死にたい。
夜の公園で独りベンチに座る
街灯に群がる羽虫たちをぼんやりと眺める
彼女に止められたタバコの先に火をつけて
肺いっぱいに満たされた煙とともにため息をつく
煙の先に見える薄汚れた服のホームレス
嫌悪感が次第に親近感に変わった
午前0時を回った時計は終電とともに
彼女が行ってしまったことを告げる
あぁやっぱり神様なんていないんだと
目の前を通り過ぎる人達を睨みつける
こんな惨めな人生はあとどれだけ続くのだろう
できることならどうか早く終わらせてくれ
いっそのこと通り魔にでも刺されて死んでしまいたい
けれど灰色に包まれたこの世界は
僕が死ぬことを
許さない
許さない
許さない