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お姫様は異世界人  作者: 早見 羽流
導入編
9/36

お姫様、授業を受ける

お待たせしました!続きです!

異世界のお姫様を現代の学校に放り込むという試み……難しかったですが頑張って書きました。

「できるだけ目立たないように…」


そうリュウジに言われていたはずなのですが……


「……やっぱりこうなりますか……」


私は年齢等を考慮されて、アキではなくリュウジと同じクラスに入ることになり、教室という(ここで勉強をするらしいです。机や椅子が所狭しと並んでいる部屋でした。)部屋に入るや否や、私は生徒達に取り囲まれることになりました。


「あっ、あれ噂の美少女じゃね?」


「リュウジのやつと一緒にいたとかいう!」


「やべー、オーラぱねぇ!」


「ばりくそかわいい!」


「ねぇ、どこから来たの?」


「握手してください!…てかLINEやってる?」


……昔からそうでした。エルブラン公国で城を抜け出した時も、何故かすぐに姫だと気付かれて庶民が寄ってたかって群がってくるのでろくに探検もできませんでした。なんでも『独特のお姫様オーラ』があるんだと、幼なじみの騎士は教えてくれました。全く自覚がなかったのですが……はぁ……

どこの世界でも有名人に人が集まってくるのは同じのようです。チラッとリュウジのほうに助けを求めてみますが、リュウジはそそくさと自分の席について、そっぽを向いてしまいました。自分でなんとかしなさいということでしょうか。

……そうならば!


「私はフランスの貴族、エルブラン家の令嬢、アイリ・エルブランといいます」


と、リュウジから仕込まれた『設定』を話し始めました。正直『フランス』というのがどんな国なのかすら分かりませんが……おそらくここにいる庶民の皆さんも知らないでしょう。なので


「へー、フランスだってー」


「フランスってどんな国なのー?」


という質問があったとしても


「えっ、えっと……お城があって馬車が走っています!」


と、適当に答えておけば大丈夫……のはずです。

だんだん慣れてきた私は、庶民のみなさんから次々と繰り出される質問に一つ一つ丁寧に答え、私の国では婚約者以外の男性が姫の手を握ることは以下略なので、握手を丁重に断り、『らいん』というのはよく分からないので丁重にお断りして……


「……疲れました」


私は、行儀が悪いと分かっていながらも、机に突っ伏してしまいました。授業が始まる前にここまで疲れてしまうとは……完全に計算外です。しかし、本当の悪夢はそれからでした。


数学------


「なんなんですか数字の周りについているこの記号は!?」


英語------


「未知の言語です!よくわかりません!」


国語------


「あくたがわりゅうのすけ?誰ですかそれは?」


社会------


「この国の歴史とかルールとか、全然よくわかりません!」


理科------


「くぁwせdrftgyふじこlp;@:「」!!!」


とまあ、散々でした。オマケに休み時間になると庶民のみなさんが集まってきて質問攻めが始まるので、休憩する時間もお手洗いに行く時間もありません……

しかも……


「……ハァ……ハァ……な……なんで…私がこんな……っ!」


今日の最後は体育という授業で、学校の前にある広場(校庭というらしいです)を走らされて、普段ほとんど運動をしない私は文字通り死にかけの状態でした……


「……うぅ」


あら、世界が回って……あっ、このままではまた倒れてしま……っ


バタッ!!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



……うぅ、頭が


目を開けるとそこには見慣れない天井がありました。


「……ここは?」


「ホケンシツだよ。大丈夫、軽い熱中症だってさ」


その声は……


「リュウジさんっ!!なんで助けてくれなかったんですか!」


「ごめんな、お姫様の困ってる姿が面白くて」


「なっ!?」


「ではなくて、俺が助けるとよからぬ噂が立ちかねないし……お姫様にも迷惑かかるかも……」


「よからぬ噂?」


リュウジは少し黙ってから


「俺とお姫様が付き合ってるとか……」


「確かにそれは困りますね……」


「だよねー?」


「……しかし疲れました。あれを毎日やってるとは、庶民のみなさんは大変なのですね……」


「……まあお姫様は慣れないからあれだと思うけど……それよりも話があるんだけど」


唐突に話を逸らしてきたリュウジ


「なんでしょう?」


「……マナの多そうな場所。見当つけてきた」


リュウジは気を遣ってか小声で言います。


「……どうやって調べたんですか?」


「ちょっとオカルト研究会に知り合いがいてね。周辺のパワースポットとかきいたら喜んでマップ作ってくれたよ。放課後に片っ端から行ってみよう!」


なんと……私の知らないうちにそんなことをしてくれていたのですか……オカルト研究会とはなにかはよくわかりませんでしたが、マナ探しのきっかけが掴めたのは良いことです。ええ、それだけでも今日1日耐えてきたかいがあるというものです!


「行きましょう!」


私は寝ていた寝台から勢いよく立ち上がりました。


「……おいおい、いきなり元気になったな…」


リュウジは呆れ顔で呟くのでした。




読んでいただきありがとうございます!次からはいよいよ探索フェイズです。新キャラも投入する予定ですので乞うご期待!

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