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穴に向かって叫ぶ!  作者: マタゼロ
31/38

☆31話 宿屋は自分で決めます

  〈修正報告〉

 穴呪文を『チネマコ』→『アナホーリ』に変更しました。

 全身黒タイツを緑タイツに変更しました。緑ジャージを着ているので、この方がいいかなと思いました。



 後は少しづつ「」前スペースを削除、!や?の後のスペース入れをしています。



 



「ご主人様、色々なものをお召し上がりになり、満足なされたご様子。これからいかがなされますか?」


 やっとまともな異世界の食べ物にありつけて、これからはりきって異世界の物を食べていくぞ~と思ったところで、まさかの高級食材でした。はりきった気持ちに影がさしました。

 見たとたん、異世界食材には気を付けようと決めたところで、ミィに声をかけられました。


 これからと言われて考えます。少し前に思った予定では、次は宿屋です。異世界宿屋……定番です。看板娘がいるはずですが、ミィに聞いたらアウトな気がします。

 おすすめ宿屋に行ったら、絶対看板娘とは違う何かが出てきそうです。 


「うん、次は今日泊まる宿屋を探したいかな~と思うけど、宿屋についてちょっと、聞かせてくれるかな? それを聞いて、いい所を自分(・・)で選んでみたいな」


 自分で選ぶ──大切です。ミィに決めさせてはいけません。


「そうですか。では簡単にご説明いたします。宿屋には国から評価を貰っている、高級宿屋と言うものがございます。宿屋名の脇に星が書かれた宿屋でございます。

 1個から3個までの星があり、星が多い方が高級宿屋ですね。星がつくだけで高級宿屋です。ご主人様にはまったく無縁の、入っただけで宿泊を拒否されるに違いない宿屋でございます」


 そんな高級宿屋があるのに驚きましたが、まったく関係ない、入ることさえできなそうな高級宿屋から説明するとはさすがミィです。


「ご主人様が泊まることができるのは、星なし宿屋でございますね。これにもランクがございまして、冒険者ギルドの評価マークというものがございます。

 1個から5重の丸が、宿屋名の脇についております。星と同じく丸が多い方が格上の宿屋になりますね。

 丸なし宿屋もございますが、お金がないか、警戒心を鍛えたい方向けでございます」


 冒険者ギルドが宿屋の評価をしているとは驚きました。そんなこともしているとは、この世界の冒険者ギルドは、なかなか親切なところかもしれません。


 丸なし──とっても、ヤバそうです。ボられるのか、命や物を盗られるか……ダメなのは分かりました。


「ああ、丸つきにしよう。宿泊代はいくらぐらいなのかな」


 ランクがあるのは分かったので、次は宿泊代です。ここ、大事です。とっても大事です。


「一泊、6000ゼニアから2万ゼニア位でしょうか。同じ宿屋でも部屋や条件などでも、幅はあると思います」


結構幅があるような感じです。まあまあな値段なのでしょうか? 

 安いのか高いのかよく分かりませんが、何とかなりそうです。もちろん安い方で考えています。にわか成金です。根が貧乏人です。


 ――まあ、いつか、いつか豪遊します。贅沢します。ヒャッホーしますとも!


 ――でも……今はダメなの、お金を使うと心が痛いの……。お金が入って調子にのって串焼き買いすぎた? とか、不安になるくらいなの……。


「ご主人様? どうかなさいましたか」


 乙女のように手のひらを重ね、胸をおさえて遠い目になっていると、ミィから訝しげな声がかかりました。ハッとします。


「いや、なんでもないよ。じゃ、宿屋を探そうかな。宿屋がたくさんあるところとかあるのかな」


 宿屋にランクがあるのは分かりました。ならば、宿屋街みたいなところがあるかもしれません。


「ありますが、貿易港区の方ですね。この国は外国の方も多く訪れるので、宿屋は多いです。そこまで行かなくても宿屋はありますよ。ほら、この大通りでも」


 ミィがそう言って、通りにある建物を三軒ほどピシッピシッピシッと指差します。


 確かにそれらしいものがありました。宿の名前の脇に丸がついています。ミィが指差した宿屋はどれも丸が多いです。五重のものもあります。


 ミィは分かっていないです。長生きしてる妖怪らしく、結構色々な事に詳しそうですが、貧乏人の心を分かっていません! ここは自分で動くべきでしょう!


「ちょっと、そこで待っていてくれ」


 ミィに声をかけると、近くでホットドッグらしき物を売っている屋台に行きました。そう、ホットドッグの屋台です。これは買うべきでしょう! 今はお腹一杯でも、収納にしまって置いて、後でお腹が空いたら食べればいいのです。決して無駄遣いではありません。


 幸い屋台には今は他のお客はいません。


「おい、ニーちゃん。ちょっと聞きたいんだが、そのパンに挟んである長い肉は何の肉なのかな?」


 さっそく、一番大事な事を、ホットドッグらしき物を売っている若いニーちゃんに聞きました。


「え? このソーセージかい? うちは黒ブウブウの物を使ってるよ。パリッとジュシーで、うちのホットドッグはウマイって評判なんだ」


 評判が高すぎて客がいなくて暇だったのでしょう。串焼き屋と同じように、こちらの格好を見て驚いた表情を一瞬見せた後、ニーちゃんが愛想よく答えてくれます。『黒ブウブウ』──これは黒豚のような生き物ですね。そしてなんと、この食べ物は『ホットドッグ』と翻訳されました。


「『黒ブウブウ』と言うと、鼻がこんな感じの四つ足の生き物だね?」


 人さし指を自分の鼻の頭付近にくっつけると、クイッと鼻の穴が見えるように上の方に持ち上げるようにします。


「ハハッ、そうだけど、何だい? お客さんか?」


 ニーちゃんは目を見張って笑ったあと、こちらを訝しげに見てきます。固有名詞でも、異世界不思議翻訳で『ホットドッグ』と訳されたので、虫じゃなくても、元いた国では可愛がられている、食べたらヤバい生き物じゃないと確認をとりたくなりました。でも、いけません。冷やかし疑惑を持たれたようです。


 屋台の前に貼ってある『一つ200ゼニア』の文字を素早く確かめると、収納から袋を取り出し、一枚銀貨をつかんでニーちゃんに見せます。気づけば屋台の脇に『ホットドッグ』と書かれたのぼり旗みたいなものもありました。名前が決まって急に読めるようになった感じですが、見落としていたのでしょう。


「五個くれ」


 さっきお金を使うと心が痛いと思ったのに、さっそく大量買いです。金遣いが荒くなってる自覚はありますが、情報料と思えば仕方がありません。買ったホットドッグは無駄になりません。大丈夫です。


「お、まいどー。持ちかえりように包む? すぐ食べる?」


 出した銀貨を受けとると、ニーちゃんは笑顔になりました。


「包んでくれ」


「あいよ! 少しお待ちを」


 ニーちゃんは元気よく返事をすると鉄板にソーセージを五本載せて焼き始めます。作りおきではなく、今から作ってくれるようです。縦に切れ目の入った細長いパンも、下の方から取り出しました。パンは焼きたてのように温かいようです。パンの中に刻んだキャベツのような野菜を、慣れた手つきで入れていきます。


 さすが異世界──何か、パンを温かいまま保存する方法があるようです。串焼きの時は気づかなかったので、ちょっと感動します。


 『だったら、作りおきも、できたてのように温かいままなんじゃ?』なんてことは、この場合考えてはいけません。目の前で作ってくれる──お客の購買意欲をそそるいいパフォーマンスです。

 そう、温かいのはパンだけ、パンしか温められない何かなのです!


「お客さんはどこか遠い国から、冒険者になりに来た人だね? その格好、ギルドカードの飾り方、顔つき……すぐにわかったよ。この国は外国から来る人も多いんだ」


 コロコロと長いフォークのような物でソーセージを転がしながら、ニーちゃんが笑顔のまま尋ねてきます。


 そうでした。変な格好の変な人でした。でも、外国人が多いためか、そこまで驚いてはいないようです。他にも変な格好の人がいるのでしょう。さすが若くても商売人……大袈裟に驚きません。


「そう、遠いところから来た人なんだ。ギルドカードは顔につけ、国の顔として頑張らなければいけないんだよ。でね、今日はこの辺に泊まろうと思うんだが、一つ丸で若い可愛い看板娘のいるような宿を知らないかい?」


 適当にそれらしい事を言っておき、肝心の事を質問します。


「一つ丸で可愛い看板娘? ああ、それならこの通りより一本向こうの通りに『マールハイイッコ』って宿があるな。そこの道を曲がって通りに出たら、あっちに歩いて行けば見つかると思うよ」


 ニーちゃんは少し考える素振りを見せましたが、わりとすぐに答えてくれました。ここから右手に見える細い道をさします。

 大通りよりはずれた通りに出るのでしょう。そこの右手の道に入り、広い道に出たら、左に向かって歩いて行けばよさそうです。


「『マールハイイッコ』だね?」


「そう……」


 ニーちゃんが返事をしようとしたところで、ソーセージの皮がプチっと弾けてジュージューと肉汁の音がしました。いい焦げめがつくと、ニーちゃんはパンにトングのような物で焼けたソーセージを挟んでいきます。

 トマトケチャップとマスタードのように見える、先の尖った赤いチューブと黄色いチューブの中味をソーセージの脇にそってしぼって出しました。一つづつ紙で包むと、大きめの紙袋に入れて寄こします。紙袋からほかほかと温かいできたてのホットドッグの感触がしました。


「はい、お待たせ。お買い上げありがとう」


「ああ、こちらこそ教えてくれてありがとう」


 収納にホットドッグをしまうと、ニコニコ笑顔のニーちゃんに手を振って、待っていたミィのところに戻りました。


「悪い、待たせたな。そこでいい宿屋の話を聞かせて貰ったんだ。そこに行こうと思う」


「さようでございますか。では、ご主人様の思う宿屋に行きましょう」


 そう告げるとミィは頷いて歩き始めました。どことも言っていないのに前を歩くミィを不思議に思います。なんのためらいもなく、教えて貰った細い道に入ったミィに問います。


「あのさ、どことか言ってなかったよね? 分かってるのかな」


「ご主人様達の会話は聞こえておりました。『マールハイイッコ』ですよね? 分かりますので、ご案内いたします」


 おおう、聞こえていたとは驚きです。普通……というか自分だったら聞こえるはずはない距離です。妖怪オバサンのとんだ地獄耳が判明しました。これはますます油断できません。悪口を言うときは気をつけましょう。


「『マールハイイッコ』は一つ丸ですが、いい宿屋だと思います。ご主人様にはいいと思いますよ」


 ニコッと不気味笑いをしたミィに、背すじがゾクリとします。


 ミィが『いい宿屋』なんて言うとは! せっかく自分で選んだのに、嫌~な予感がし始めました。




 更新が遅くてすみません。何か小説の書き方ルールがあるらしいので、「」前スペースをなくして、!や?の後にスペースを入れる書き方に変更しました。

 数字にもあるらしく、漢数字がいいようですが、せっかくの横書き──算用数字も使いたいと、この作品はその辺は適当に書くことにしました。ゆっくり更新ですがエタらない! を目標に頑張りたいと思います。


 あ、ジャンル詐偽作品ですが、完結してから、所々修正して、異世界ジャンルに引っ越そうと思ってます。終わってからで問題なし! と勝手に決めました。(夢オチにして、実は部屋から一歩も出てない……とかもチラッと考えましたが、それはひどすぎる話になるし、それでもアウトですよね)すでに遅いかもしれませんが、変すぎにならないよう頑張って更新していきます。


   m(_ _)m


 

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