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お姫様は異世界人  作者: 早見 羽流
ー幕間①ー
10/36

錬金術師は異世界人

探索編に入る前にちょっと幕間です。

今日はお姫様は出てきません。素っ裸の女の子しか出てきません()ごめんなさい!

それでもよければどうぞ最後まで読んでいってください……

早朝のとある路地裏。建物と建物に挟まれた狭いその場所には、時間帯のせいか、人の気配はなかった……のだが


パァァァァッ!!!


擬態語で表すとこんな感じになるのだろうか、とにかく路地裏の一部に突如として光の塊が出現して……


「……っと、うわっ!」


その中から現れた人影は、華麗に着地を決めようとして、そこら辺に落ちていたダンボールに足を取られて盛大に尻もちをついた。


「……まったく、なによここは…」


よく見ると、人影は少女のようだ。歳は15歳くらい。鮮やかな金髪のツインテールに、ゴテゴテした装飾の衣装を身につけている。


少女は悪態をつきながら立ち上がると、足元のダンボールを蹴っ飛ばした。しかし、その時まだ、自分がそのダンボールに助けられることになるとは思いもしなかった。


「あっつい……」


9月になったとはいえ、日本はまだ夏だ。しかも路地裏である。少女のその格好ではほんの数十分で熱中症になってしまいそうだ。少女はまた悪態をつくと、両手を前に突き出して目を閉じる。


スゥゥゥっと涼しい風が辺りに吹き始め、気温がどんどん下がっていった。

そう、彼女も魔法が使える異世界の人間だった。


「さぁ、人探しに行きましょうか…」


と、少女が歩きだそうとした瞬間


ガシャン


と、なにかが落ちる音がした。


ガシャン……ガシャン…


「あ、あぁぁぁぁぁっ!!!あたしの魔法霊装☆暴食のグラットン改二がぁぁぁぁ!!!」


そう、なにかが落ちる音とは、少女の衣装からゴテゴテしたパーツが欠落していく音だった。先程着地を失敗した時にぶつけてしまったのか……いや違う。この魔法霊装は周囲のマナを自動で取り込み、強度を増す。並の魔法や、物理攻撃ではビクともしない鉄壁の鎧……のはずなのだが……


「ちょっ、ちょっとまって……!」


慌てて修復を試みるが、そもそもこの場所にはマナがほとんどないということに気づいた。先程の気温低下の魔法も、無意識に魔法霊装からマナを供給してしまったらしい。少女の体内マナにはまだ余裕があったが、魔法霊装の維持に回してしまえばすぐに枯渇してしまうだろう。


要するに手詰まりだ。どうしようもない。


少女は自分の最高傑作の魔法霊装が崩壊していくのを、ただただ呆然と眺めているしかなかった。


やがて、魔法霊装は完全にバラバラになってしまい……少女のしなやかな肢体が露わになった。


通常、魔法霊装は体内マナとの同調(シンクロ)を最大限にまで高めるために、素肌に直接着用する。下着の類は一切着用しない。


つまり、魔法霊装を失った少女は、文字通り素っ裸になってしまったということだ。



一気にピンチに追い込まれた少女。



とりあえず身につけるものを探すが、路地裏にそういうものは当然ない。

まず目についたのが、先程蹴っ飛ばしたダンボール箱だった。


少女はダンボール箱を被ってみる。肩くらいまで隠れた。もちろん視界は塞がれて自分の身体は見えなくなったが、これでいいわけはない。

少女はいいことを思いついた。


「ていっ!」


箱の縁を両手で掴み、キックで底を抜いてみようとした。ダンボールの底は予想外に簡単に抜けた。ダンボールなので当たり前だが、少女はダンボールというものの仕組みは知らなかった。

そして改めて被ってみる。


胸の辺りまで下ろしてみると、踏み抜いた底の部分でちょうど大事なところは上手く隠せているようだ。不安しかないが、とりあえずこれで着るものを探しに行くしかない。


魔法霊装の欠片は、ダンボールを持ちながらでは運んでいけないし、すごく残念だが、ここに置いていくしかなかった。後でまた取りに来ればいいと割り切って、欠片を路地裏の端の方に集めると


「まったく、なんであたしがこんな目に……」


と、悪態をつきながら少女は歩き出した。




男なら、こういうの好きでしょ?っていうアレです。

大丈夫、ちゃんと本編に関係のある子です。

こういうシーン初めてなんでちゃんと書けたか心配です。誰か教えて欲しいです……


さて、幕間はあと数回続きます。

お姫様再登場まで今しばらくお待ちください…

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