋がある。

昼休みの人気スポットは、教室や中庭、ラウンジなどで、校舎裏を訪れる生徒はほとんどいない。

そのため、守護者との会話場所に校舎裏を選んだ。

 人気が無く、静かであるため、土や雑草を踏みしめる足跡がよく響く。

よって、金森はすぐに来客に気が付くことができた。

「来たぞ。守護者は……」

「後ろにいるよ」

 黒い布地に赤いドラゴンの絵がプリントされている弁当袋を提げて現れた、赤崎の真後ろを指差す。

「うおっ」

 思ったよりも近くにいたことに驚いたのか、赤崎が飛び上がって驚いた。

 そのまま金森の隣に並んで座ると、二人の目の前に守護者が座る。

「まともに言葉を交わすのは、今日が初めてになるか……昨日のことは金森響から聞いているが、改めて聞かせてもらおうか」

 赤崎が指を組んで格好つけるが、基本が体育座りなので正直、格好悪い。

「はい。と、言いましても、あまり話せることはないかもしれませんが。申し訳ありません」

「いいさ。まずは、守護者の望みを改めて聞かせてもらおう」

 「はい」と返事をすると、守護者は居住まいを正した。

透明度が極めて高い水餅が体を折って正座し、背筋を伸ばしているように見える。

「私の望みは、自分自身の記憶を取り戻すことです。何故、藍を守っているのか、知りたいのです」

「では、自分自身について理解していることは何だ? お前には記憶がないと聞いたが、逆に覚えていることは何だ?」

 赤崎はずっとテンションが高く、偉そうだ。

その様子が癇に障った金森は、赤崎の弁当からこっそりから揚げを盗んでみたが、彼は気が付かない。

そもそも、自分の弁当に一つも視線などくれていないようだ。

「私が理解していること、ですか。まず私は、自分自身が人間ではないことを知っています。そして、自分の誕生に藍が関わっている、ということも分かっています。記憶は……気が付いたら藍のことを守っていたので、ええと、藍がランドセルを背負って学校に行っていた時くらいからの記憶はあります。それ以前の記憶と、自分が生まれたときの記憶がありません」

「清川さんが?」

 二人は、守護者と清川の関係は一方通行で清川は守護者の存在を認知すらしていないのではないか、と考えていた。

しかし、清川が守護者の誕生に関係しているということは、二人の関係は一方通行のものではないのだろうか。

基本的に質問は赤崎に任せて、金森は聞きに徹しようと思っていたが、つい口を出してしまった。

「はい。私たちは人間とは違って特殊な生まれ方をします。その生まれ方は様々ですが、最も多いのは、自我が薄い状態の時に、人間の強い感情や願いに触れ、実体をもつようになる、というものです。自我が薄い状態の私たちは非常に弱く、すぐにでも消えてしまうようなもので、その頃の私は『私』ではないのです」

 少しややこしく、金森は頭の上に疑問符を浮かべるが、赤崎は頷きながら話を聞いてメモまで取っている。

「つまり、自我が薄い頃のお前が、何らかのきっかけで加護を受けし者の願いや強い感情に触れ、結果、今の『守護者』という存在が誕生した、というわけか。しかし、何故、加護を受けし者が、お前の誕生に関わっていると言いきれるのだ?」

 清川以外のきっかけで誕生し、別の事情から清川の守護をするようになる、という事だって有り得る。

清川を守っているからといって、その誕生に清川が関わっていると思い込むのは少し危険かもしれない。

「か、加護を受けし者? 藍の事ですよね? 前は憑りつかれし者だったのに……」

 そう呟いてから守護者は軽く咳払いをし、続きを話し始めた。

「正直、根拠があるわけではないのです。ただ、そう強く感じるというだけでして。その、私が私であるのは、藍がそう望んだからだ、と」

 そう思うのです、と続けた言葉は弱弱しかった。

「そうか。ならば仮に、守護者が本当に加護を受けし者から生まれたとすれば、思い出すべきことは加護を受けし者がいつ、どこで、何を願ったか、又はどのような強い感情を持ったのか、だろうな」

 守護者が無言で頷いた。

 皆押し黙ってしまって、守護者は俯いている。

赤崎は難しい顔をして何かを必死に考え込んでいるようだが、金森は気まずい沈黙が嫌になったのか、それとも飽きてしまったのか、赤崎の弁当の中身と自分の弁当の中身を交換して遊んでいた。

ちなみに、両者とも、まだ弁当に口をつけていない。

「う、む。仮に、守護者が加護を受けし者を守る理由が、守護者の誕生に深くかかわるものであるのならば、初めて守護者が加護を受けし者を守った時のことを、思い出せればいいのではないかと思う」

 守護者は神妙な面持ちで話を聞いているが、金森は煮豆とコーンを交換するという高度な遊びに真剣だ。

「これは、あくまでも俺の想像だが、加護を受けし者は、守護者に守られるようになる以前に何か危ない目に遭った。そしてそこで何か強い感情や願いを抱き、それを元に守護者が生まれたのではないかと思う。そうであるからこそ、守護者は加護を受けし者を守り続けるのではないかと思うのだ」

 赤崎の言葉に、守護者は頷き、考え込む。

「そう、なのかもしれません。何故か、藍のことを守らずにはいられないのです。ですが、一番古い記憶、ですか……」

「ああ、そうだ。しかし、我武者羅に思い出そうとしても難しかろう。そこで提案なのだが、加護を受けし者を守護した記憶を少しずつ辿っていく、というのはどうだろうか。例えば自宅の鍵を無くした時、闇雲に鍵の在りかを探すのではなく、以前に鍵を使った時から己の行動を振り返り、自分が何処に鍵を置いたのか思い出そうとするだろう? それと同じようなものだ」

「他の記憶から無くした記憶へ辿っていく、ということですか」

 赤崎の的を射ているのかいないのか微妙な例えから、本人の言いたいことを上手く読み取ったようだ。

赤崎は満足げにうなずいている。

 少し先が見えてきたところで、金森は不意に浮かんだ疑問について聞いてみることにした。

「清川さんはさ、守護者のこと知ってるの? 正直、見えてすらいないように思えるんだけれど」

 守護者は少し落ち込み気味で、コックリと頷いた。

「ええ、その通りです。以前も少し話したかもしれませんが、藍に私の姿は見えません。当然、私のことも知らないと思いますよ」

「それなのに、誕生には関わるの? そういうのって、よくあることなの?」

 見ることや言葉を交わすことができないような存在を、その時々の感情で生み出してしまうことがあり得るのか、疑問が浮かんだのだ。

「一概には言えませんが、まあ、わりと、よくあることのようですよ。多くの人間の恐怖がもとで、恐ろしい怪物のような存在が出来上がることもあるようですし。ただ、一人や数人から生まれた場合で、その存在の根源が生みの親ともいえる人間たちに基づいている場合、その人間たちとの間に、一種の契約が結ばれるようです」

「契約?」

 その言葉に、赤崎が瞳を輝かせる。

しかし、金森は話が複雑化しそうで頭を抱えそうになった。

彼女の脳の容量は、あまり大きくない。

「はい、と言っても、そんなに大げさなものではありませんよ。生みの親である人間の願いを叶えられるように行動し、その対価に存在するために必要な力を分けてもらう、というものです。そして、この契約は望む、望まざる、意識する、せざるに関わりなく結ばれます」

 あまり話を理解していないのが見て取れたのだろう。

守護者は心配そうに金森を見た。

後から解説付きで、話を赤崎から聞かせてもらおうと思っている金森は、先を促すように頷く。

「そうして契約を結んだ場合、契約は人間の側が生み出した存在を、明確に意識しなければ果たされないものなのです。つまり、私でしたら、藍に存在を認めてもらうことで初めて藍から力をもらい、藍を守れるようになる、ということです」

 契約の前提には、生み出した側の人間の認識が必要になる、ということのようだ。

「では、今のお前のようになると契約はどうなるんだ? 破棄されるのか? それに、契約の不履行に、ペナルティはないのか?」

「まず、契約が果たされないだけで破棄にはなりません。人間の側が生み出した存在について思い出し、再び認識することができれば、契約は再び果たされるようになります。それと、ペナルティは、あります。我々の側だけに、ですから、藍には危害が加えられないことが不幸中の幸いですが」

つまり、守護者は清川が思い出すまでは彼女から力をもらえず、また、守ることもできない。

そして、この状態は清川が守護者を思い出し、その存在を認めるまで続く、ということだ。

加えて、契約の不履行には守護者の側にだけペナルティがあるらしい。

契約とは、随分と彼らにのみ不利なモノのようだ。

 それに気が付いて眉をひそめる赤崎の隣で、ふと、金森に疑問が浮んだ。

「でも、前に自転車を止めてたよね?」

 あの夜のことは、今でも鮮烈に思い出すことができる。

あれは紛れもなく清川の守護であり、力の行使だったはずだ。

「そうなのです。何故かはわかりませんが、私は藍の記憶などに関わらず力が使えるようなのです。通常ではありえないことだと、友人から聞かされました」

「じゃあ、取り敢えず、今のままでも大丈夫なの?」

 理屈は分からないが、中途半端にでも契約は果たされている状態なのだろうか。

 それなら不履行によるペナルティはないのかな? と安心していると、守護者が困ったように触手で頬を掻いた。

「その、それが、そうとも言い切れないのです。私たちは本来、とても脆く儚い存在で、誰かに見つけてもらわれなければ、長く存在することができず消えてしまいます。それでも自我を持ち、実体を得ることができれば多少は頑丈になります。なりますが……」

 ここで、守護者は言葉を切った。

ややあって、重い口を開く。

「しかし、実体を得ても、基本は変わらないのです。もしも私が藍から存在を認識されず、他の人間にも全く認識されなくなってしまえば……藍を守る理由が分からなくなって、藍を守ることすらやめてしまえば、私は私でいられなくなってしまうでしょう。それは、私という存在の『死』でもあります。契約は、それそのものが私たちのアイデンティティであり、私という存在の命綱なのですから。契約の不履行は、我々の死に直接関わることなのです」

 これが、ペナルティの内容だった。

 赤崎と、少し遅れて金森の顔から血の気が引いていく。

「え? やばいじゃん! やばいじゃん!!」

「はい。これが、以前、金森さんに聞かれた『どうして自分が生まれた理由を知りたいのか』という質問への答えでもあります。私自身、改めて考えなければ気が付けなかった事なのですが」

 守護者は淡々と説明し、その声に焦りのようなものは感じられない。

冷静な守護者の態度に、むしろ金森と赤崎が焦ってしまう。

「いや、本当にまずいじゃん! 焦りなよ! 死んじゃうかもしれないんでしょ!?」

「ですから、昨日貴方に縋ったのですが……」

 守護者の真っ当なツッコミは、金森には届かない。

「死んでしまうだと!? なぜ今平気なのかは知らんが、一刻も早く不安定な状態を解消すべきだ! お前のような善良なものが死ぬなど、あってはならない!」

「あ、ありがとうございます。ですから落ち着いてください、ほら、座って」

 二人で立ち上がって守護者に詰め寄ると、守護者は焦ったような声を出して座るように促す。

「これが焦らないでいられるわけないでしょ! ねえ、赤崎!」

「当たり前だ! なぜもっと早くに相談しなかったのだ」

 座ったままでも興奮は冷めず、二人は頷き合っている。

「いえ、赤崎さんは出会った頃、すごく好戦的だったでしょう? あの爪楊枝みたいなの、本当に痛かったですし」

 刺されたのだろうか、守護者は触手でもう一本の触手を擦った。

「爪楊枝ではない! 愛刀のグリーンドラゴンソードだ。しかし、そうだな、その頃のことは謝罪しよう。しかし安心しろ! 今は仲間だ」

「そうよ、私だって、人の命が関わっているのに、面倒だから嫌なんて言わないわ! むしろ協力する!!」

 二人は一本ずつ守護者の触角を掴んで、座ったままで詰め寄っている。

「ありがとうございます、ありがとうございます。ですから、落ち着いてください」

 守護者は何とか宥めようとするが、あいにく二人はヒートアップするばかりで落ち着く気配が無い。

「ねえ、何とかして、守護者の存在を清川さんに知らせる方法はないかな?」

 守護者の命を守るには、清川が守護者の存在を思い出すことが手っ取り早いだろう。

 しかし、守護者はぎょっとして首を振る。

「だ、駄目です。藍は、ただでさえ怖がりなのですから。私のような得体の知れない存在、怖がらせてしまいます」

「いや、名案だ。金森響! それに、恐らく記憶を探るには、加護を受けし者の協力も不可欠になる。守護者のことを信じてもらえれば、話も早い」

「な、なにを言っているのですか。駄目です。藍は巻き込めません」

 守護者は二人の手を振り払おうとするが、ギュムッと握られてしまって離れそうにない。

「何がだめなのよ。アンタ、守護者でしょ。別に怖いことないわよ」

 危害を加えてくる化け物ならいざ知らず、自分を守り続ける存在が怖いということもないだろう、と断言するが、守護者は苦笑いを浮かべて首を振った。

「いや、金森響の言う通りだろう。第一、今回の事柄は守護者と加護を受けし者の二人に関わる話だ。片方だけでは話に欠陥が生じる。重大なことを見逃してしまうかもしれんぞ」

「それに、守護者が記憶を探っている間、清川さんは一人になるのよ。耐えられるの? 一緒に行動すれば、記憶について探る間も、清川さんのことを守れるのよ」

 口々に説得していると、初めて、守護者が動揺して固まった。

「う、それは……ですが、やはり巻き込むことはできません」

 そう言いながらも、守護者の力が鈍る。

「私たちが言うことではないかもしれないけれど、巻き込むも巻き込まないもないと思うわ。だって、あなたの行動や記憶には、常に清川さんが関わっているのでしょう? 清川さんだって、当事者じゃない」

 赤崎も、うんうんと頷き、続けて言葉を出していく。

 二人の興奮した声は、随分と大きくなっていた。

故に、背後から近づいてくる人物に気が付かなかった。

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