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第十五話 将来のお姉ちゃん!?

更新遅れて申し訳ありません!


実は最近リアルがかなり忙しく、執筆活動がなかなか出来ない状態にあります……。

更新頻度は来年の二月か三月頃まで遅いかもしれませんが、エタるつもりは一切ありません!

気長に待って頂ければ嬉しいです。


それと久々の執筆で中々筆が乗りませんでした……((((;゜Д゜))))

 こんにちは。櫻葉栄太郎の妹、櫻葉楓って言います。


 お兄ちゃんと同じ大ノ宮高校に通うピチピチのJK1。ちなみに彼氏募集中。


 最近お兄ちゃんが楽しそう。


 つい数ヶ月前までは彼女さんに振られた事がきっかけでゾンビみたいな顔をしていたのに、最近は生き生きしてる。


 しかも最近、毎日夜に誰かと部屋で電話してるんですよ!毎日ですよ毎日!


 そんな夏休みが始まって一週間が経ったある日の事。お兄ちゃんと一緒に夕飯の食材を買いに行ったスーパーの帰りに私は、運命的な出会いを果たした。

 スーパーの近くは夕陽に包まれて、日が沈むのと同時にセミの声も静かになっていく。そんな時でした


「あれ?春咲さん?」

「さ、櫻葉くん!?」


 お兄ちゃんのどこか高揚した声。私はお兄ちゃんが向いている方に視線をずらした。

 お兄ちゃんが声をかけたのは、綺麗に流された黒いセミロング、白いワンピースを着て、小さな顔に合わない大きな丸眼鏡をかけた女の子。


 誰だろ。



 ****



 私達はスーパーの近くの公園に訪れた。お兄ちゃんが私を紹介してくれる。


「春咲さん、こいつが俺の妹の櫻葉楓だ。んで楓、この子は俺のクラスの友達の春咲日向さん。二人とも互いに仲良くしてやってくれ」

「あ……えと、あの……よ、よろしくお願いしますね。楓さん」

「はい!よろしくお願いします!日向先輩!……へぇ……ふーん……うふふ」

「……え?え?」


 私は日向先輩の顔を覗き込むように見る。日向先輩は少しだけ動揺して、私に見せんとばかりに顔を俯かせた。


「やめんか楓」

「ふにゃ!!」


 お兄ちゃんからチョップを食らった。お兄ちゃんは私の腕を掴んで自分の方に引き寄せながら口を開く。


「ごめん春咲さん。こいつパーソナルスペースが狭くてさ……それより、久しぶり。夏休み前以来だな」

「は、はい!一週間ぶりです……こんなに会わなかったの、初めてですね……えへへ」

「あ、あぁ……そうだな」


 あらら〜?これはやっぱり、そういうこと(、、、、、、)なのかな〜?最近お兄ちゃんが元気なのは日向先輩のお陰なのかもしれない。

 それにしても、二人ともなんか初々しいなぁ。もしかしてもう付き合ってるのかな?いやでも、そしたらお兄ちゃんは私に報告するはずだし……。

 これがもしかして……付き合う前が一番楽しいって奴なのかな!?


「おい楓。なにニヤニヤしてんだ?」


 いつの間にか二人の視線が私の方を向いていた。私は両手を後ろで組んで、腰を前かがみにしながら言う。


「んーん。二人ともなんか凄く嬉しそうだなぁって」

「え……まぁ会えたのは嬉しいが、俺達そんな喜んでる風に見えたか?なぁ春咲さん」


 あれ?もしかしてお兄ちゃん自分の気持ちに無自覚?うわぁ、こりゃ『ん?なんて言った?』が代名詞の典型的な難聴ラノベ主人公ルートかよ。

 でも……なんか違う。前の彼女さんの綾小路先輩の時と、今みたいな日向先輩の時じゃ、本人の前にいるお兄ちゃんの様子が全然違う。……お兄ちゃんは、日向先輩のことをどう思ってるのかな?


 そんな事を考えながら、私とお兄ちゃんは日向先輩に視線を向ける。


「わ、私は……嬉しいです。櫻葉くんに会えて……。その、変な意味とかじゃなくて……!」


 日向先輩は胸に手を当てて、俯きながら遠慮気味に言った。


「櫻葉くんが近くにいると、安心するというか……あっ、いや……あの……えと……けど、ホントに変な意味じゃないですよ……!!」


 きゃぁぁぁぁぁぁあ!ひ、日向先輩がめっちゃ赤くなって照れてる!!可愛すぎでしょ!マジ天使!


「日向先輩!!」


 私は日向先輩の暖かくて女の子らしい小さな両手を、包み込むように握った。


「はい!?」

「お兄ちゃんあげます!!無料で!!」

「えぇ!!?」

「はぁ!?」

「だから、私のお姉ちゃんになって下さい!」

「お姉……!わ、私は櫻葉くんとはそういう関係じゃ〇※✕△□!!」


 日向先輩の顔がさらに赤くなっていく。あぁ、可愛い、可愛いなぁ。撫でてあげたいなぁ。それで撫でられたいなぁ。頬ずりしたいなぁ。抱き合って一緒に寝たいなぁ。めちゃくちゃいい匂いしそう……うぇへへへへへ。


「お、おい、ばかえで!!お前なに口走って……」

「あ、なにお兄ちゃんまだ居たの?帰っていいよ」

「ぶっ飛ばすぞ……ほら、帰るぞ」

「あぁ!!待って!!日向先輩ともう少しだけ話を!!」


 お兄ちゃんは私の頭をガッシリと掴んで、引きずるように公園の入口に向かう。そして軽く振り返り、未だに困惑気味の日向先輩に言う。


「またな。春咲さん。今度は夏祭りだ!」


 お兄ちゃんがニヤッと笑顔で言うと、日向先輩もそれに応えるようにニコッと笑った。

 片手を控えめに振りながら、どこか名残惜しそうに呟くように言う。


「バイバイ、です。櫻葉くん。楓さん」


 私はお兄ちゃんに頭を掴まれながら大きく腕を振った。


「バイバイ!!日向お姉ちゃん!!」

「何言ってんだお前!!」


 三度目のチョップ……。



 ****



 全く……楓の奴。良くもまぁあんな恥ずかしいことを言えたもんだ。ホントにこいつ俺の妹か?

 てか春咲さん女の子にモテモテだな。菜月に楓……この前は真宮とも連絡先を交換したそうじゃないか。

 春咲さんと別れた帰り道、俺は未だに春咲さんとの余韻に浸っている楓に視線を向けた。

 でもまぁ、春咲さんと楓が仲良くなれて良かった。綾小路を紹介した時はなかなか懐かなかったもんなぁ。……いや別に綾小路と春咲さんを比べるつもりは一切ないぞ?


「ねぇお兄ちゃん」

「なんだ妹よ」


 楓は顎に手を置き、『むふふん』と鼻を鳴らしたあとに言った。


「今考えてみたんだけど、日向先輩とお兄ちゃん。二人が一緒にいるのって私は運命だと思うんだよね」

「はぁ?運命?」


 素っ頓狂な声を出す。運命とはこれまた、そんな形而上的な表現を妹の口から聞くことになるとは。

 俺は聞いてやった。


「どういう意味だよ」

「ほら!なんか名字とかさ、凄い運命的なものを感じない?春咲と櫻葉。春に咲く花は桜じゃん!」

「確かに言われてみればそうだが……桜の字がちげぇだろ」

「うわぁ、お兄ちゃんそういうのは気にしない方がモテるよ。マジレスおっつ〜」

「気に障る奴だ」

「今更なにを言ってんのさ。何年兄妹やってんの?」


 『ふん』と鼻を鳴らし、俺は視線を前へやった。夕日は沈みかけており、既に辺りは暗くなっている。

 春に咲く花……ねぇ。

 

 我が妹ながら上手いことを言いおって。俺はそんな事を考えながら、帰路を歩く。極力楓に自分の顔を見せない。きっと口元は緩んでいるだろう。


 大ノ宮神社の夏祭りまであと五日。


 ……直接会えないのは寂しいが、まぁ毎日声が聞けるだけ良しとしよう。


 俺はポケットに入っているスマホを握りしめた。

夏休み編はここまで栄太郎以外の視点を描いてきましたが、次回から本格的に物語が動き出します!

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