黒髪の泥使いが世界を殺す。

『ごめんね』

プロローグ

『プロローグ』

「やっ……」

　怯える声。なんだ？　何が起こっている？

「お前だろ？　俺の食いもん盗んだやつぁ」

「違う、俺じゃない！」

「うるせぇ。じゃあテメェの手と口についたものは何だよああ？」

「だからこれは……ッ！」

　何が起こっているのか気になる。真っ暗だから声だけが頼りだった。

　奥の方で何やら男二人が言い争っている。

　静かにしてほしいなぁと思いつつ、自分はその声の方向に向かって歩いて行った。

　歩いて、歩いて、歩いた先に──

「絶対に来るな」